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Cooler Master、周辺より低い温度で冷却可能な水冷クーラー

MasterLiquid ML360 Sub-Zero

 Cooler Masterは、Intelの「Cryo Cooling Technology」を採用した一体型水冷CPUクーラー「MasterLiquid ML360 Sub-Zero」を4月16日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は5万3,680円前後の見込み。

 半導体が周辺温度を下回る状況でのみ、より低い電圧でより高い周波数に達することができるが、IntelのCryo Coolingはこの原理を利用することでCPUの性能を限界まで引き出すという。この技術の利用には、別途Intelからユーティリティをダウンロードする必要がある

 本製品では具体的に、熱電変換ユニット(TEC、ペルチェ素子)を利用している。CPUをペルチェ素子で冷却し、ペルチェ素子から放出した熱は水冷で対処する仕組みだ。ただ、むやみに冷却するとCPU周辺が結露してしまうので、本製品ではウォーターブロックに内蔵したセンサーが温度と湿度を検知し、システムに伝達、それに基づいて冷却することで、結露が起きるリスクを回避する。

 一体型水冷CPUクーラーでは、CPUヘッド部に水冷ポンプを組み込んだものが多いが、本製品はヘッドとラジエータ間に別途設けている。これにより高性能化し、TECから発せられた熱を効率的にラジエータに伝えられるとしている。

 対応CPUソケットはLGA1200のみとされている。ポンプの騒音は35dB以下、MTTFは19万8,000時間。ファンは120mm角×3で、回転速度は650~1,900rpm±10%、風量は最大59CFM、騒音は8~26dB、寿命は16万時間とされている。

 注意としては、このCPUクーラー単体で消費電力が最大で200Wに達する点。このため、PCI Express 6+2ピン補助電源コネクタを1基消費する。先述のとおり、本製品を使えばCPUの電圧を低く抑えられるので、ある程度相殺されるのだが、それでもトータルで消費電力が増加すると思われる。

 ちなみに、同様にペルチェ素子を採用したCPUクーラーとして、Cooler Masterから約12年前に「V10」がリリースされている。