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日本マイクロソフトら、年末商戦で「モダンPC」を訴求

 日本マイクロソフト株式会社は27日、都内で記者会見を開催し、年末商戦において「モダンPC」を強く訴求していく姿勢を明らかにした。

 同社は「モダンPC」の定義を明確にしているわけではないが、Windows 10の搭載はもちろんのこと、SSDやeMMCストレージの採用による快適性や高速性、薄さや軽さ、デザインを重視した筐体、タッチ機能やペン機能、生体認証への対応、最新Officeの搭載などをおもな例に挙げており、高速性、満足度、生産性の向上につながるようなPCがモダンPCであるという扱いだ。

檜山太郎氏

 同社 執行役員 常務 コンシューマー&デバイス事業本部長の檜山太郎氏は、「2019年のPC市場は、消費税率の引き上げおよびWindows 7サポート終了による駆け込み需要により好調が続いたが、これから盛り上がる年末商戦に向け、PCメーカー各社と協力し、モダンPCを訴求していきたい」と語った。

 「2018年にモダンPCを提唱して以来、当初は全国で24店舗しかなかった展示が200店舗へと広がり、ユーザーへの認知度が向上し、PC買い替えの指標にもされている。とくに15.6型のモダン化が進んだことで、地方のユーザーにおいても認知度が向上し、販売台数が大きく伸びた。その結果、PCをこれまで持ち運ばなかったユーザーでも持ち運ぶようになった」と実績が上がってきていることを紹介した。

 また、Windows 7サポート終了にあわせ、2019年末には約150万人、つまり約150万台ほどの買い替えによる市場規模が見込めるとし、これらをターゲットにしていくとした。

 もっとも、モダンPCの最終目標は、Windows 7からの乗り換えや、PC市場の活性化云々というより、「ユーザーがやりたかったけど実現できなかったことを実現すること」というユーザー視点のプロモーション展開であるといい、実際にユーザーがモダンPCを使った視点のコンテンツをWeb上で掲載していくとした。

PC市場の販売台数推移
地方や郊外でモダンPCの販売台数が2倍に
モダンPCのメリット
モダンPCの概要
モダンPCユーザーの調査
Windows 7サポート終了にあわせた環境移行を推進
市場にはまだ約890万台のWindows 7 PCがあり、このうち買い替え意向があると推定しているのが約470万人、そのうち150万人が年内に買い替えをする予定
量販店での展開
各社のモダンPCラインナップ
モダンPCキャンペーンの展開

 発表会には、Dynabook、デル、日本HP、富士通クライアントコンピューティング、NEC レノボ・ジャパングループの代表者も招かれ、各社新製品の特徴紹介や、パネルディスカッションが行なわれた。

 オフライン店舗の状況において、NEC レノボ・ジャパングループ コンシューマ事業 プレジデントの川島良輔氏は「消費税率の引き上げなどの効果もあったが、市場の盛り上がりは想像以上だった。とくにNEC、富士通、Dynabookといった国内ブランドのPCが好評だった。10月に多少の反動はあったが、第4四半期もこの勢いは続くと予想している」とした。

 オンライン通販の動向について、デル コンシューマー&ビジネスマーケティング統括本部 本部長の田尻祥一氏は「消費税率の引き上げのタイミングで、XPSやALIENWAREといった高価格帯の比率が多かった」と振り返った。

 続いて新モダンPCの特徴や、今冬推したい製品、実施予定のプロモーションやキャンペーンについてメーカー各社がアピールした。

富士通クライアントコンピューティング株式会社 執行役員 新規事業本部長 兼 コンシューマ事業本部 副本部長 高嶋敏久氏。「LIFEBOOK UH95」をアピール。2in1で世界最軽量の約868gを実現し、「うちわ代わりにあおげる」という。収納可能なペンや、タブレット形状時に使える背面カメラの利便性を謳う
年末はタッチアンドトライを東名阪で実施。観る(初の有機ELディスプレイ搭載モデル)、聴く(すぐれた音質のスピーカーを搭載したデスクトップ)、打つ(疲れないキーボード)、持つ(世界最軽量モバイル)などを訴求
NEC レノボ・ジャパングループ コンシューマ事業 プレジデントの河島良輔氏は、LaVie Pro MobileとYoga S740-15をアピール
前者は世界最軽量にこだわらず、堅牢性やバッテリ性能といったバランスも重視した。後者は15.6型ということで、地方/郊外のユーザーに選んでもらえるとする
LAVIE Pro MobileはTVCMやメディアでの露出、レビューでの露出を展開する
一方レノボ製品は、Vプリカ利用で最大1万円キャッシュバックキャンペーンを実施する
Dynabook株式会社 常務執行役員 生産・調達・営業所管の長嶋忠浩氏は、dynabook Z8をアピール。こちらも15.6型だ
dynabookラインナップは6種類あるが、うち4種類がモダンPC
Windows 7サポート終了に向けたコンテンツをWebで展開
購入者向けキャンペーンも実施する
株式会社日本HP パーソナルシステムズ事業本部 コンシューマー事業本部 本部長の沼田綾子氏は「HP ENVY x360 15」を紹介。15.6型ながら2in1で、家庭内での動画視聴などのさいにも便利だとした
Windows 7買い替えキャンペーンに加え、ブラックフライデーセールも実施する
デル株式会社 コンシューマー&ビジネスマーケティング統括本部 本部長の田尻祥一氏は、同社史上初となる1kg切りの「Inspiron 13 7391」を紹介。「文化の違いから、米国企業で1kgを切ることを実現させるのは難しい。本機は単に1kgを切っただけでなく、GeForce MX250も選択可能などが特徴。3Dゲームやグラフィックス処理もこなせる」とした
店頭における体験会実施のほか、ボーナスキャンペーンなどを実施。中小企業向けの特集広告も用意する