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第3世代Ryzen向けの新電源プラン、アイドル/低負荷時の問題が解消

従来の電源プランの場合のオシロスコープで見た第3世代Ryzenの電圧変動。CPPC2の機能により、アイドル時でも1ms単位で電圧が上下している

 AMDは30日(米国時間)、チップセット・ドライバ バージョン1.07.29を公開した。

 このバージョンでは、第3世代Ryzen向けのAMD Ryzen Blanced電源プランをアップデートし、アイドル時や低負荷時でも電圧とクロックが高い状態にあるように見える問題を解消した。

 第3世代Ryzenでは新たに「Collaborative Power and Performance Control(UEFI CPPC2)」という機能を実装しており、プロセッサ自身のファームウェアにより、1ms単位で電圧とクロックを調節している。このため、アイドル時や低負荷な処理でも電圧やクロックが1ms周期で激しく変動しており、多くのソフトウェアは1ms単位でモニタリングできないため、あたかもプロセッサがつねに高クロックに留まっているように見えてしまう。

 そのため、チップセットドライバ1.07.29ではCPPC2の感度を調整し、Windows 10 May 2019 Updateが当たっている環境では、アイドルもしくは低負荷時では、従来と同じ15msインターバルでクロック変動を行なうようにした。これにより多くのブーストリクエストをフィルタリングする。

 また、アイドル/低負荷時の挙動も変更し、プロセッサコアがパワーゲーティングもしくはスリープしていない場合には、ベースクロックの99%の速度で動作させるようにした(たとえばRyzen 7 3700Xの場合、3,600MHzがベースクロックのため、アイドル時は3,564MHz±0.08%となる)。これにより、アプリケーションが簡単にCPUブーストを引き起こせるようにした。

 なお、CPUクロックがブーストされているあいだは、1ms間隔のクロック/電圧調整を維持する。

チップセットドライバ1.07.29を当てた場合の電圧変動。間隔が15msとなったため、低負荷時に多くの不要なブースト動作が削減されている。また、プロセッサのパワーゲーティングもうまく動いている(電圧の谷間)

 また、1.07.29ではゲーム「Destiny 2」起動時の問題もベータとして暫定的に対処している。

 このほか、「AMD Ryzen Master」もバージョン2.0.1.1233に刷新。新バージョンでは電圧および温度報告の手法をアップデートしたことで、モニタリング精度を強化している。

 さらに、BIOSに含まれる「AGESA 1003ABB」へのアップデートも予告。このバージョンではWindowsイベントログに「イベント17, WHEA-Logger」が残る問題を修正する。AGESA 1003ABBへの更新は、各種マザーボードベンダーの品質信頼性テストをクリアしたのち、各社から提供される。