ニュース
Intel、「次世代Xeonスケーラブルプロセッサ」を近日中に投入
2019年3月28日 14:53
インテル株式会社は28日、報道向けに同社の取り組みについての説明会を開催した。
同会には、インテル株式会社 代表取締役社長 鈴木国正氏、同社執行役員 インダストリー事業本部長 張磊氏らが登壇。2019年第1四半期における同社の取り組みについて説明を行なった。
次世代Xeonスケーラブルプロセッサの近日発表を予告
鈴木氏は、第1四半期ではCESやMWCといった大型展示会での発表や、Eスポーツ大会のIntel Extreme Masters Katowice 2019の開催などを行なってきたと説明。
国内PC市場については、「健全な安定期」に入り成長していると述べ、法人向けではWindows 7のEOLによる交換需要の顕在化、2020年の教育改革による教育向け市場の成長、個人向けではゲーミングPC、クリエイターPC市場の成長が進んでいるとした。
現在同社の注力している領域としては、クラウドアーキテクチャを活用したネットワークの変革を挙げ、データセンター/クラウドからデバイスまで、5Gビジネス機会の拡大を見込んでいると述べ、データセンター/クラウドを見据えた、「次世代Xeonスケーラブルプロセッサ」を近日中に発表することを明かした。
具体的な製品名や仕様などについては言及されなかったが、2019年上半期に投入が予告されていた、1パッケージにマルチチップを封入することで、最大48コアを実現したとする「Cascade Lake-AP」が発表されるものとみられる(Intel、最大48コアの「Cascade Lake-AP」を2019年に投入)。
鈴木氏は、同氏が代表取締役社長に就任してからの社内と取り組みとして、「コーポーレート戦略チーム」が立ち上げられたことを紹介し、エネルギーや製造、サービス、コンシューマなど、各産業ごとにビジネス機会の深掘りを行なっていくほか、既存顧客やパートナーごとの対応、先進的ソリューション/技術の利用や展開など、顧客やパートナーの中期的事業戦略に合わせた提案などを実施することで、両者とともにデジタルトランスフォーメーションによる新規ビジネスの創出を目指すとした。
物流業界向けIoTソリューション「Intel Connected Logistics Platform」
張氏は、デジタルトランスフォーメーションを支援する取り組みの1つとして、物流業界向けのIoTソリューション「Intel Connected Logistics Platform (ICLP)」の国内本格展開について説明。
現在、国際的な輸送品質の課題は大きく、年間で輸送貨物全体の30%が損傷/遅延/盗難などの被害にあっており、年間6兆円にのぼる貨物の盗難被害や、生鮮食品の30%が食卓に届く前に廃棄されていると説明。製薬会社などは、そういった輸送のリスクの対策として100億円相当の在庫をつねに抱えているという。
ICLPは、エンドツーエンドのサプライチェーンを可視化するというソリューションで、荷物の輸送状況をリアルタイムで分析/可視化するというオープンプラットフォーム。荷物の位置、状態(湿度/温度)、取り扱い(傾き/落下/衝撃/振動/開封検知)をパッケージ(荷物)単位で個別に追跡できるという。
独自のセンサープロトコルの採用と、センサータグと通信モジュール(ゲートウェイ)を分離することで、センサータグを使い捨てにできるなど、3G/4Gネットワークと比べてデバイス価格を抑えられ、導入コストが低い点が、既存のソリューションと比較して優位性であると説明。
このICLPは、日本通運が開発した輸送状況可視化サービス「Global Cargo Watcher Advance」に採用されている。
日本通運株式会社 取締役 執行役員 航空事業支店長の松本義之氏は、ビッグデータの活用や物流業務の省力化、作業生産性の向上などに向けて、物流におけるIoTの活用を率先して進めていくとした。