ニュース

WD、メインメモリのように使えるNVMe SSD

~仮想メモリでメモリ容量を8倍に拡張

Ultrastar DC ME200 Memory Extension Drive

 米Western Digitalは12日(現地時間)、インメモリコンピューティング向けのNVMe SSD「Ultrastar DC ME200 Memory Extension Drive」を発表した。

 ビッグデータ時代が進むなか、時間に敏感でリアルタイム処理を必要とするアプリケーションが増加しており、すべてのデータセットをメインメモリ(DRAM)内に持つことでレイテンシを削減する「インメモリ型」のアプリも増えている。

 しかしながらDRAMの価格は高騰しているほか、大容量メモリの価格は容量に比例せず、たとえば128GBは64GBモジュールの2倍以上の価格となっている。また、DIMMスロット数にも制限があるほか、メモリをデータで埋めてもCPU使用率が高いとは限らないといった問題がある。

 今回WDが提唱する“Memory Extension Drive”は、ソフトウェア(OS)によってNVMe SSDをメモリとしてみなし、“仮想メモリプール”を構築することで、ソフトウェアからは仮想的な大容量メモリ環境に見えるというもの。これにより実DRAMの8倍の容量をより安価に実装でき、U.2インターフェイスを持つ1Uサーバーで、メモリを24TBまで(仮想的に)増設できるとしている。

Memory Extension Driveの仕組み

 Ultrastar DC ME200 Memory Extension Driveでは、機械学習、パターン認識、コードスキャンといった20種類以上の予測/プリフェッチ/最適化アルゴリズムなどを組み合わせ、DRAMに近い性能を実現。数千サイクル先にCPUが処理するアドレスをプリフェッチすることで、CPUがそのアドレスを必要とするときには、すでにDRAM内に存在できるようにするという。

 フォームファクタは、U.2接続の2.5インチタイプと、PCI Express Gen 3接続の拡張カードの2種類。容量は1,024GB/2,048GB/4,096GBの3種類。総書き込み容量は順に19.1PB、38.2PB、78PB。保証は3年。