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Xiaomi、世界初のL1+L5デュアルバンドGPS対応スマホ「Mi 8」
~Antutuは30万超え。初のFace ID/画面指紋対応、背面シースルーのモデルも
2018年5月31日 18:29
中国Xiaomiは31日(中国時間)、同社のフラグシップスマートフォン「Mi 8」を発表した。価格は、メモリ6GB+ストレージ64GBモデルが2,699人民元(約45,800円)、6GB+128GBモデルが2,999人民元(約51,000円)、6GB+256GBモデルが3,299人民元(約56,000円)。
同社は2017年に「Mi 6」を投入したのだが、“7”をスキップして“8”のモデルナンバーを与えた。理由の1つは、同社が今年(2018年)で8周年を迎える点。そしてもう1つは「期待(中国語で“期待”と“七代”は同じ発音)を超える完成度だった」ことを挙げた。
最大の特徴は、世界ではじめてL1とL5バンド帯の両方を使ったGPSによる測位。従来のスマートフォンはL1バンド帯しか対応しておらず、理論測定誤差は300m程度ある。よって高層ビルが立ち並んだり、複雑な立体交差高架橋がある近代都市部では測位が難しかった。一方でL5バンド帯の理論測定誤差は30mと高精度だが、信号を掴むまでに時間がかかるといった問題があった。
Mi 8では双方のメリットを取り入れ、L1による高速な測位とL5による精確な測位を両立。同社の測定では、iPhone XやSamsungのGalaxy S9を超える結果が得られており、発表会では自動車の窓を黒い塗料で塗りつぶし、GPS定位だけで運転できるというデモビデオも披露された。
2つ目はカメラ機能。カメラモジュールについては、3月に発表した「MIX 2S」を踏襲するが、さらなる最適化によって、第三者評価機関による写真画質評価「DxOMark Mobile」のPhotoで105というスコアを記録した。これはiPhone Xを上回り、写真で評価の高いHuaweiの「P20」に肉薄するスコアである。
また、写真の中の人物を切り出し、あたかもスタジオ内で撮ったかのような写真にする機能、数十万枚の写真の機械学習などによって自然に修整を行なう美顔補正機能などを備える。
Mi 8はiPhone Xと同じノッチつきディスプレイとなった。採用されるディスプレイはSamsungの6.21型AMOLEDで、解像度は2,248×1,080ドット。画面占有率は88.5%以上で、60,000:1のコントラスト比を実現。ノッチ部分には赤外線カメラを搭載しており、暗所でも顔認証によるロック解除が可能としている。また、安全性の面でも指紋を上回るとしている。
筐体はフレームに7シリーズのアルミ、前後に2.5Dガラスを採用し、独自のラウンド形状により持ち心地を向上。本体色はホワイト、ブラック、ブルーとゴールドの4色。
標準搭載されるOSはMIUI 9.5だが、発表会では「MIUI 10」と呼ばれる独自OSが発表された。Mi 8での公開ベータは6月末からを予定している。MIUI 10では、全画面ディスプレイの端末に特化し、ジェスチャーによるナビゲーションを搭載するだけでなく、タスクをカードのように並べて縦スクロールで一覧性を高くした。
音声アシスタント「小愛同学」も強化し、運転モードにすることで、多くの操作を音声で行なえるようにした。たとえば着信メッセージの読み上げ、目的地に行く途中で最寄りのガソリンスタンドの検索、レストランの予約なども可能。加えて、いわゆるアプリの「ログインボーナス」も、複数のアプリを順次立ち上げて受け取ることも可能になった。
カメラは、これまでデュアルカメラつきモデルでしか背景のぼかしができなかったが、MIUI 10では深層学習によりシングルカメラモデルでも背景ぼかし効果を得られるようになる。アプリの利用状況を学習し、プリロードにより起動を高速化する機能も加わった。さらに、スマート家電と連携する機能も強化された。
MIUI 10では、いまほぼ使われなくなってしまった「通知音」、「着信音」にも着目。この理由の1つに「通知が多すぎる」ことを挙げ、MIUI 10ではAIにより、連続する複数の通知を1つにまとめてから鳴らすことで、通知音の頻度を4分の1程度に抑える。加えて、通知音そのものについても、人間が不快だと思わない、水や風、木が打ち合うといった“自然の音”を収録し、通知のたびに少しずつ変化させて飽きさせないような工夫を凝らした。
搭載するSoCはSnapdragon 845で、Qualcommと共同で最適化を行なうことで、Antutu Benchmarkで301,472をマークした。本体サイズは74.8×154.9×7.6mm(幅×奥行き×高さ)、重量は175g。
Android機としては世界で初めてFace IDに対応した限定版も
Xiaomi設立8周年を記念した「Mi 8 透明探索版」も同時に発表された。メモリ8GB+ストレージ128GBの1モデルのみで、価格は3,699人民元(約62,700円)。
Mi 8をベースに作られているが、独自パターンを投影して顔認証を行なう「Face ID」をサポート。これはiPhone Xに搭載されているが、Androidスマートフォンとしては世界初となる。
また、ディスプレイと指紋センサーが一体となっており、光の反射で指紋を読み取る方式を採用。圧力センサーにより指紋センサーをウェイクアップさせるシステムの採用で、指紋認証の速度を高速化している。
指紋センサーをディスプレイ面に移したことで実現したのが、背面の完全なシースルーであった。透明探索版では内部の部品配置をシースルーに適した配置にするとともに、スマートフォンを製造する2つのラインを完全クリーンルーム化。ホコリの侵入を防ぐことでシースルーを実現したという。