やじうまミニレビュー

徘徊に悩んだ筆者が思う「あの時これがあれば」。AirTag入りインソール

やじうまミニレビューは、1つ持っておくと便利なPC周りのグッズや、ちょっとしたガジェットなど幅広いジャンルの製品を試して紹介するコーナーです。
「見つける君インソール」にAirTagをはめ込んだところ。販売元は武蔵野総合ホールディングス。実売価格は3,200円

 ここ数年ですっかり市民権を得たのが、AirTagに代表される紛失防止タグだ。荷物に取り付けて置き忘れを防止するという本来の目的のほかに、家族に持たせて居場所をリモートで把握するという、人を対象とした用途も多く見られるようになっている。

 今回紹介する「見つける君インソール」は、そんなAirTagを靴の中に仕込むための製品だ。つまり靴を履いた人の居場所をiPhoneから追跡するためのグッズということになるが、どのような用途が想定されているのだろうか。実機を購入したので、レビューをお届けする。

AirTagをはめ込むための穴が空いたインソール

 本製品は、ウレタン素材で作られたインソールだ。今回購入したモデルは24cm~28cmのサイズに適合しており、ハサミを使ってカットし、靴底に敷いて使用する。耐久性や防水性能は一般的なインソールに準ずるとみられ、本製品ならではの違いは感じられない。

 一般的なインソールとの違いは、土踏まずの部分に穴が空いており、そこにAirTagをはめ込める構造になっていることだ。はめ込んだ状態ではインソールの厚みに保護され、横から見ると完全に姿を消した状態となる。

同梱品一覧。左右のインソール、AirTagを覆うシール、穴埋めパーツで構成される
インソールを裏返すとAirTagサイズの穴が空いている
素材はウレタンとあるが、ウェットスーツなどに使われるネオプレンのような感触だ
厚み(最厚部)は実測13.8mm。AirTagの厚みは公称8mmなので完全に収まる
AirTagをはめ込んだ状態。AirTagをはめ込む向きが表か裏かは特に指定されていない
横から見たところ。AirTagが高さ的にも完全に収まっていることが分かる
このくらい極端に曲げない限りは履いていて異物感もない

 実際に着用してみても、AirTagという異物がはめ込まれていることにまったくといっていいほど気づかず、歩行にも影響を与えない。土踏まずにダイレクトに触れるような場所の歩行、たとえば鉄棒の上を歩くといった極端すぎる使い方さえしなければ、感触が足の裏に伝わることはなく、また破損の心配もないだろう。

 ちなみに取り付け用の穴はインソールの左右両方に空いているが、実際にAirTagをはめ込むのはどちらか片方で構わない。パッケージには穴埋め用パーツが付属しているので、空いた側はそれで埋めておけばよい。

靴へのセット方法。まずはサイズに合わせて先端をハサミでカットする。調整しつつ徐々に小さくしていくのがコツ
そのまま靴にすべり込ませる。靴にあらかじめ敷かれているインソールは外しておくことで高さの違和感が少なくなる
敷いた状態。見た目にはまったく分からない
AirTagを取り付けるのは片方だけ。もう片方の穴は付属パーツで塞ぐことになる

徘徊癖のある高齢者の追跡に威力を発揮

 さて本製品は、当然ながら自分自身が履く靴に装着するためのものではない。本製品のターゲットは子どもや高齢者であり、特に今回紹介している24cm~28cmに対応したモデルは、徘徊癖のある高齢者の靴にセットし、居場所をリモートで探すという、介護用途が想定されている。

今回使用したのは大人用のサイズ。パッケージには介護用を前提とした文言が見える

 個人的な体験談になるが、筆者の親も晩年には認知症を発症し、少し目を離すと家から出ていってしまう徘徊癖に大いに苦労させられた。昼間だけならまだしも、深夜に突然玄関を開けて着の身着のまま飛び出していってしまうので、リアルタイムに気づけないこともしばしば。スマホや携帯など、居場所を把握できるツールを持ち出してくれることも期待できない。

 もっともそうした場合も、靴だけはきちんと履いて出掛けるので、追跡を可能にする方法として、本製品は極めて有効といえる。AirTagはGPSを搭載するわけではなく、周りのiPhoneを通じて位置情報を発信する仕組みなので、リアルタイムで位置が取得できるわけではないが、手がかりとしては十分に有用だし、コスパも優秀だ。

 また10m前後の近距離であれば、AirTagの機能である超広帯域無線(UWB)を使って、現在いる方角および距離をリアルタイムで指し示せる。家から道路に飛び出たあと角を曲がってしまいどの方角に向かったかを目視で確認できない場合に、これほど心強いツールもない。筆者の親はすでに他界しているが、存命時にこのツールを活用できていれば、大いに役立っただろうと感じる。

取り付け先が靴であれば、徘徊癖があって着の身着のまま外に飛び出していってしまう場合も、身につけている確率が高いはずだ
AirTagの超広帯域無線(UWB)を使えば、現在いる方角および距離をリアルタイムで探せる。10m前後の近距離に限られるとはいえ夜間などは重宝するだろう

 なお、本製品は子ども向けのサイズ違いもラインナップされており、子どもの居場所を追跡するのに効果を発揮する。子どもの場合は、位置情報を追跡するためのさまざまな専用デバイスが販売されているので、そちらとの兼ね合いになるだろう。

 とはいえ、ふだん身につけている靴に取り付けられるため、GPSデバイスを取り付けたランドセルを置いて姿を消し、追跡できなくなるといったアクシデントを避けやすいのは強みだろう。

新規の靴とセットでの導入が望ましい

 最後になるが、そんな本製品で唯一気をつけたいのが、インソールには一定の厚みがあることから、現在履いている靴にこのインソールを挿入すると、フィット感が変わり、足が収まらなくなる可能性があることだ。

 履いている靴に別のインソールが挿入されていれば、それと取り替えることで最低限の調整でそのまま使える場合もあるかもしれないが、原則として新規の靴とセットで導入することになるであろうことは、想定しておいたほうがよいだろう。導入してしまえば原則メンテナンスフリーだが、本人に納得して身につけさせることも含めて、導入についてはやや手間がかかる可能性はある。そこをどうクリアできるかだろう。

インソールを敷いていない状態(右)と比べると底面は高くなる。すでにフィットしている靴は履きづらくなることが予想されるため、原則として新規の靴とセットで導入することになるだろう

 またAirTagについては、第1世代でも第2世代でも問題なく対応するが、用途を考えると、UWBでの通信距離が長い第2世代モデルのほうがベターだろう。なお、サードパーティ製のAirTag互換タグについては、UWBに対応しないことから、たとえ形状がマッチしても使わないほうがよいだろう。ここはケチるべきところではない。

仕組み上、サイズさえ適合すればAirTag以外のツールも取り付けられるが、UWB対応ならばAirTag一択。また通信距離を考慮すると第2世代モデルが望ましい

 ちなみに本製品のようなAirTagを仕込めるインソールは、今回紹介した製品以外にも、Amazonで「AirTag インソール」といったワードで検索すると、大量のラインナップがヒットする。穴が土踏まずの位置にあるなどの構造はほぼ同様で、違いはサイズ、デザイン、モールドということになる。より適した製品がある可能性もあるので、どのようなバリエーションがあるか、購入前に見比べてみるとよいかもしれない。