PC短評

最新Intel N150搭載のミニPC「GMKtec NucBox G3 Plus」

GMKtec NucBox G3 Plus

 GMKtecの「NucBox G3 Plus」は2024年末頃から搭載製品が発売されているTwin LakeことIntel N150プロセッサを搭載したミニPCの新製品だ。Amazonの同社ストアページや、直販サイトなどから購入が可能で、価格は直販サイトで169.99ドル(約2万6,390円)。

 Twin LakeことIntel N150はコストパフォーマンスの高さから好評だったIntel N100(AlderLake-N)の後継モデル。Intel公式サイトで情報を比較してみると、最大周波数が3.4GHzから3.6GHzに向上したほか、内蔵GPUの最大クロックも750MHzから1GHzに向上するなどの改良点が見られるようだ。

 2024年末よりIntel N150搭載モデルが各社よりリリースされており、GMKtecについては、Intel N100のストアページの一部において、12月9日15時以降に入荷したモデルは全てN150にアップグレードされているという表記が記載されている。

 今回お借りした評価機は「NucBox G3 Plus」のメモリ16GB、ストレージ512GBモデルで、同社オプションではメモリやストレージを自分で用意するベアボーンモデルのほか、メモリやストレージの違いで3タイプを用意。本体カラーはチタニウムグレイとラッシュグリーンの2色を用意する。

 CPUは前述の通り、Intel N150(4コア/4スレッド/3.6GHz、ビデオ機能内蔵)で、メモリ容量は16GB、ストレージは512GBのM.2 2280 SSDを内蔵する。OSはWindows 11 Pro。

 インターフェイスは前面にUSB 3.2 Gen 2 2基、背面には4K/60Hz出力対応のHDMI 2基、USB 3.2 Gen 2 2基、2.5Gigabit Ethernet、3.5mmヘッドセット端子を備える。Wi-Fi 6とBluetooth 5.2にも対応し、本体サイズは実測で約115×107×44mm、重量約260g。

 付属品はマニュアル、専用ACアダプタ、ディスプレイ背面のVESAマウントに固定する専用金具、HDMIケーブルなどで非常にシンプルな構成となっている。

本体正面にはUSB 3.2 Gen 2 2基と電源ボタンを備える
背面に主要端子類が集中しており、HDMI、USB 3.2 Gen 2 2基、2.5Gigabit Ethernet、HDMI、3.5mmヘッドセット端子、DC電源端子が並んでいる
側面には通気用のスリットを備えるのみ
天面にはGMKtecのロゴとIntel Insideシールが光る
底面には4隅にゴム足を備えるほか、中央に通気口とVESAマウント金具を固定するネジなども備える
ゴム足を外してもネジはないので注意
内部にアクセスしたい時は、天面部の隙間から爪や治具を使用して爪を外す。ドライバなどがなくても天板を着脱できる
天板を外した状態。メモリスロットやM.2 SSDスロットが確認できる
本体重量は実測で260g
外形寸法は手動でノギスを使って測定した

 2系統あるHDMI端子については、2画面同時に4K/60Hzの映像出力が行なえる。パフォーマンスについては、PCMark 10の総合スコアが3,070で、Cinebench R23のスコアがマルチコアで2,555、シングルコアで780など、Intel N100の後継ということもあって多少スコアが向上しているようだ。3DMarkの各スコアについても、Intel N100のスコアと比べて性能が向上しているのが確認できる。

 本体に備える冷却ファンの静音性については、かなり静かで通気口に耳を近づけないとファンの音が確認できない程度。低域の音質のため、静かな環境でも活用できそうだ。

PCMark 10の結果は総合スコアが3,070
Cinebench R23のスコアはマルチコアが2,555、シングルコアが780
3DMark、Night Raidのスコアは5,019
Wild Lifeのスコアは3,439
Fire Strikeのスコアは1,317
Time Spyのスコアは466

 ただ、ここで1点BIOS設定の中にある「Power Limit Select」という項目が気になった。ここがデフォルトでは「Balance」になっていたのだが、この設定をもう1つの「High Performance」に変更してみた。

 その結果パフォーマンスが向上するケースもあれば、あまり変化がないパターンもあるようだ。たとえばPCMark 10のスコアは設定変更前と変化がなかったが、3DMarkのNight Raidのスコアは5,452と400ポイント近くもスコアが上がったほか、Cinebench R23のスコアもマルチコアで2,919に向上した。

BIOS設定の「Power Limit Select」がデフォルトは「Balance」だったので、ここを「High Performance」に変更してみた
設定変更により、Night Raidのスコアは5,452とかなり向上した
Wild Lifeのスコアは3,476であまり変化はなかった
Cinebench R23のスコアはマルチコアが伸びた一方でシングルコアはほとんど変化がなかった

 GMKtecの「NucBox G3 Plus」は、これまでIntel N100搭載NUCを検討していた人にとっては、後継モデルとして問題のない選択肢の1つとなる製品に仕上がっていると言えるだろう。