PC短評

Ryzen 7 3700U搭載でCDケースよりフットプリントが小さいPC「LarkBox X」

LarkBox X

 CHUWIの「LarkBox X」は、CPUにRyzen 7 3700Uを搭載した小型のデスクトップPCだ。Amazonでの価格は5万4,800円。28日までは4万2,800円で販売されていて、特価を狙って購入したユーザーも少なくないだろう。

 LarkBox Xは本体サイズが約127×127×49mm(幅×奥行き×高さ)と、CDケースを平置きした際のフットプリントよりも小さい筐体が特徴。本体の大半がプラスチックで、重量が約460gと軽量なのも特徴。ちょっとしたスペースに置いておけ、その気になれば持ち運びもできる。

 今はこうした小型PCも徐々に選択肢が増えてきているが、本製品はCPUに最新のものではなく、2世代前のノートPC向けハイエンドRyzen 7 3700Uを採用しているのが特徴。4コア/8スレッドでクロックは2.3~4GHzと、今となっては速いプロセッサではないが、Webを閲覧したり、軽量な3Dゲームをプレイする分にはまったく問題のない性能である。

 メモリは8GB、ストレージは256GBのNVMe SSDと、ストレスなく使う上で必要最低限スペックを満たしている。これで不満がある場合は、メモリを増設(実際は2スロット埋まっているため換装)するなりSSDを換装するなりとなる。OSはWindows 10 Homeとなっているが、Windows 11への対応も謳われている。

製品パッケージ
製品パッケージ。付属のACアダプタは65Wタイプと、かなり余裕がある
CDケースよりもフットプリントが小さい

 メモリはUSB 3.0×4のほかに、2基のGigabit Ethernet、IEEE 802.11ac対応無線LAN、3.5mm音声入出力、そしてUSB Type-C、HDMI出力、DisplayPort出力を搭載。USB Type-Cを併用することで最大3画面出力ができる。

 なお、公式に謳われていないが、USB Type-C給電による駆動も一応サポートしているようだ。ただし筆者手元のディスプレイ「Innocn WR44-PLUS」では、BIOSからOSに入る際にディスプレイ解像度信号が一瞬切り替わった際に給電も途切れるようで、起動できなかった。ディスプレイによっては、ケーブル1本で動作できるかもしれない。

 また、ディスプレイ背面にVESAマウントホールが空いている場合、付属するVESAマウンタにより後部に取り付けられる。無線キーボード/マウスを使い、うまくすればUSB Type-Cケーブル1本で一体型PCのように使うこともできるだろう。

 ファンの騒音は軸音成分が多めな印象で、アイドル時でもやや気になるが、置き場所を工夫すれば気にならないだろう。ちなみに本機ではCPUの消費電力上限が25Wに設定されていて、Cinebench R23実行時は約3.1~3.2GHzで遷移した。負荷時の温度は60℃(室温16℃の環境)と十分に余裕がある。

本体正面。USB 3.0×2、USB Type-C、3.5mm音声入出力を搭載
本体背面。USB 3.0×2に加え、2基のGigabit Ethernet、HDMI、DisplayPort出力を装備
本体上部にファンを装備するため、ファンの回転音が耳につく

 ベンチマークしたところ、PCMark 10のスコアは3,942となっており、Gemini Lake搭載モデル(1,700台)やJasper Lake搭載モデル(スコア2,400台)とは一線を画する。最新鋭のCore i7-1195G7などでは5,000台超えも当たり前なので、それと比べると見劣りするが、エントリーとは明らかに異なる軽快さを実感できるだろう。

 AMDプロセッサと言えばCPU内蔵のGPUもウリの1つで、同時期のIntelプロセッサと比べれば高速。試しに3Dゲーム「原神」をプレイしてみたところ、デフォルトでは「低」画質プリセットが適用され、1,920×1,080ドット解像度では30~40fpsで動作可能だった。カジュアルな3Dゲームでも十分にプレイ可能だろう。

PCMark 10のスコアは3,942だった。Jasper Lake版Celeron N5095の1.6倍の性能である
3DMark Time Spyの結果
3DMark Fire Strikeの結果
3DMark Night Raidの結果
3DMark Wild Lifeの結果
原神も「低」画質なら、1080p解像度では30fps以上で動作した