OpenClawで試したいアレコレ

自分専用のAIエージェントを作る!OpenClawのセットアップ手順を完全紹介

 AIエージェントを自分のPCで動かせるツールとして注目を集めている「OpenClaw」。本連載では、自分の生活をもっと快適にする“相棒”としての活用法を紹介していく。どのような使い方が便利なのか、何を効率化できるのか、趣味をより充実させることはできるのか、などなど幅広く取り扱う予定だ。

 そのためには、何はなくともOpenClawをインストールしないと始まらない。まずは、Windows PCへのインストール手順をじっくりと解説しよう。

Windows PCに導入し、ChatGPTとDiscordを組み合わせて使用する

 まずはWindows PCにOpenClawを導入する。 OpenClawの導入にあたり、専用のPCを用意することを強く推奨しておく。

 というのも、OpenClawはChatGPTなどのように質問へ答えるだけでなく、ファイルの読み書き、Web検索、シェルコマンドの実行、外部サービスとの連携など、実際の作業を任せられるのが特徴だ。一方で、AIがローカルファイルや外部サービスに触れるということは、誤操作や情報漏洩のリスクがある。専用PCを用意すれば、その影響を抑えられるためだ。

本稿ではGEEKOM「AI PC IT15」にOpenClawをインストールして使用した。Core Ultra 9 285Hを搭載するミニPCだ

 今回はWindows 11の日本語環境にOpenClawをインストールし、AIモデルにはChatGPTのOAuth接続を使う。OpenClawへの指示や返信の受け取りにはDiscordを利用する。そのため、OpenClawをインストールする前に以下の用意が必要だ。

 OpenClawは、JavaScriptを動かすためのNode.js環境で動作する。未導入の場合はNode.js公式サイトからWindows版をダウンロードし、インストーラーの指示に沿ってインストールしておこう。

Node.js公式WebサイトのダウンロードページからWindowsインストーラーをダウンロードして実行する
ウィザードが起動するのでインストールを行なう

 なお、ChatGPT/CodexのOAuth接続については無料プランでも使えるが、すぐに利用上限に達してしまい実用的ではない。OpenClawで使うならPlus以上の有料プランをおすすめする。

 まずは無料プランでOAuth接続とOpenClawの基本動作を確認し、使い続けたくなった段階で同じChatGPTアカウントをPlusへアップグレードするのもアリだ。

 本稿では安定して試しやすい環境としてChatGPT Plusを前提に話を進める。

DiscordにOpenClaw用サーバーを作る

 まずはOpenClawとやり取りする場所をDiscord側に用意する。既存のサーバーにBotを入れることもできるが、最初はOpenClaw専用のサーバーを作る方が分かりやすい。ほかのメンバーがいない個人用サーバーなら、誤って関係ない会話に反応する心配も少ない。

 Discordを開き、左側のサーバー一覧にある「+」をクリックする。「オリジナルの作成」を選び、用途は「自分と友達のため」を選択。サーバー名は「OpenClaw」など分かりやすい名前にしておく。

Discordアプリを開き、左上の「+」をクリック。サーバーの作成が表示されるので「オリジナルの作成」を選択
「自分と友達のため」をクリックする
サーバー名を入力する。ここでは分かりやすく「OpenClaw」とした

Discord Developer PortalでBotを作成する

 次にOpenClawがDiscordに参加するためのBotを作る。WebブラウザでDiscord Developer Portalを開き、Discordアカウントでログインする。アクセスした際に理由を尋ねる画面が表示されたら「Botを作成したい」を選ぼう。

 右上の「新しいアプリケーション」をクリックし、アプリ名に「OpenClaw」などを入力して作成する。作成後、左メニューの「Bot」を開き、必要であればBotのユーザー名やアイコンを設定する。

Discord Developer Portalにアクセスして「新しいアプリケーション」をクリック
アプリの名前を付ける。ここでは分かりやすく「OpenClaw」とした

 同じ「Bot」画面を下にスクロールし、「Privileged Gateway Intents」で以下を有効にする。

  • Message Content Intent
  • Server Members Intent
  • Presence Intent

 OpenClawがDiscord上のメッセージ内容を読み取るにはMessage Content Intentが必要になる。Server Members Intentはユーザーやロールを使ったアクセス制御に使う。Presence Intentは必須ではないが、状態表示や在席情報を扱う可能性があるため、今回は有効にしておく。

左のメニューから「Bot」をクリックして画面をスクロールし、「Message Content Intent」「Server Members Intent」「Presence Intent」を有効にして「変更を保存」をクリック

 続いて同じ「Bot」画面の「トークン」で「トークンをリセット」を押し、Bot Tokenを生成する。表示されたトークンはOpenClawの設定で使うのでコピーしておこう。これはパスワードと同じ扱いなので、ほかの人に見られないよう注意しよう。

画面を上にスクロールして「トークンをリセット」をクリック
リセットの有無が問われるので「実行します!」をクリック
多要素認証が表示されるのでDiscordのパスワードを入力し、「送信」をクリック
トークンが表示されるのでコピーしておく。ほかの人に漏らさないよう扱いには注意しよう

BotをDiscordサーバーに招待する

 左メニューの「OAuth2」を開き、「OAuth2 URL ジェネレーター」までスクロールする。「スコープ」では以下にチェックを入れる。

  • bot
  • applications.commands
左のメニューから「OAuth2」をクリックし、OAuth2 URL ジェネレーターにある「bot」と「applications.commands」にチェックを入れる

 「Botの権限」では以下を選択する。それぞれの権限にどういった意味があるのかの説明も書いておいた。

  • チャンネルを表示
    Botが対象チャンネルを認識するために必要
  • メッセージを送る
    OpenClawの返答をDiscordへ投稿するために必要
  • リンクを埋め込み
    URLを含む回答や調査結果を見やすく表示するために必要
  • ファイルを添付
    ログ、画像、生成ファイルなどを返す場合に必要
  • メッセージ履歴を読む
    直前の会話だけでなく、文脈を踏まえて返答するために必要
画面をスクロールし、Botの権限から「チャンネルを表示」「メッセージを送る」「リンクを埋め込み」「ファイルを添付」「メッセージ履歴を読む」にチェックを入れる

 画面下に生成されるURLをコピーしてWebブラウザで開き、先ほど作成したOpenClaw用サーバーを選択してBotを追加する。

生成されたURLをコピーしてWebブラウザで開く
Discordアプリが開き、アクセスを要求されるので「はい」をクリック
権限の認証を求められるのでBotの権限で設定されたものが反映されているか確認し、「認証」をクリック
ロボットでないことを確認されるので「私は人間です」にチェック。これでDiscordでOpenClawを使う準備が完了となる

PowerShellからOpenClawをインストールする

 Windowsのスタートメニューで「PowerShell」と検索し、「管理者として実行」で起動する。以下のコマンドを入力してEnterキーを押す。

iwr -useb https://openclaw.ai/install.ps1 | iex

 これはOpenClawのインストールスクリプトを取得し、そのままPowerShell上で実行するコマンドだ。インストールが進むと、OpenClawの初期設定ウィザードが起動する。

スタートメニューから「PowerShell」を検索し、PowerShellを「管理者として実行」する
インストールコマンドを入力して「Enter」キーを押す

初期ウィザードでChatGPT PlusのOAuth接続を選ぶ

 ウィザードが起動すると「I understand this is personal-by-default and shared/multi-user use requires lock-down. continue」と表示されるので「Yes」を選択する。次は「QuickStart」を選ぶ。AIモデルの設定ではOpenAIを選び、ChatGPT/CodexのOAuth接続を使う。ChatGPTのアカウントでログインし、認証が完了したらウィザードへ戻る。

この画面では「Yes」を選択
「QuickStart(recommended)」を選択する
モデルは「OpenAI」を選択する
「ChatGPT Login」を選択する
WebブラウザにChatGPTへのログイン画面が表示されるので、ログインを行なう
ログイン後はウィザードに戻り、標準モデルは「Keep current(openai/gpt-5.5)」を選択

 なお、OpenClawでは、AIモデルの利用方法としてAPIキーを設定する方法も選べる。APIキー方式は利用量に応じて課金されるため、慣れたユーザーなら細かく管理しやすい。一方、初めてOpenClawを導入する人には、まずChatGPT PlusのOAuth接続を使う方が扱いやすい。

 一番大きいのは、APIキーを作らなくてよいことだ。OpenAIの開発者向けページでAPIキーを発行し、請求設定を確認し、利用上限を見ながら運用する、という手順は初心者にはかなり手間だ。

 OAuth接続なら、WebブラウザでChatGPTアカウントにログインするだけで認証できる。ChatGPT Plusはサブスクリプション型なので、少なくとも「OpenClawを試している間にAPI料金が想定外に増える」という不安は小さい。もちろんPlusにも利用上限はあるため無制限ではないが、日常的な短い依頼は十分こなせる。

DiscordチャンネルをOpenClawに接続する

 ウィザードのチャットチャンネル設定ではDiscordを選び、先ほどコピーしたBot Tokenを入力する。チャンネルへのアクセスは「Open」を選択。そのほかの設定はスキップする。

チャンネルの選択では「Discord(Bot API)」を選択
「Enter Discord bot token」を選び、コピーしておいたトークンを入力する
この画面では「Yes」を選択
チャンネルへのアクセスは「Open(allow all channels)」を選択
検索の設定はスキップで問題ない
スキルの設定もここでは「No」を選択
フックの設定もここではスキップする
最後に「Hatch later」を選択すればウィザードは完了だ

OpenClawを起動し、Discordで挨拶しよう

 再びPowerShellを起動し、以下のコマンドを入力して「Enter」キーを押す。

openclaw gateway run

 これでOpenClawが起動する。Discordアプリを表示し、OpenClaw用サーバーのチャンネルでBotにメンションを付けて「こんにちは」と送ってみる。Botから返信があれば、Discord連携は成功だ。

 OpenClawは、初回の会話やワークスペース内の設定ファイルを通じて、ユーザーの呼び方、AI自身の名前、口調、守るべきルールを覚えられる。インストール直後に、最低限の取り決めをしておくと使いやすくなる。

 たとえば以下のように伝えてみよう。

私の名前は○○です。ふだんは○○と呼んでください。
あなたの名前はOpenClawです。口調は丁寧すぎず、短く分かりやすくしてください。
ファイルを削除、メール送信、SNS投稿、外部への公開操作を行なう前には必ず確認してください。
重要な約束や好みは、あとで思い出せるようにメモしてください。

 性格や口調は好みに合わせよう。たとえば「秘書のように丁寧に」「友人のようにくだけた感じで」「結論から短く」など、普段使いやすい方向にする。AIエージェントは毎回の作業で触れる相棒に近いので、最初に距離感を決めておくとやり取りが楽になる。

 同時に、禁止事項も明確にしておく。特に、削除、送信、公開、課金、外部サービス連携のような取り返しがつきにくい操作は、必ず人間の確認を挟むルールにしておこう。

OpenClawを起動するには再びPowerShellを実行し、「openclaw gateway run」と入力して「Enter」キーを押す
これでDiscordでOpenClawを操作可能になるのでBotにメンションして、まずは「こんにちは」と挨拶してみよう
お互いの呼び方や口調などを決める
削除前には確認するなどルールを決める

 これでOpenClawを使う準備が整った。次回から便利な使い方を提案していく。自分だけのAIアシスタントを育てていく楽しみを味わってほしい。

 最後に、よくあるトラブルも紹介しておくので、もしインストール時に問題が起きたときは確認してほしい。

よくあるトラブルと対処

初期ウィザードが起動しない

 PowerShellで以下を実行する。

openclaw onboard

PowerShellでスクリプト実行エラーが出る

 以下を入力して、PowerShell内だけ実行ポリシーを一時的に緩める。

Set-ExecutionPolicy -Scope Process -ExecutionPolicy Bypass -Force

 その後、コマンドを再度入力する。

DiscordでBotが反応しない

 まずDiscord Developer Portalの「Bot」で「Message Content Intent」が有効になっているか確認する。変更した場合はOpenClawを再起動する。

 次にBotを招待したときの権限で、「チャンネルを表示」「メッセージを送る」「メッセージ履歴を読む」が付いているか確認する。