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Mac標準の地図アプリ「マップ」のおすすめテクニック!

 地図アプリといえば、多くの人が「Google マップ」を思い浮かべるかもしれません。しかし、Appleの純正「マップ」もこの数年で着実に進化しています。今回はGoogle マップに負けず劣らずの機能を持つAppleの純正「マップ」アプリを、Macでもっと上手に使いこなすためのテクニックを紹介します。

「マップ」は、MacをはじめiPhone、iPad、Apple Watchの標準アプリとしてインストールされています

複数の経由地を追加してルート検索をする

 バージョンアップのたびに使い勝手が進化するApple純正の「マップ」。macOS Venturaでは、車のルート検索の際に複数の経由地を追加できるようになりました。
 わずかな変化のように思えますが、使ってみると今までこの機能がなぜ搭載されていなかったのか不思議に思えます。たとえば、目的地までの移動中に何カ所かお店に立ち寄りたいときにとても便利です。

 経由地を追加する手順は簡単で、まずは通常と同じように目的地を検索して[経路]ボタンをクリック。そして目的地の経路が表示されたら、ウィンドウから[経由地を追加]ボタンをクリックして経由地を入力するだけです。

 ここでやや注意したいのは、経由地が目的地の後(リストでは下)に追加されてしまうこと。そのため、経由地の順番をドラッグして並び替えましょう。

 なお、複数の経由地を登録した場合、A地点とB地点のどちらを先にするかで距離や時間が変わります。経由地の順番を並び替えるとルート候補がリアルタイムに変化しますので、直感的に車(またはバイク等)での効率的な移動ルートを見つけられます。

「マップ」の検索欄から住所や施設名を検索して目的地を表示し、[経路]ボタンをクリックするとルート検索を開始できます
目的地までの経路候補が表示されます。移動手段から[車]を選び、[経由地を追加]をクリックします
経由地を追加したら、リスト右側の[≡]をドラッグして順番を並び替えます

目的地をiPhoneやiPadに送信する

 Macで作業をしていてしばらくしたら外出しなければならないとき、皆さんは目的地をどのように検索しますか。外出してからiPhoneやiPadの「マップ」で探すという人も多いかもしれませんが、外出前にMacの「マップ」で検索するのもおすすめです。

 というのも、MacのほうがiPhoneやiPadよりも広い画面で操作できるから。また、Macの「マップ」アプリは非常に簡単にiPhoneやiPadの「マップ」と同期できるので、「Macであらかじめ調べてiPhoneまたはiPadで確認する」といった効率の良い使い方ができます。

 Macの「マップ」で探した目的地をiPhoneやiPadと同期させるには、Macの「マップ」で検索した目的地を[ガイドに追加]します。新規ガイドまたは自分で作成したガイドはサイドバーの「マイガイド」に表示され、この「マイガイド」は自動的にiCloudと同期されるので、iPhoneやiPadの「マップ」でもすぐに確認できます。

 また、iCloudの同期を待たずにすぐに目的地の情報をiPhoneやiPadに送りたい!という場合は、Macで検索した目的地の情報から[デバイスに送信]を選びましょう。

 すると、iPhoneやiPadに即時通知が届くので、あとはそれをタップするだけ。検索した目的地が「マップ」アプリで自動的に開き、すぐに目的地までのルートを検索できます。
 Macで目的地を検索して今後も保存しておきたい場合は「マイガイド」へ保存、頻繁に利用しない目的地なら[デバイスに送信]を利用するといった具合に使い分けるといいでしょう。

Macの「マップ」で目的地を検索したら、[ガイドに保存]を選びます。新規ガイドまたは既存のガイドに目的地を登録します
Macの「マップ」のサイドバーを見ると、「マイガイド」に目的地が表示されます
iPhoneの「マップ」を開いて検索カードを上にスワイプするとマイガイドが表示され、iCloud経由で同期された目的地を確認できます
iPhoneやiPadに目的地をすぐに送りたい場合は、目的地の右上の[…]をクリックして[デバイスに送信]から自分のiPhoneやiPadを選択します。[ファイル]メニューからも操作できます
iPhoneやiPadに即時通知され、タップすると「マップ」アプリが開き目的地が表示されます。経路情報は共有されないので、必要な場合は再度ルート検索をします。

目的地の天気予報を確認する

 特に、出張や旅行などで遠くへ出かけるときは、目的地までのルートだけでなく、天気も知りたくなるでしょう。そんなとき、「天気」アプリを探して起動したり、ネットで検索したりするのは手間がかかります。

 そこで、目的地の天気も「マップ」から簡単に調べてみましょう。あまり知られていないのですが、macOS Ventura以降では地図の左下に天気アイコンが表示され、ここをクリックすると標準の「天気」アプリが起動して、目的地の現在の天気や今後の天気、降水量などを確認できます。

 また、[マップ]メニューから[設定]を開いて[一般]タブを選び、[空気質指数(AQI)]にチェックを入れると、気象状況の下に空気質指数も表示されます。

「マップ」の検索結果の左下に気象状況が表示されます。macOS Ventura以降では、クリックすると「天気」アプリが起動して天気予報を確認できます。
[設定]を開いて[一般]タブから[空気質指数(AQI)]にチェックを入れると、空気質指数も表示できます

交通機関の運賃を確認する

 Macの「マップ」で電車やバスなどの交通機関を利用したルート検索を行なうと、駅やバス停の現在の時刻表や運賃の情報を調べることができます。

 また、複数の路線が複雑に乗り入れている都市部などでは、次に来る路線や移動時間、運賃を比較してルートを選べます。

 さらに、ここで便利なのは、電車やバスの遅延情報も確認できること。発車予定の時刻の下に表示される[さらに表示]をクリックすると詳細情報が表示され、乗車予定の電車やバスが正常通り運行しているか、またはその後のダイヤが予定通りか遅延しているかを確認できます。

 WEB検索では瞬時に見つけにくい情報も「マップ」アプリ内で調べられることは知っておくとよいでしょう。

駅などの交通機関を検索すると、乗り入れている路線ごとに現在時刻から次の出発時刻の情報が確認できます
交通機関でルート検索すると運賃も表示されるので、所要時間などと見比べながら最適な路線を探せます
交通機関で目的地までのルート検索を行ない、表示される候補から好みのルートを選択します
目的地までの詳細なルートが表示されます。ここで[さらに表示]を選びます
すると[出発情報]が表示され、電車やバスが正常に運行しているかどうかを確認できます

自宅や勤務先などよく使う場所を保存する

 Macの「マップ」を快適に使うためには、サイドバーに表示される[よく使う項目]を積極的に活用しましょう。特に、自宅や勤務先といった自分の行動の起点となる場所を登録しておくと便利です。

 サイドバーの[よく使う項目]の脇にある[+]ボタンをタップすると、マップから目的地を検索したり、自動でリストアップされる場所から目的地を選んで登録できますが、自宅や勤務先を登録するにはもっと簡単な方法があります。

 それは、「連絡先」アプリの「マイカード」(自分のカード)に自宅や勤務先の情報を登録しておくこと。ここに追加した住所は自動的に[よく使う項目]に表示されます。もし引越しや転勤などをしたら「連絡先」アプリで修正するようにしましょう。

「連絡先」アプリで[カード]→[マイカードを表示]で自分の連絡先情報を表示します。[編集]ボタンをクリックして自宅と勤務先の住所を入力します
サイドバーに表示される[よく使う項目]に自宅や勤務先の項目が自動的に追加されます

「経路プランナー」と店舗やランドマークへの評価

 ルート検索では、移動手段ごとに細かいオプションをデフォルト設定できる「経路プランナー」という機能があります。

 たとえば、車での移動では高速道路や有料道路を利用しないといったオプションがあり、交通機関の移動ではバス、地下鉄、電車、フェリーから利用しない手段を外すことができます。

 この程度の経路オプションはGoogle マップでもお馴染みですが、「マップ」ではさらにユニークなオプションを設定できます。徒歩や自転車での移動では交通量の多い道路や坂道を避けるオプションがあり、さらに徒歩では階段を利用するルートも避けられます。

 さらに、徒歩や自転車で坂道を含む複数のルート候補があった場合には、出発地から目的地までの高度の変化をグラフで表示し移動中の負荷を視覚的に確認できます。

 この経路プランナーを利用することで、最短距離や最短時間の結果だけでなく自分の健康状態や目的に応じた賢いルートを探せるのです。

 そして、訪れたお店やランドマークの評価や写真を自分で「マップ」に追加することもできます。すでに「食べログ」や「Trip Adviser」などの外部サービスを利用している場合は、料理のレビューや評価をマップから呼び出して投稿できます。

 また、★マークのアイコンで表示されているランドマークでは、自分で撮影した写真を「マップ」から直接追加できます。

 なお、投稿した写真を外部サービスに利用を許可するかどうかや、写真提供のクレジット表示については[設定]から指定でき、プライバシーも守られます。

[設定]を開いて[経路プランナー]タブから交通手段ごとの経路オプションをチェックします。ここでは徒歩でのルート検索の際に坂道や階段、交通量の多い道路を避けるオプションを有効にしました
徒歩でのルート検索をすると、経路プランナーが指定したオプション条件に合致するルートを提案してくれます。坂道が避けられない場合は警告マークが表示され、その程度や登り下りの高度を確認できます
[設定]を開いて[評価と写真]タブから設定すると、店舗やランドマークの情報を表示した際に「Trip Adviser」や「食べログ」の評価やレビューが参照できるほか、自分でレビューや写真を追加することもできます