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デル、第11世代Core i9 HやRTX A5000搭載の15.6型/17型モバイルワークステーション

今回発表した新製品群(Precision 3560のみ1月にすでに発表)

 デル・テクノロジーズ株式会社はワークステーション「Precision」シリーズより、15.6型/17型ノートPC 5機種を発売した。

 全製品ともに、CPUには第11世代Core i9 HまたはXeon Wシリーズを選択可能なほか、AIにより性能の最適化が図れるDell Optimizer for Precisionにも対応。フラグシップからエントリーまで幅広く新製品を投入する。

Precision 7560/7760

Precision 7560

 フラグシップとなるPrecision 7000シリーズからは、15.6型「Precision 7560」および17型「Precision 7760」の2機種を用意。価格はそれぞれ53万9,110円、56万8,810円から。

 どちらもGPUにNVIDIA RTX A5000を搭載可能。15.6型モデルでは90W、17型モデルでは115Wでの動作が可能で、高いグラフィックス性能を発揮できる。ストレージはM.2 SSDをそれぞれ3基、4基まで装着可能で、背面にはうち1基を着脱可能とするSSDクイック・アクセス・ドアも備える(非搭載も可)。

 基本構成時の主な仕様はほぼ共通で、Core i5-11500H、8GB、256GB M.2 NVMe SSD SSD、NVIDIA T1200(GDDR6 4GB)、15.6型/17型フルHD(1,920×1,080ドット)液晶、Windows 10 Proなどを搭載。

 インターフェイスは、Thunderbolt 4×2、USB 3.0×2(17型は3基)、Gigabit Ethernet、Wi-Fi 6、HDMI 2.1、Mini DisplayPort 1.4、720p Webカメラ(顔認証も選択可)、SDカードスロット、音声入出力などを備える。

 本体サイズ/最小重量は、15.6型が360×242×25~27.36mm(幅×奥行き×高さ)/2.45kg、17型400×263.6×25.98~28.6mm(同)/3.01kg。

Precision 7760
SSDクイック・アクセス・ドア

Precision 5560/5760

Precision 5560

 メインストリーム向けの位置づけとなるPrecision 5000シリーズからは、15.6型「Precision 5560」および17型「Precision 5760」の2機種を用意。価格はそれぞれ57万7,610円、61万7,100円から。

 ともに4辺狭額縁のInfinityEdgeディスプレイを採用し、画面縦横比が16:10となった。GPUは15.6型モデルでNVIDIA RTX A2000、17型モデルでNVIDIA RTX A3000も選択可能としながら、USB Type-Aポートを非搭載とするなど、薄型で軽量な筐体を実現している。近接センサーによるロック/解除機能などもサポートする。

 基本構成時の主な仕様はほぼ共通で、Core i5-11500H、8GBメモリ、256GB M.2 NVMe SSD SSD、NVIDIA T1200、15.6型/17型1,920×1,200ドット液晶、Windows 10 Proなどを搭載。

 インターフェイスは、Thunderbolt 4×2、USB 3.1 Type-C、Wi-Fi 6、720p Webカメラ(顔認証対応)、SDカードスロット、音声入出力などを装備。USB Type-C to Type-A+HDMIのドングルも付属する。

 本体サイズ/最小重量は、344.4×230.3×7.7~11.64mm(同)/1.84kg、374.48×248.08×8.67~13.15mm(同)/2.13kg。

Precision 5760

Precision 3561

Precision 3561

 エントリー向けとなるPrecision 3000シリーズでは、新たに15.6型の「Precision 3561」を追加。価格は35万4,113円から。

 ディスプレイのオプションとして、新たに4K(3,840×2,160ドット)解像度のものを用意。1基で2方向の送風が可能な対向送風(DOO)ファンを採用し、より冷却性能の向上も実現している。なお、本ファンはPrecision 5760にも内蔵する。また、カバー部の21%に木材由来のバイオプラスチックを使用するなど、環境負荷も抑えている。

 主な仕様は、Core i5-11500H、8GBメモリ、128GB M.2 NVMe SSD、15.6型1,366×768ドット液晶、Windows 10 Proなどを搭載。基本構成時はGPUがCPU内蔵のものとなるが、NVIDIA T600やT1200も選択可能。

 インターフェイスは、Thunderbolt 4×2、USB 3.0×2、Gigabit Ethernet、Wi-Fi 5、HDMI、720p Webカメラ(1080pや顔認証も選択可)、microSDカードスロット、音声入出力などを備える。

 本体サイズは357.8×233.3×22.67~24.05mm(同)、最小重量は1.79kg。

対向送風ファン
バイオプラスチックをカバーの21%に採用するなど環境にも配慮

 そのほか、23日に発表された第11世代Core H搭載14型ビジネスノート「Latitude 5521」および15.6型「Latitude 5421」についても紹介が行なわれた。

Latitude 5521/5421の主な特徴
主な仕様

在宅勤務の拡がりでモバイルワークステーションが好調

モバイルワークステーションの2021年第1四半期出荷台数は前期比148.9%の成長

 同日に開催された発表会では、同社クライアント・ソリューションズ統括本部 クライアント製品本部 フィールドマーケティング シニア・アドバイザーの湊真吾氏と吉田将信氏による製品の説明のほか、同社クライアント・ソリューションズ統括本部 クライアント製品本部 本部長の三井唯史氏より、法人向けワークステーションの市場動向についても説明が行なわれた。

デル・テクノロジーズ株式会社 クライアント・ソリューションズ統括本部 クライアント製品本部 フィールドマーケティング シニア・アドバイザー 湊真吾氏
同社クライアント・ソリューションズ統括本部 クライアント製品本部 フィールドマーケティング シニアアドバイザー 吉田将信氏
同社クライアント・ソリューションズ統括本部 クライアント製品本部 本部長 三井唯史氏
Precisionシリーズはワークステーション出荷台数シェアで14四半期連続1位

 同社のPrecisionシリーズは、世界のワークステーション出荷台数シェアで14四半期連続で1位を記録し、国内については出荷台数シェア2位を達成。2021年第1四半期の法人向けワークステーションについては、出荷台数で前期比29.2%となっており、特にモバイルワークステーションでは、前期比148.9%と大幅な成長を見せているという。

 これまでは膨大なデータを処理するにはモバイルではパワー不足で、デスクトップが欠かせないといった考えも多かった。しかし、コロナ禍にともなう在宅勤務の導入などを受け、モバイルワークステーション市場が拡大。また、これまでの設計やデザインだけでなく、AIやVR分野などでの活用もあり、さらなる成長が見込めるという。今回の新製品群は、これらをサポートするものとして投入する。

2030年までにはユーザーの購入した製品と同等量の製品をリサイクル/再利用するなどといった目標を掲げている
製品本体や梱包材などにもリサイクル/再生可能材料を使用
業界初の植物由来のバイオプラスチック素材を製品に採用
EPEATゴールド認証の取得や、製品の回収/再利用のクローズドループの構築など

 さらに、サステナビリティに関する取り組みも説明。同社では250以上の新製品を毎年投入しているが、製品本体だけでなく梱包材などを含めて継続的に取り組みを行なっているという。法人向けPCでは、115以上の製品で環境評価プログラムEPEATゴールド認証も取得している。

 一例として、Precision 3560/3561、およびLatitude 5000シリーズを紹介。業界初となるバイオプラスチックを採用した製品で、製紙行程で発生するトールオイルと呼ばれる副産物を利用したものとなる。このようなリサイクル/再生可能材料の活用は、耐久性や信頼性を落とすことなく進めているとした。