マイクロソフト、Mac OS X専用オフィススイート
「Office v.X for Mac」

2002年1月25日発売

価格:オープンプライス

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 マイクロソフト株式会社はMac OS X専用のオフィススイート製品「Office v.X for Mac(オフィス テン フォー マック) 日本語版」を1月25日より発売する。対応OSはMac OS X ver.10.1以降のみ。

 価格はオープンプライス。店頭予想価格は、通常版が54,800円。アップグレード版が28,000円。また、アップグレード対象をOffice 2001 for Macなどに絞った特別アップグレード版も用意される。価格は15,800円。ただし、2001年12月5日~2002年1月24日まで期間限定の完全予約制製品となる。なお、Office 2001 for Macシリーズなどは旧バージョンのMac OS用として併売される。

 ワープロソフト「Word X for Mac」、表計算ソフト「Excel X for Mac」、プレゼンテーションソフト「PowerPoint X for Mac」、電子メール・個人情報管理ソフト「Entourage(アントラージュ) X for Mac」などのソフトウェアで構成される。

 Office 2001をベースにしながら、Mac OS Xにあわせて新たな機能が追加された。OS XのAquaインターフェイスに最適化され、Aquaのインターフェイスに合わせ、700以上のアイコン、800以上のダイアログが新規にデザインされた。特に、Aquaの特徴である「ジニー」効果にも対応し、メニューを閉じるとウインドウがボタンに吸い込まれるようにして消えていく。これは単に見た目だけではなく、どこのボタンにメニューが格納されているのかがわかりやすい、というメリットもあるという。

 また、従来は「保存」ダイアログが表示されている場合、同一アプリケーション内ではほかのウインドウを開くことができなかったが、OS Xに対応することでダイアログ表示中でも別のウインドウを表示でき、作業することが可能になった。

 Quartz 2-D描画にも対応し、Excelのグラフなど、グラフィックを表示した場合、自動的にアンチエイリアス処理がされ、エッジが滑らかに表示される。半透明処理にも対応し、重なり合ったグラフを半透明で表現したり、背景に写真の透かしを入れるなどの処理も可能。

 ファイル形式はOffice XPをはじめとするWindows用オフィスシリーズと同一で互換性が維持されている。

 そのほか、各アプリケーションで追加された主な機能は以下のとおり。

 Word X for Macでは、Commandキーを押しながら文字をドラッグすることで、任意の文字列だけを複数同時に選択できる「複数範囲の選択」機能を搭載。これにより、選択した部分だけを書式設定したり、検索やスペルチェックを行なうことができる。作業中の文書の書式設定を一括して解除する「書式の消去」機能なども備なえる。

 Excel X for Macでは、自動復旧機能があらたに搭載され、システムクラッシュなどで中断された場合に、自動保存したファイルから復旧することが可能になった。

 PowerPoint X for Macでは、「PowerPointパッケージ保存」機能を搭載。プレゼンテーションファイル内で使用している動画や音声、画像ファイルなどを自動的に集め、1つのフォルダ内に保存することができる。また、従来、プレゼンテーションをQuickTime形式で保存した場合、アニメーション処理などが省略されていたが、今回のバージョンでは、それらも忠実に再現できる。

 Entourage X for Macは、ユーザーインターフェイスが一新されたほか、メールに動画や音声ファイルを組み込んで送信することもできるようになった。

画面下に表示されているのが各アプリケーションの起動用アイコン Wordの作業画面。複数の領域を別々に選択して書式の設定が可能 Excelの画面。入力中のセルは浮き上がって表示される

半透明処理がされたExcelのグラフ Entourageに搭載された予定表。予定表にも半透明処理などを行なえる

 なお、Word X for Macおよび、Excel X for Macについては2月に単体発売をする予定だが、PowerPoint X for Macなどは単体販売する予定はないという。

 質疑応答では、「今回の製品はOffice XPの延長にあるのか? それともOffice 2001 for Macの延長にあるものなのか?」という質問を受け、「基本的にはOffice 2001 for Macがベースとなっている」と説明、「Mac OSに対応したOfficeシリーズは、Windows用Officeシリーズの移植版というわけではない。Mac OSのインターフェイスに合わせた操作や、Mac版だけの機能も追加されており、Macユーザーのために作られているアプリケーションだ」と語った。

 また、Office v.X for Macは、ネットワーク上に同一のシリアルナンバーでインストールされた製品が検出された場合は起動しない。これについて、「Windows用のOffice XPでは2台のコンピュータまでのインストールが認められていたが、Office v.X for Macではできないのか?」という質問が出たが、「できない。同一のネットワーク上で同時に起動できるのは1つのシリアルにつき1台のPCのみ。片方のPCのOfficeを起動せずにファイルだけ共有するしかない」と答えた。

 「Palm OSとの同期機能はあるか?」という質問に対しては、「Office 2001の英語版では搭載されていた機能だが、日本語版では実現できなかった。現在、OS XとPalm間ではデータのやりとりができない。この問題が解決したら導入したいが、詳細な時期などについてはわからない」と答えるにとどまった。

□マイクロソフトのホームページ
http://www.microsoft.com/japan/
□ニュースリリース
http://www.microsoft.com/japan/presspass/releases/120501mac.htm

(2001年12月5日)

[Reported by kiyomiya@impress.co.jp]

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