株式会社コジマ 営業企画本部長 小島章利専務取締役

　株式会社コジマは4日、2001年度9月中間期決算を発表した。

　これによると、売上高は2,497億円と前年同期比8.1%増となったものの、計画比では360億円のマイナス。前期比16店舗増加し、244店舗体制となったことがプラスに働いたが、既存店舗ベースでは、17.4%減と大幅なマイナス成長となった。

　パソコンの大幅な計画割れと、今年3月までの、家電リサイクル法施行前の駆け込み需要の反動が低迷の原因としている。パソコンは、当初計画が前年同期比17%増としていたことに対して、前年同期比3.6%増の584億5,600万円となった。

売上高と経常利益の推移	品目別売上構成比

　同社営業企画本部長・小島章利専務取締役は、「パソコンは我々の予想以上の落ち込みとなっている。家庭への普及率が50%を突破したことも、販売に影響したのではないか」とした。だが、「下期はパソコンは販売比率が上昇してくることは間違いない」として、中間期決算の28.6%の構成比がさらに高まるとした。

　同社では今年9月末までに、Windows XP発売を前に従来型パソコンの処分を進め、「10月には売る物がないという状況まで在庫を圧縮した」(小島専務)という。「10月、11月は依然として厳しいが、12月のボーナス商戦での巻き返しに期待しており、通期で前年対比プラスを目指したい」としている。

　また、4月以降には、教育分野向けのコンピュータ販売に力を注ぐ考えを明らかにしたほか、店頭販売店として唯一コジマだけが取り扱っている日本IBMの「NetVista」などの独自取り扱い製品を強化することで、パソコン販売を加速させる考え。教育分野向けには、中学生向けの英語教材ソフトを独自に開発して店頭での販売しているが、一部私立中学校がこれを授業に導入しているといった実績もすでに出ている。また、コジマでしか取り扱っていない独自の製品は、家電販売全体の3割を占めており、パソコン分野でも拡大したい考えだ。

　一方、インターネットによる販売については、具体的な販売実績などの数値などには言及しなかったが、同社通販サイトの「コジマネット」が一日50万ページビューに達しているほか、スカイパーフェクTVの通販番組による販売拡大も、売り上げに徐々に貢献しはじめたという。

　イーアクセスとの提携によって、コジマネットの会員を対象に実施している月額2,270円の低料金ADSLサービスも、「イーアクセスのプロバイダではトップクラスの会員数を誇る規模に達している」とした。

　なお、9月中間期の営業利益はマイナス18億円、経常利益は約9億円(前年同期比86.1%減)、当期純利益は4,100万円(同98.8%減)となった。本業の利益を示す営業利益が赤字となった背景には、当初計画を上回る出店による経費増として約2億円が含まれるが、売上高の計画未達が大きく影響しており、計画に対してはマイナス60億円となった。

　また、通期の業績見通しについては下方修正を発表。売上高は当初計画に比べて470億円減少の5,330億円(前年比5.2%増)、営業利益は97億円減少のマイナス45億円の赤字、経常利益は100億円減少の31億円(前年比73.0%減)、当期純利益は60億円減少の11億円(前年比80.9%減)とした。出店計画については、引き続き強化する計画で、下期だけで11店舗を出店する予定。上期は、当初9店舗の計画を16店舗出店した。

　だが今回の下方修正によって、家電量販店として4年連続で日本一を維持していた売上高が、ヤマダ電機に抜かれて第2位になる公算が強くなった。また来年度には、エイデン、デオデオ、上新電機、ミドリ電化が経営統合および提携を図ることを発表、9,000億円規模の家電量販店連合が登場することで、コジマは一気に3位に転落する可能性もある。

　小島専務取締役は、「日本一の売上高にはこだわりがある。来年3月31日まで、どうなるかわからない」としながらも、「短期的な売上拡大を目指すことで、長期的な経営基盤の確立が遅れることの方が問題。社員教育の浸透や物流センターの稼働など、強固な経営基盤の確立を今年度の課題にしたい。規模の魅力はあるが、それは強固な経営基盤によって効果が発揮できるもの」とした。また、「合併、買収の提案がいくつかあるのも事実。これによって、売上規模を拡大することも可能。だが具体的な計画はなく、これによって売上を拡大するという考えもない」と、吸収による事業拡大は検討していないことを示した。

□コジマのホームページ
(12月4日現在、この件に関する情報は掲載されていない)
http://www.kojima.net/
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http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20011128/edion.htm

(2001年12月4日)

[Reported by 大河原克行]