キューブ型自作キット「Pandora」を作る



●Pandoraの概要

 ここ数週間、秋葉原の店頭ではキューブ型PCの自作キットが大人気だ。この分野は「CUBE-24」(エムシージェイ)が先行したが、10月末に大手PCケースメーカーの星野金属から「Pandora」が発売され、品切れが続くほどの人気となっている。編集部でも1台作ってみたのでレポートしよう。

 Pandoraには、いくつかのバリエーションがあるが、現在、店頭で販売されているのは、シルバーの「P120S」とガンメタリックの「P130G」の2機種だ。今回はガンメタのP130Gを購入した。価格は37,800円で、他店でもほぼ同様の価格のようだ。ほかにShattle FV24ベースのP100S/P110Sがあり、星野金属が直販している。

撮影しているカメラが写るほど反射率が高い 側面は濃い茶色だが、背面は通常のpcと同じ

 Pandoraは、完成品ではなく、自作セットやベアボーンと呼ばれるキットで、ケースとマザーボードのセットとなっている。実際に使用するためには別途、CPU、メモリ、HDD、光ディスク(CD-ROMなど)を用意する必要がある。どうしても完成品が欲しい人は星野金属から完成品(102,800円から)も直販されている。

 ケースの外寸は225×225×225mm(幅×奥行き×高さ)と完全な立方体。前面は顔が写るほどのミラー仕上げで、側面も濃いグレーになっている。ケースには、5インチベイのオープンベイが2つ、3.5インチベイはオープンが1つ、シャドウが1つある。

 P120S/P130Gとも、FREE TECHのP6F209というFlex ATXマザーボードが使われている。P6F209は、VIAのProSavage PL133チップセットを使用しており、グラフィックス(S3ベース)などが統合されている。マザーボードは17cm角ときわめて小さいが、サウンド、USB、Ethernet、IEEE 1394、シリアル、パラレルなどほとんどのインターフェイスが搭載されている。PCIスロットは1つ。

●Pandoraの組み立て

 CPUはSocket 370対応だが、TualatinコアのIntel製品には対応していない。今回は、使用されなくなって編集部にころがっていたPentium III 800MHzを使用した。メモリはPC 133の256MB、HDDはSeagate ST380020A(80GB)を用意した。光ディスクは手頃なのがなかったので、手元にあったメルコの外付けCD-RWドライブを分解して、CD-RWユニット(プレクスター PX-W1210TA)を流用した。

 これらのパーツの取り付けのほか、マザーボードはケースに固定されているが、ケーブル類は結線されていないので、結線も行なう必要がある。

よく整理されており、読みやすいマニュアル

 ユーザーズマニュアルは大きな1枚紙だが、読みやすく、手順もわかりやすい。このあたりは定評のあるメーカーの製品だけのことはある。マニュアルにしたがって作業することをお勧めする。

 まず、背面の手回し対応のネジ3個をはずし、コの字型の上蓋をはずす。上半分のベイの部分はゆったりしているが、電源から下の部分は狭く、手が入りにくそうだ。とりあえず、背面のネジをはずして電源ユニットを引っこ抜いてしまう。

箱から出した状態の背面パネル 上蓋と電源をはずした状態 左の状態で上から覗いたところ

 CPU周辺もスペースがあまりないので、CPUクーラーの大きさも制限される。取り付け可能なサイズは60×55×65mm(幅×奥行き×高さ)。今回はワイドワークのS3710-5015というコンパクトなタイプを使用した。ほとんどSocketからはみ出さず、高さも低いタイプだ。

 メモリはいつもどおりにメモリスロットに、HDDはシャドウベイに取り付ける。シャドウベイは、オープンベイの横に縦に取り付けられている。オープンベイの作業用にベイが開くようになっているので、開けると作業しやすい。

ケースのケーブルはマザーにつなげられていない かなりぎりぎりに納まったCD-RWドライブ HDD用のシャドウベイは開くので作業しやすい

 CD-RWの取り付けもシャドウベイにじゃまされずに作業できるのだが、ケースの奥行きが浅く、使用したプレクスター PX-W1210TAでは、かなりぎりぎりの設置となった。奥行きの深いドライブを使用する場合は、あらかじめ確認しておいた方がいいだろう。なお、今回は使用しなかったが、ベイの背面部分のパネルもはずして作業できる。

 実は一番大変だったのは、ケースとマザーボードの結線だ。電源スイッチ、リセットスイッチ、LED類などは通常どおりなのだが、USBのケーブルについているコネクタが1本1本独立したピンになっており、8本を間違いなく挿す必要がある。ピンの名前はコネクタ部に書かれているが、挿すときは見えにくいので、ケーブルの色とピンの名前を照らし合わせながら慎重に作業をした。ここは8ピンコネクタ1つにしてほしいものだ。

配線前のジャンパピン 配線後のようす
1本ずつ独立しているピン 間違わないようにケーブルの色をメモる

 なお、サウンド関係はフロントパネルに結線するとリアの端子が使えなくなる、という注意がマニュアルに記載されていたので結線しなかった。排他でしか使えない仕様になっているのはちょっと残念だ。

 PCIスロットにはカノープスのMTV-1000(長さ212mm)を入れようと考えていたのだが、ぎりぎりで入らなかった。マニュアルとともに入っていた正誤表によれば、PCIのカード長は最大19cmまで可能となっている。さらに端から約13~19cmの間はカードの形状によって接続コネクタと干渉するため、ケーブルなどを傷つけないようにというただし書きもされている。PCIスロットへの増設を考えている場合はあらかじめサイズを確認しておこう。また、電源の定格出力も150Wなので、消費電力の大きいパーツを使う場合は確認しておきたい。

作業中の状態。全体にケーブルが長めなのでごちゃついている CD-RW用のケーブルのおさまりどころがなく、ドライブを下の段に設置して上のスペースに逃がした 設置後の状態。電話やカレンダーと比較すると大きさがわかる

 とりあえず仮組みをした状態で、Windows XPをインストールし、起動することを確認した。内部にあふれんばかりのケーブルを寄せて、電源ユニットをセットし、カバーを閉めた。

●Windows XPのインストールと使用感

なんとか無事にBIOSが起動 パワー、HDDともブルーのLED

 HDDといっしょに買ってきたWindows XP Professional(OEM版)はとくに何事もなくインストールできた。ただ、Plus!をインストールしようとすると、ビデオメモリが少ないという警告が表示される。これはチップセットに統合されているS3 SAVAGE4のメモリ容量が、初期設定では4MBに設定されているためで、BIOSで再設定(最大32MB)すれば問題ない。

 ファンは電源ユニットのほか、ケースにも1つついている。風量は割と大きめで、ほかの人の机に向けて設置する場合は注意が必要だ。音はオフィスで聞く限りは気にならないが、気になる場合でも交換は簡単そうだ。その場合は、小さいケースで中の密度も高いので、ファンの容量には注意したい。

 フロントパネルの電源とHDDアクセスのLEDはブルーで、ガンメタリックの色と相まって高級感がある。CD-RWドライブだけ浮いた感じになってしまうのが残念だが、これは我慢するしかない。

 いまのところ机の上において使っているが、大きさはあまり気にならない。電話台としても、ちょうど良い大きさだ。

 TualatinコアのCPUが使えないということでプロセッサのクロックは限定されてしまうし、ビデオの3D性能も高いとは言えないが、サブマシンやホームサーバーなどには向いているシステムだ。ケースの作業性もUSBコネクタの結線を除いて満足のいくものだった。余っているパーツを利用して、もう1台作るなどの用途には最適のシステムだ。

□Pandora製品情報
http://www.soldam.co.jp/barebone/pandora/index.html
□関連記事
【10月27日】【AKIBA】ハイクオリティな国産キューブ型自作PCキット「Pandora」が発売に
http://www.watch.impress.co.jp/akiba/hotline/20011027/etc_pandora.html

(2001年11月20日)

[Reported by date@impress.co.jp]

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