Microsoft Xboxレポート

11月15日発売(現地時間)



 ついに発売となったMicrosoftの家庭用ゲーム機「Xbox」。米国同時多発テロや、発売日直前にニューヨークで旅客機墜落事故が発生するなど、取り巻く環境は必ずしも良くないものの、米国では当初の予定通り11月15日に発売が開始された。

 Xboxのパッケージは今年5月のE3で公開されていたが、今回発売となったXboxのパッケージはE3で公開されたものとほぼ同等のものであった。

 実際に手にしてみると、改めてその大きさに驚かされる。ゲームキューブの箱と比べると、容積は3倍以上はあるだろう。また、大きさだけでなく重さも半端ではない。今は手元に秤がないため正確な重量は計測できないが、家庭用ゲーム機の中で最も重いのはまず間違いないだろう。

 パッケージの内容物は、Xbox本体とコントローラ1個、コンポジットビデオとステレオ音声出力を持つAVケーブル、電源ケーブル、そしてマニュアルだ。Sビデオ出力やコンポーネント出力、光デジタル音声出力を利用したい場合には、別途接続ケーブルを購入する必要がある。

 ところで、Xboxには背面にかなり大型のファンが付いているが、実際に稼働させてみても、思ったほどの騒音ではなかった。プレイステーション2とほぼ同程度と言っていいだろう。また発熱も気になるところだが、実際に数時間ゲームをプレイした場合でも、ボディ底面の一部がほんのり暖かくなる程度だった。

前面 左側面 背面
右側面 上部 下部
ディスクトレイを空けた状態。トレイの開閉スピードはPC用のDVD-ROMドライブなどとほぼおなじだ 本体裏面には電源端子以外に、AV出力端子とネットワークポートが用意される
本体前面のコントローラ接続端子。形状は独自だが、仕様はUSB 1.1だ Xboxパッケージの同梱品。コントローラ、コンポジットAVケーブル、電源ケーブル、マニュアルだ


■■ 注意 ■■

・分解/改造を行なった場合、メーカーの保証は受けられなくなります。
・この記事を読んで行なった行為(分解など)によって、生じた損害はPC Watch編集部および、メーカー、購入したショップもその責を負いません。
・内部構造などに関する記述は編集部が使用した個体に関してのものであり、すべての製品について共通であるとは限りません
・PC Watch編集部では、この記事についての個別のご質問・お問い合わせにお答えすることはできません。

●分解してみました

 XboxはPCの技術が数多く取り込まれて作られたゲーム機だ。そのため、本誌読者のみなさんにとって、Xboxの中身がどうなっているのか、非常に興味があるのではないだろうか。というわけで、購入したばかりのXboxを早速分解してみた。

 Xboxで使用されていたネジは、ほとんどがトルクスのネジであった。当初はPCで一般的に利用されているプラスのインチネジがそのまま利用されているのかと考えていたが、本体内部のネジも含めて、プラスのインチネジが使われているところはなかった。

 ちなみに、本体を固定するネジは本体裏面にあるが、全てゴム足やシールで隠されている。やはり家庭用ゲーム機ということで、一応は簡単に分解できないように工夫されている。ただ、ネジさえ取ってしまうと、後は非常に簡単だ。裏面のネジを6本外すと、ケース上部のカバーが取れ、あとはスイスイ分解できた。

ケース裏面のシールやゴム足を外すと、ケースを固定するネジが6本現れる 裏のネジ6本を外すと、ケース上部のカバーが取れ、DVD-ROMドライブとHDDが見える HDDは、Seagate製のST310211Aだ。スペックでは、容量10GB、5,400rpm、Ultra ATA/100対応のIDEドライブだ。ちなみにジャンパ設定は「Cable Select」だった
HDDを外すと、電源部分とCPUのヒートシンクが見える。また、HDDとDVD-ROMドライブは1本のIDEケーブルで接続されている DVD-ROMドライブは5倍速ドライブだ。見た目はPC用の5インチドライブだが、電源部分が特殊なコネクタとなっている DVD-ROMドライブを外すとメイン基板が姿を現す
ケース後部には排気用のファンが取り付けられている。動作音は思ったほどうるさくない メイン基板の表。右上にCPUと画像処理用のXGPUがあり、XGPUを囲むようにメモリが搭載されている。また、メモリの近くにはMCPXも見える メイン基板の裏。こちら側にもメモリが取り付けられている
Pentium IIIベースのCPU。FSBは133MHzで、内蔵2次キャッシュは128KBとPentium IIIの半分。見た目はモバイルPentium IIIだ。また、ダイサイズからおそらくCoppermineコアと思われる メモリ。SAMSUNG製の128Mbit DDR SDRAM「K4D263238M-QC50」。200MHz(DDR時400MHz)で動作し、XGPUとメモリ間のバンド幅は6.4GB/secだ IDEコントローラ、USBコントローラ、Ethernetコントローラ、サウンド機能などを実現する「MCPX」。PCではサウスブリッジに相当するチップだ
CONEXANTのビデオエンコーダ「CX25871-14」。HDDV出力をサポートし、高品質な映像出力が可能 パーツ一式。まるでブック型PCを見ているかのような構造だ。ちなみにXGPU上のヒートシンクはチップに接着されているようなので、今回は外すのをあきらめた


●構造はやはりほとんどPCに近い

 すでにわかっていたことではあるが、分解してみるとあらためてXboxはPCに非常に近いハードだということが再確認できた。使用されているドライブ、基板の構造など、どれをとってもPCにそっくり。知らない人に内部の構造を見せると、これが家庭用ゲーム機だとはなかなか気付かないだろう。

 ただ、PC用のパーツをそのまま使用しているためか、集積率は非常に悪い。基板を見てもおわかりのように、ほかのゲーム機よりもかなり余裕がある。また、電源部分も巨大で、ドライブ類もデスクトップPC用のものがそのまま利用されている。こういった構造になっているから、これだけ大きくて重いボディになってしまったのだろう。

 DVD-ROMドライブに薄型ドライブを、HDDに2.5インチドライブを採用し、電源部分をシェイプアップし、基板の集積率を高めれば、おそらくもっと小さくて軽いボディを実現できるはず。コントローラだけでなく、本体も日本市場向けのオリジナルモデルを開発してもらいたいものだ。

 ゲームキューブレポートで「自動車にたとえれば、プレイステーション2がパワーにものをいわせた大排気量車であり、ゲームキューブは排気量は小さくてもセンスのいい実用車」という表現があったが、Xboxの場合は「F1エンジンを載せた大型のアメ車」といった雰囲気か。とにかくXboxは、プレイステーション2やゲームキューブとは、いい意味でも悪い意味でも対極にあるゲーム機といっていいだろう。

□マイクロソフトのホームページ
http://www.microsoft.com/japan/
□Xboxのホームページ
http://xbox.jp/
□関連記事
【11月16日】Xbox購入記 ラスベガスでもXbox発売される(GAME)
しかし、同時発売のソフトや周辺機器がそろわず
http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20011116/xbox01.htm

(2001年11月16日)

[Reported by PC Watch編集部]

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