ASIMOもAIBOも大人気!
有名ロボット多数登場の「ロボフェスタ神奈川」

会期:2001年11月16日~25日

会場:パシフィコ横浜

入場料:大人900円
     高校生500円
     小中学生300円



 11月16日~25日までの10日間、神奈川県のパシフィコ横浜でロボットショー「ロボフェスタ神奈川2001」が開催される。

 ロボフェスタは神奈川県や横浜市など、複数の自治体が主催している。11月16日まで東京ビッグサイトで開催されていた「2001国際ロボット展」は、日本ロボット工業会などが主催しており、かなり業界向けの展示会であるが、ロボフェスタの方は一般向けで振興色が強く、それだけに多くの有名ロボットが登場する。

 会場には各ロボットメーカーや関連団体がブースを連ねているほか、多数の最新ロボットが登場するステージや、大学などで研究されているユニークなロボットの実演コーナー、さらにロボットグランプリなどの競技会も開催され、見所満載の内容となっている。


■やっぱりAIBOは人気者

 ソニーのAIBOシリーズは、実在するロボットしては日本で一番有名といっても過言ではないだろう。ソニーブースの広さは、会場内でも大きい方ではないのだが、それでも多くの人たちがAIBOを触りにブースに訪れている。

 特に、先日発表されたばかりのAIBO「ER-220」は、「超時空要塞マクロス」で有名な河森正治氏によるメカニカルなデザインと、リモコン操縦で「運転欲」を満たしてくれる製品とあって、20歳代以上の来場者の注目を集めていた。

 発売中のクマ型AIBO「マカロン」、「ラッテ」は、先に登場していた初代AIBOの犬型、2代目AIBOのライオン型よりもかわいらしいデザインをしていることもあり、ER-220よりも女性や子どもの注目を集めていたようだ。

歴代のAIBOシリーズ(プロトタイプを除く) 女性や子どもに人気の高いAIBO、ラッテとマカロン ER-220の方は、ナデナデしよう、という人も少ない
ER-220の分解図 ER-220を無線LAN経由でパソコンから操作できる 河森正治氏によるAIBOの原画

□関連記事
【11月14日】河森正治氏デザインのシャープな
ロボットを前面に押し出した「AIBO ERS-220」
http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20011108/aibo.htm



■ホンダのASIMOも大人気

 AIBOに並んでロボットブームに火をつけたホンダの人型ロボットシリーズも、ホンダブース内に多数展示されている。

 人気はなんと言っても最新の人型ロボットASIMOだ。AIBOはおもちゃ屋店頭でも見られるが、レンタルでも数千万円という価格のASIMOは、イベントなどでない限りなかなかお目にかかれない。それだけに、会場には「一目ASIMOを」と、多くの来場者の注目を集めていた。

 ASIMOのほかにも、ホンダブースにはASIMOのモックと一緒に記念撮影できるコーナー、ASIMOグッズのショップ、ASIMOの開発歴史などの展示がされていて、幅広い層が楽しめる内容になっている。

ホンダブースの主役、ASIMO。裸の状態で、四方から中身を見られる ASIMOの後方から ASIMOの元となったP2とP3も展示されている
ブース内では、ASIMOと記念撮影できるコーナーがある ASIMOグッズを扱うショップもあり ASIMOにいたるまでのホンダの歩行ロボットの解説。いちばん最初はE0


■バンダイ、タカラなど玩具メーカーも絶好調

子ども向けの展示が多いバンダイブースの隅に展示されるザクII
 子どもの来場が多いためか、おもちゃメーカーによる展示も盛況だ。バンダイではワンダーボーグやBN-1などの市販ロボットを中心に、子ども向けの展示を行なっている。ワンダーボーグ、BN-1ともにプログラマブルということが1つの売りなのだが、会場ではプログラマブルであることを強調するのではなく、実際に子どもがさわりやすい高さの低い台に載せ、そのかわいらしさや動きのおもしろさをさわりながら子どもたちに実感してもらう、という内容になっている。

 「ザクII」型歩行ロボットも展示されている。ただし、こちらは以前のおもちゃショーでの「実際に歩かせる」展示ではなく、ショウケース内で静止した状態の展示だ。子ども向けイベント、ということで、予定価格98,000円のザクIIのアピールには力を入れていないのだろう。ザクIIは2002年1月発売予定だ。

 ちなみにその隣では「手乗りガンダム」ともいえる、小型の歩行モビルスーツがショウケース内で動作する形で展示されている。

シャアザクのほうは、下半身の装甲がはずされ、中身がわかるように ザクのコントローラ。以前のおもちゃショーであったジオンマークがない ちょっと小さい手乗りモビルスーツ。価格は2,980円で来年3月発売予定
手乗りモビルスーツの構造がわかるモデルも展示中 BN-1は子どもに大人気 ワンダーボーグにも実際に触れる

 タカラのブースでは12月15日に発売予定のリモコン操縦型ロボット「DREAM FORCE01」と、小型ラジコン「デジQ」の展示を行なっている。

 DREAM FORCE 01は「君も(鉄人28号の)正太郎君になれる!」がコンセプトの商品で、いかついコントローラーや付け替え可能なクランプハンドとBB弾発射ハンド、バトル時にダメージを受けると部位ごとにコントローラーの表示が赤く光るなるなど、まさに「ロボットを動かしたい!」という欲求をかなえる商品となっている。

 こちらは一見すると子どものおもちゃっぽいデザインであるが、すでに開始されているインターネット通販サイトでは「対象年齢20歳以上」と書かれるように、30~40歳代のユーザーをターゲットとした商品となっている。会場では子どもたちも興味深そうにDREAM FORCE 01をコントロールしていたが、お父さんの世代の注目も高かった。

子どもから大人まで幅広い年齢層に人気のDREAM FORCE 01 DREAM FORCE 01のコントローラ チョロQサイズのラジコン「デジQ」も展示実演デモ中



■ステージも大盛況

 会場の一角に設置された「ロボットライブシアター」では、毎正時にロボットによるライブパフォーマンスが行なわれる。こちらはASIMOをはじめとする「めったに動いているところを見られないスゴイいロボット」が登場する、来場者必見のステージとなっている。

 ステージの内容は子ども向けで、最前列に座る子どもたちが、ASIMOとアシスタントのお姉さんとロボットのロボビーとともに「さあ手をたたきましょ」などの遊戯をするというもの。内容は子ども向けだが、お姉さんとASIMOの会話が完全にシンクロしている点(無線でタイミング指令をしていると思われる)やASIMOの自然な動きなど、ASIMOの完成度の高さを感じさせてくれるステージなので、そういったマニアックな点に注目すれば、ロボット好きの人も十分に楽しめる内容といえる。

颯爽とステージに登場するASIMO。もはや一流のエンターテイナー ASIMOはステージを四方に練り歩くので、間近で見ることができる 子どもといっしょに「てーをーたーたーきーまーしょー」


■セコムから手塚プロまでいろいろ出展

手塚プロダクションもブースを出展。グッズの販売などを行なっている。見てますかアトムさん、時代はここまで来ました
 一般向けのショーだけあって、おもちゃメーカーだけでなく、研究機関やショップなど、一般にアピールしたい多数の企業がブースを出展している。

三洋電機のお掃除ロボット「じそうじ丸」。走り回って部屋の形を記憶しながらお掃除してくれる。具体的な商品化は未定だが、ペットロボット的な要素も追加される可能性があるとか。ただし、機能は床面の掃除であって、散らかったものの整理はしてくれません、念のため 綜合警備保障のの警備ロボット「C3」。この1世代前の機種はもう数年間試験運用されていて、来年から実用化を目指している。価格は1人のガードマン並を目指しているとか。館内案内なんかも担当する 大学などの研究機関も出展しているため、大学の歩行ロボットがブースの間を歩いていることも。これは日大文理の歩行ロボット
フジタの遠隔操縦ロボット。遠隔で何をするかというと、なんとショベルカーの操縦。足場の危険な土砂災害の際、既存のショベルカーを遠隔操縦化するために使う。すでに実用中 フジタの遠隔操縦ロボットのコントローラ。なぜかハードケースのバックパックとして有名なボブルビーを使っている。ブースに遊びにいくと、操作させてくれることも フヨフヨ浮いているのは、人工筋肉を使ったマニピュレータが2本ついたロボット。これもボブルビー型コントローラで操作するが、FOMAビジュアルタイプでのコントロールも可能
NECの「PaPeRo」。人間とのコミュニケーションを重視したロボット。会話するだけでなく、人間の必要とする情報を収集するエージェント的な機能も検討されている コミュニケーションを重視するだけに、会場では子どもたちに実際に触れてもらって、アンケートを取るなどデータ収集して研究に役立てている デザイン面などでは多摩美術大学などと共同研究も行なっている


□ロボフェスタ神奈川のホームページ
http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/robo/
□関連記事
【11月14日】世界最大級のロボット専門展示会「2001国際ロボット展」
エンターテイメントロボットもちょっとだけ出展してました
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20011114/robot.htm
【2000年11月24日】ロボット博覧会「ROBODEX2000」、パシフィコ横浜で開幕
~ソニー、ホンダなどの新型ロボットが一般公開~
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20001124/robodex.htm

(2001年11月16日)

[Reported by 白根雅彦]

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