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COMDEX Fall 2001会場レポート厳重な警備態勢のなか、COMDEX Fall 2001が明日開幕
会期:11月12日~11月16日(現地時間)
COMDEX Fallの季節が、今年もまた訪れた。世界最大規模のIT関連コンベンションとして名を馳せ、日本における認知度も高いこの展示会も、今年は大きな試練と転機を迎えている。 数年前からいわゆる出展社のCOMDEX離れがささやかれていたが、これらは展示会ビジネスの多様化、細分化を主な背景としていた。確かにCOMDEXが唯一無二のステータスではなくなったのも事実である。 しかし今年は事情がさらに異なる。昨今の深刻なIT不況に加えて、先日の米国同時多発テロによる不安などが追い打ちをかけ、今年の出展社数は大幅に減少している。例年は、主会場であるLas Vegas Convention Centerをはじめ、Sands Expo、さらにHILTONをはじめとする、市内に点在するホテルのコンベンション施設まで併用して開催されたCOMDEXも、今年はLas Vegas Convention Center1館で事足りてしまった。 確かにLas Vegas Convention Centerは増築中で、来年1月のCESからは従来の1.5倍以上の展示フロア面積で供用される。ひとつ屋根の下で、はじめての大規模コンベンション開催というのが2002 CESの売りだったが、一足早く思いもかけぬ形で実現してしまった格好だ。もちろん、新ホールはまだ利用されていない。 主催者のKey3Mediaも当初予測していた20万人という来場者数を、先日15万人に下方修正している。来場者登録所を訪れても、確かに例年より混雑が少ない。特に目立つのは日本をはじめとする海外からの来場者の少なさである。企業によっては海外出張を一時的に凍結しているところもあって、展示会の視察はままならないようだ。 またCOMDEXには日本企業も多数出展しているが、例年日本から大量に訪れるブースの説明員なども大幅に減少。企業によっては展示ホールへの出展をあきらめ、ミーティングルームを使って現地のスタッフだけで乗り切る方針というところも見受けられる。旅行業者が企画しているCOMDEX視察ツアーも、定員割れで催行をとりやめるところが続出した。 実際Las Vegasへの移動に利用した日系の航空便も、70人前後の席が用意されているビジネスクラスのシートに、わずか20人弱の搭乗。例年ならエグゼクティブを中心に満席は当たり前で、予約をとるのに一苦労という状況とは雲泥の差だ。ホテルも同様で、年間を通じて1、2を争う高価格となるこの時期に、考えられないほどのディスカウント価格が提示されているばかりか、当日でも部屋の確保ができる。これまで一度でもCOMDEXに足を運んだことがある人なら、これらがいかに異様な状況かわかるはずだ。 こうした状況下で開催されるCOMDEX。会場の警備体制はかなり厳しい。従来は入場者登録バッヂがあれば通行できたところも、パスポートや運転免許証など顔写真のついた身分証明の提示が必要になった。 コンベンションセンターの入り口には、金属探知器とおぼしきゲートが多数設置されている。主催者は、バッグやカメラをはじめとする持ち物はできる限り会場に持ち込まず、ホテルなどの部屋に置いてくるように呼びかけている。実際、メディアとして、入場登録やブリーフィングなどで半日動き回っただけでも、カメラやノートPCなどの機材が入ったバッグを、何度開いて警備担当者に見せたかわからないほどだ。 こうしたなか、COMDEXは明日から5日間の会期をスタートする。主催者をはじめ出展社、ゲストスピーカーなどもテロには屈しない姿勢を前面に出しており、基調講演を行なう企業トップの顔ぶれに変更などはない。 PC Watchでは、COMDEX開幕前夜(日本時間12日正午)に開催されるビル・ゲイツ氏の基調講演をはじめとして、会場からのレポートを会期中の連日にわたって掲載する予定である。
□COMDEX Fall 2001のホームページ(英文) (2001年11月12日)
[Reported by 矢作 晃] |
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