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日本IBM、新設計のX22などThinkPadシリーズ一新 |
10月26日より順次発売
標準価格:オープンプライス
連絡先:ダイヤルIBM
Tel.0120-04-1992
日本アイ・ビー・エム株式会社は、Windows XPの発売にあわせてノートPCのラインナップを一新する。Intel 830MPベースとなった「ThinkPad X22」や、A4スタンダードノートの新モデル「ThinkPad R30」など4機種を10月26日より順次発売する。
価格は全モデルオープンプライス。また、Windows 2000/XP搭載モデルにはモデム/Ethernet/無線LANなどのネットワークデバイスごとに、異なるネットワーク設定を適用できるユーティリティ「IBM Access Connections」が付属する。
■ThinkPad X22
ThinkPad X22 |
Windows XP Home Edition/低電圧版モバイルPentium III-M 733MHz搭載のWindows XPモデル(2662-93J)と、モバイルPentium III-M 800MHzとワイヤレスLAN搭載のワイヤレスモデル(Windows 2000:2662-9DJ/Windows 98 SE :2662-9JJ)、モバイルPentium III-M 733MHz搭載の廉価モデル(Windows 2000:2662-75J/Windows 98 SE:2662-7HJ)の3系統で5モデルが用意される。
XP搭載の93Jが11月16日から、それ以外のモデルが10月26日より発売され、IBMダイレクト価格は、「93J」が239,800円、「9DJ」が269,000円、「9JJ」が259,000円、「7HJ」が224,000円、「75J」が234,000円。
従来のX20/X21シリーズから、Ethernet機能を持つIntel 830MPにチップセットを変更し、基板を再設計し直したことで、従来はMiniPCIで拡張していたEthernetをオンボードで搭載可能となり、IEEE 1394も標準で装備された。ボディは従来モデルと同様にチタン複合素材を用いたものとなっている。
Windows 2000を搭載したワイヤレスモデル「2662-9JJ/9DJ」は、液晶に12.1インチTFT(1,024×768ドット)を採用し、CPUにモバイルPentium III-M 800MHz、メモリ 128MB(最大640MB)、HDD 20GBを搭載する。ビデオチップはRAGE MOBILITY(8MB)。
無線LANアンテナを液晶脇に内蔵する |
従来モデル同様に、本体上部にウルトラポートと呼ばれる拡張ポートを備え、Bluetoothモジュールなどが装着可能。また、拡張ユニット「ウルトラベースX2」を利用した拡張も可能となっている。ウルトラベースモデルは用意されない。
なお、OSや付属ソフトウェアはHDD上にディスクイメージとして用意される。そのためリカバリCDは付属しない。
筐体デザインはX20/X21から変化がない | ウルトラポート用Bluetoothモジュール |
Windows XPモデル(2662-93J)は、CPUにモバイルPentium III-M 733MHzを搭載し、HDDが30GBと強化されたホームユース向けと位置づけられており、無線LAN機能を搭載しないが、シリーズで唯一Office XP Personalが付属する。
また、「7HJ/75J」は、「9JJ/9DJ」の廉価モデルと位置づけられており、無線LAN機能を搭載しないほか、CPUが低電圧版モバイルPentium III-M 733MHz、HDD 15GBとスペックダウンされている。
□製品情報
http://www-6.ibm.com/jp/pc/thinkpad/tpx221a/tpx221aa.html
■ThinkPad s30
ThinkPad s30 |
11月2日より発売され、IBMダイレクト価格は、ミラージュブラック/ThinkPadブラックともにワイヤレスモデル(2639-RAJ/R5J)が208,000円、無線LAN無しモデル(2639-R3J/R5J)が198,000円。無線LAN無しモデルのみ100Base-TX対応Ethernetを装備する。
無線/有線LANの有無以外の本体仕様は共通で、従来モデルから大きな変更点は無い。10.4インチTFT(1,024×768ドット)液晶を採用し、CPUは超低電圧版モバイルPentium III 600MHz、メモリは128MB(最大256MB)、HDDは20GB、チップセットはIntel 440MX、ビデオチップはLynx3DM4(4MB)。
Type2 PCカードスロット×1やCF Type2スロット×1、USB×2、V.90対応モデムなどを搭載する。バッテリ駆動時間は6.5時間。本体サイズは257×213×22.5~32.3mm(幅×奥行き×高さ)、重量は1.45kg。
ミラージュブラック 筐体デザインは変化がない |
IBM Access Connectionsを搭載 |
□製品情報
http://www-6.ibm.com/jp/pc/thinkpad/tps301a/tps301aa.html
■ThinkPad R30
ThinkPad R30 |
モバイルCeleron 800MHz搭載モデルとモバイルPentium III 1GHzモデルが用意され、それぞれにWindows 98SEモデル、Windows 2000モデル、Windows XP Home Editionモデルが用意される。
また、モバイルPentium III 1GHz搭載のWindows 2000/XPモデルには無線LANを内蔵した上位モデルも用意される。
本体左上がカットされたデザイン |
Type2/3対応のPCカードスロット×1を搭載し、IEEE 1394×1や、Sビデオ端子、100Base-TX対応Ethernet、外部ディスプレイ出力を搭載する。バッテリはリチウムイオン(6AJ以外のモデルはニッケル水素)、バッテリ駆動時間は2.8時間。
本体サイズは313×254×36mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約2.67kg。ソフトウェアはOffice XP Personalが同梱される。
□製品情報
http://www-6.ibm.com/jp/pc/thinkpad/tpr301a/tpr301aa.html
■ThinkPad T23
ThinkPad T23 |
OSはWindows 98SE/2000のほか、Windows XP Professionalモデルも用意される。新ThinkPadシリーズでは唯一のXP Professional搭載モデルとなるが、同社によれば、「企業での導入などはまだ少ないが、フラッグシップのT23から導入し様子を見る」としている。
最上位モデルの「2647-9JJ」は、1,450×1,050ドット対応の14.1インチTFT液晶を採用し、モバイルPentium III-M 1.2GHz、メモリ128MB(最大128MB)、HDD 48GBを搭載する。チップセットはIntel 830MPを搭載し、ビデオチップはSuper Savage IXC16(16MB)で、6/4/4/24倍速DVD/CD-RWドライブを搭載する。
Type2 PCカードスロット×2を搭載し、無線LANやSビデオ端子、IrDA、100Base-TX対応Ethernetを装備する。液晶上部には、Bluetoothモジュールなどを装備できるウルトラポートも備えるほか、電子商取引などを行なう際の秘密鍵、公開鍵、電子署名などの利用をサポートする組み込み式のセキュリティチップも内蔵する。
バッテリ駆動時間は3時間。本体サイズは307×250×34mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約2.5kg。
□製品情報
http://www-6.ibm.com/jp/pc/thinkpad/tpt231a/tpt231aa.html
橋本 孝之パーソナル・システム事業部長 |
「従来IBMでは、ノートPC/デスクトップPCともに、コンシューマー向けとコマーシャル(法人)向けの2系統があったが、今日を持ってそれらを一本化し、'95年に立ち上げたデスクトップPCブランド「Aptiva」を発展的に「NetVista」に統合する。また、ノート用のコンシューマー向けブランド“i Series”もThinkPadに一本化していく」とコンシューマーブランドの統合を行うことを正式に発表した。
ブランドを統合する理由については、「'96年の段階ではApitivaには約50本のソフトウェアを同梱し、法人向けと差別化を図っていたが、現在同梱のソフトウェアは7本から8本となっている。また、ブロードバンドの普及によって、LAN環境がコンシューマー向けでも必須となったため、ハードの違いが無くなった」と説明した。
また、ブランド廃止となるAptivaについては、「IBMの認知度を高めたという意義では、非常に大きな役割を果たした。また、PC市場の立ち上がりには、新しい使い方を提案できた。ただそういった役割は果たしたわけで、今後は21世紀型のビジネスにフォーカスしていく」と述べた。
IBMでは、コンシューマー市場を「エンジョイ --ビデオなどを使って積極的に楽しむユーザー」、「プロシューマー --ネットワークなど、自宅プラス会社での利用」、「SOHO」の3つのセグメントわかれていると分析しており、そのうちIBMでは、「プロシューマー」と「SOHO」にフォーカスした製品を今後展開していくとしている。店頭での販売機種については、「基本的にWindows XP Home Editionを搭載したモデルを展開していく」と説明された。
マーケットセグメントの変換 | ネットワーク環境の変化によるパソコンの変化 |
また、橋本氏は、「去年からブロードバンドでのインターネットアクセスが普及開始しているが、それらは、たとえば今言われているような、“高品質な映像を見たい”といった要求には適応できていない。映像を流すのにはVHS相当で1.5Mbps、S-VHSで3Mbps、DVD相当で6Mbps、デジタルハイビジョン相当であれば24Mbpsの帯域が必要となると試算され、まだ足りない」と述べ、「IBMでは、企業の中での生産性を高める方向にフォーカスを絞り、“REAL MOBILE”をテーマに展開していく」と語った。
「REAL MOBILEでは、いつでもどこでもインターネットアクセスできることをテーマに、PHS/携帯を利用した“ナローバンド”、1Mbpsで転送距離10mと狭域な“Bluetooth”、そしてIEEE 802.11b準拠の“無線LAN”の3つのワイヤレスアクセス環境をサポートする。さまざまなアクセス環境に対応するため、あらかじめ設定しておけば、接続場所をクリックするだけで自動的に最適なネットワーク接続を選択するユーティリティ“IBM Access Connections”を新しいThinkPadに搭載している。VPNやセキュリティ機能を組み合わせることで24時間会社のリソースにアクセスできる環境を作れる」と語り、同社パーソナルシステム事業部 中林千晴コンシューマセグメントマネージャが、実際に日本IBMのイントラネットに接続するデモが行なった。
ワイヤレスでデモを行なっていることをアピール | ThinkPadのワイヤレスへの取り組み |
また、s30を購入したユーザーへのアンケート結果も紹介し、圧倒的に多かったのは、「バッテリの持続時間」、2番目が「キーボードの打ち易さ」、3番目が「デザイン」であったことからも、同社のREAL MOBILEへの取り組みについて、ユーザーの支持が強いことをアピールした。
また、JALのさくらラウンジや京王プラザホテル、センチュリーハイアット、ニューオータニなどで、IBMの協力により、無線LANインフラの導入が進んでいると紹介し、IBMの大和研究所はどこでもワイヤレスで接続できるようになっていると、同社のワイヤレスへの取り組みをアピールした。
□日本IBMのホームページ
http://www.ibm.com/jp/
□ニュースリリース
http://www-6.ibm.com/jp/NewsDB.nsf/2001/10241
(2001年10月24日)
[Reported by usuda@impress.co.jp]
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