東芝と松下が液晶事業を統合し、新会社を設立
~低温ポリシリコン、有機EL事業に注力

握手する両社社長

10月17日 発表



 株式会社東芝と、松下電器産業株式会社は、両社の液晶事業を統合し、来年4月をめどに合弁の新会社を設立すると発表した。新会社の名称や資本金などは未定、出資比率は東芝が60%、松下が40%の予定。社長は東芝からの就任を予定している。

 すでに両社は、シンガポールの低温ポリシリコン製造拠点アドバンスト・フラット・パネル・ディスプレイ(AFPD)を合弁事業として行なっており、今回の液晶事業統合はそれをさらに進めたもの。今回の新会社は両社の液晶事業の技術・生産・営業をすべて統合するとしている。AFPDも新会社の完全子会社となる。

 新会社ではAFPDを拠点に低温ポリシリコン液晶へ注力するとしており、低温ポリシリコンの特徴であるパネルにドライバなどの素子を統合する“システム・オン・グラス”の実用化、低温ポリシリコン液晶を技術基盤とする有機ELディスプレイなどの技術開発を進める。今回の事業統合により、リソースを集中し、開発の加速を図りたいとしている。また、松下が得意としている高速・高画質液晶技術も導入するという。

 当面はアモルファスを含め、フルラインナップで生産を行なうとしているが、将来的には低温ポリシリコン技術を活かし、付加価値の高い携帯端末用や、パネルの大型化を計り30インチ液晶TV用大型パネルなどに注力するという。

両社社長と常務
 両社の液晶事業は、東芝が2,100名、松下が1,700名を有しているが、今期は両社とも「きわめて苦しい状態にあり、新会社の設立によって来期以降の黒字をめざす」としている。今後の両社工場の生産配分や配置転換などは現状では未定とされており、人員の削減計画などは明らかにされなかった。なお、社内向けの比率は東芝が20%、松下が35~40%で、新会社でも両社の社内向け需要に応えていきたいとしている。

 また、両社の折半出資による、ブラウン管資材の共同購買会社の設立も合わせて発表された。こちらも来年4月をめどに設立が予定されており、カラーブラウン管、投写管などの部材を共同購入することにより、コストの低減を図るとしている。

□東芝のホームページ
http://www.toshiba.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.toshiba.co.jp/about/press/2001_10/pr_j1701.htm
□松下電器産業のホームページ
http://www.panasonic.co.jp/
□ニュースリリース(液晶)
http://www.matsushita.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn011017-4/jn011017-4.html
□ニュースリリース(ブラウン管)
http://www.matsushita.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn011017-5/jn011017-5.html
□関連記事
【7月3日】東芝とIBM、TFT液晶生産会社の合弁を解消
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010703/dti.htm

(2001月10月17日)

[Reported by date@impress.co.jp]

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