Pocket PC 2002:ハードウェアメーカー各社の取り組み

Pocket PC 2002 日本語版発表会で登壇したマイクロソフトの阿多社長(中央)と各ハードウェアメーカー代表
10月5日 発表



 マイクロソフト株式会社による「Pocket PC 2002 日本語版」には、Pocket PC 2002搭載PDA(正式名称は「Microsoft Windows Powered Pocket PC 2002」)の開発/販売を表明するハードウェアメーカー6社の代表も参加し、各社のPocket PC 2002への取り組みについて発表した。ここでは、各社の取り組みや、Pocket PC 2002搭載機についてまとめる。

 なお、ここに登場するすべてのPocket PC 2002搭載機は、CPUにIntelのStrong ARMを採用している。


●カシオ計算機株式会社

 「Windows CEを知り尽くしたカシオ」からは鈴木洋三 コンシューマ事業部長が参加。同社ではPDAを「100ドルのポケットビューワ」「300ドルのポケットマネージャ」「500ドルのポケットPC」とラインナップ。Pocket PC 2002搭載機は最後の「500ドル」ラインに属し、コンシューマ市場向けのフラッグシップ機として開発/販売する(ちなみに「ポケットマネージャ」ラインには、9月13日発表の「カシオペア “ラジェンダ” BE-500」が該当する)。Pocket PC 2002はコンシューマ、エンタープライズ向けの両市場に耐えられる高スペックを備えているとし、双方均等に取り組むという。

 同社ではすでに英語版のPocket PC 2002搭載機「カシオペア E-200」を11月から発売することを発表済み。日本語版は2002年初頭に登場の見込みだ。

□関連記事
【10月5日】カシオ、Pocket PC 2002を搭載したPDA「E-200」を発表 http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20011005/casio.htm

●コンパックコンピュータ株式会社

 同社からは岡隆史 アクセスビジネス統括本部 企画本部 本部長が参加。同社が5月に発売したiPAQ Pocket PC H3600シリーズは、「個人ユーザーに人気が出た後、8月頃からは企業ユーザーからの需要が伸びた」とし、エンタープライズユースにおけるモバイル需要に「思った以上の強さ」を実感しているという。この現状を踏まえ、Pocket PC 2002搭載機には、安定したビジネスを確保すべくエンタープライズ市場も重視し、「コンシューマー市場50%、エンタープライズ市場50%」で取り組むという。

 米CompaqではPocket PC 2002 英語版搭載機「iPAQ Pocket PC H3700/3800」シリーズを発表済み。日本語版搭載機は年内を目標に開発中とのことだ。また、発売中のiPAQ Pocket PC H3600シリーズをPocket PC 2002にアップグレードするサービスを10月6日より開始する。

□「iPAQ Pocket PC H3700/3800」シリーズのプレスリリース(英文)
http://www.compaq.com/newsroom/pr/2001/pr2001100401.html
□関連記事
【10月5日】コンパック、iPAQをPocket PC 2002にアップグレードするサービス http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20011005/compaq2.htm

●日本電気株式会社

 同社からは富田克一 NECソリューションズ 執行役員常務が参加。「Pocket PC搭載機は全世界で累計200万台。メーカーにとっては決して魅力的と言えない市場だが、これから大化けさせてさせていく」「Windows XPとPocket PCで世間の不況感と閉塞感を吹き飛ばす」と、もっとも鼻息が荒い。同社はエンタープライズ市場に軸足を置き、着実なビジネスを進めるとのことだ。

 同社では11月30日にPocket PC 2002搭載機「PocketGear」を発売。発売と同時に同機用の50種のソリューション、150種のアプリケーションや周辺機器を揃えている。

□関連記事
【10月5日】NEC、Pocket PC 2002搭載のPDA「PocketGear」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20011005/nec.htm

●日本ヒューレット・パッカード株式会社

 同社からは小仲浩一郎 執行役員 コンシューマ事業統括本部長が参加。モバイルソリューションによるワークスタイルやライフスタイルの変革のスタートラインにおり、「これから大化けする市場」ととらえていると述べた。同社はエンタープライズ市場と、コンシューマ市場におけるビジネスパーソンの需要をターゲットとする。

 米hpはPocket PC 2002英語版搭載機である「jornada 560」をPocket PC 2002の発表とともに店頭で販売開始。同機は「Pocket PC 2002搭載機の中ではもっとも軽量で、バッテリーがもっとも長持ちする」としている。

□jornada 560の製品情報(英文)
http://www.hp.com/jornada/

●株式会社東芝

 同社からは溝口哲也 取締役専務 モバイルコミュニケーション社社長が参加。いくつかのPDA用OSの中からPocket PCを選択した理由について、「Microsoftの.NETや各種ソリューションをシームレスに活用でき、エンタープライズユースにフォーカスしやすいから」と、エンタープライズ市場指向であることを表明している。ただし、コンシューマ市場も大切であり、エンターテイメント機能などの強化も怠らない、とのことだ。

 同社では発売中の「GENIO e550」シリーズをPocket PC 2002にアップグレードするサービスを近日中に開始する。Pocket PC 2002搭載機は開発中とのことで、具体的な登場時期は聞けなかった。

□GENIO e550シリーズの製品情報
http://genio-e.com/pda/

●富士通株式会社

 芋川敏 パーソナルビジネス本部 本部長代理が参加。ブロードバンド市場とモバイル市場の開拓を目指し、.NET戦略と歩調をあわせるべくPocket PC市場に参戦するという。ターゲットは「コンシューマを無視するわけではないが、エンタープライズ市場中心」としているが、同社が予定しているPocket PC 2002搭載機は「スペック的に驚くようなものではない」とのことで、販売開始時期も「2002年第1四半期を目指す」そうだ。

□プレスリリース
http://pr.fujitsu.com/jp/news/2001/10/5.html



□関連記事
【10月5日】マイクロソフト、Pocket PC 2002 日本語版を発表 http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20011005/ms.htm

(2001年10月5日)

[Reported by tanak-sh@impress.co.jp]

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