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JEITA、2001年度第1四半期のPC出荷実績を発表 |
JEITAのパーソナルコンピュータ事業委員会・篠崎雅継委員長 |
8月2日発表
4~6月のコンシューマ向けパソコン出荷が前年割れに --社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)は、2001年度第1四半期(4~6月)のパソコン出荷実績を発表した。
これによると、国内のパソコン出荷実績は、前年同期比2%増の279万3,000台、金額では前年同期比6%減の5,603億円となった。
金額ベースで前年実績を下回ったのは、'98年度第1四半期以来、3年ぶりのこと。
台数ベースで見ても、ビジネス向けは企業需要の堅調ぶりに支えられて前年同期比13%増と2桁台の伸びを維持したものの、コンシューマ分野では10%減と、大幅な落ち込みを見せた。
コンシューマパソコンの落ち込みについて同協会では
1.前年同期が35%増という大幅な伸びを示していること
2.新規のパソコン購入者が減少していること
3.若年層が海外旅行など、ほかの分野にお金を使っていること
4.Windows XP発売前の買い控えの影響があること
などをあげた。
とくに、新規購入比率では、「パソコン出荷のうち、新規購入が2割程度に留まっている」実状をあげ、「家庭への普及率が過半数を突破しており、メーカー各社は、買い換え、買い増し需要にターゲットを当てた拡大策が必要」とした。
形状別でみると、デスクトップ型は121万5,000台(前年同期比11%減)であったのに対して、ポータブル型は157万8,000台(同15%増)と大幅な伸びを見せた。この結果、出荷構成比率はポータブルが57%となり、「調査開始以来、最大の構成比率になった」(同協会パーソナルコンピュータ事業委員会・篠崎雅継委員長)という。
ポータブルが伸張した要因として
1.ポータブルパソコンのプライスパフォーマンスの向上
2.モバイル利用の増加
3.2、3台目としての利用が促進
などをあげ、「今後もポータブルが過半数をしめる傾向は続くだろう」(同)としている。
平均単価は、ポータブルが前年同期の21万1,000円から17万8,000円へと2万4,000円下落、サーバー/デスクトップは、16万3,000円から15万7,000円に下落した。
注目されるのは、第2四半期以降の動向だが、「第2四半期は、コンシューマも前年並み程度の出荷が見込めるほか、企業需要も安定した引き合いがあることから、前年実績は維持するだろう。また、第3四半期にはWindows XPの出荷があることから、第3四半期後半から第4四半期にかけては、前年を上回る実績になる」として、「当初、予測した1,360万台の国内年間出荷は、現時点では見直さない」(篠崎委員長)としている。
だが、同協会内では、「今後も毎四半期ごとに予測数値の検証をする必要がある」として、半期の数字が出る今年11月時点での予測の修正を行なう可能性を指摘する声があるほか、業界内では、「第2四半期に関しては、コンシューマ市場を中心に流通在庫が大量にあること、Windows XP発売前の買い控えが本格化することなどから、前年割れの可能性も捨てきれない」という声も根強い。
一方、輸出に関しては、台数で前年同期比24%減の14万9,000台、金額で1%減の1,298億円となった。
国内、輸出をあわせた総出荷では、台数で前年並みの294万2,000台、金額で5%減の6,901億円となった。
なお、今回の出荷統計から新たにソーテックが参加している。
□JEITAのホームページ
http://www.jeita.or.jp/
□ニュースリリース
http://it.jeita.or.jp/statistics/pc/h13_1q/
(2001月8月2日)
[Reported by 大河原克行]
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