鈴木直美の「PC Watch先週のキーワード」
第173回:7月2日~7月6日

※7月13日、SP@MLのビットレートを「最大4Mbps」としておりましたが15Mbpsの誤りでした。お詫びして修正させていただきます。またあわせて、各レベルの最大ビットレート一覧表を追加しました。


■■キーワードが含まれる記事名
●キーワード


7月4日

■■ 元麻布春男の週刊PCホットライン
   地味だが好感が持てるSmartVision Pro2 for USB
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010704/hot153.htm

ADAMS(TV-Asahi Data and Multimedia Service)
 アダムス
Bitcast
 ビットキャスト

 テレビジョンデータ多重放送の方式。

 テレビの映像信号には、画面を描き終わってから次の画面を描きはじめるまでのインターバル期間が設けられており、これをVBI(Vertical Blanking Interval~垂直帰線消去期間、垂直ブランキング)という。テレビの画面は、全部で525本の走査線を使い、1行おきに2回の走査で1画面を描く。すなわち、262.5本の走査線から成る粗い画面(フィールド)を2枚重ね合わせて、1フレームの画面を描いているわけだ。

 VBIは、各フィールドの先頭、走査線21本相当のタイミングで、最初の9本分は本来の同期信号に使用。残りのタイミングのうち、文字多重放送とデータ多重放送に4本ずつ(※1)割り当てている。どちらも、この僅かなタイミングにデータ信号を重畳する点では同じだが、文字多重放送がアプリケーションレベルまで統一されたプロトコルであるのに対し、データ多重放送のアプリケーションは特に定められておらず、自由なサービスを提供できるのが大きな特徴となっている。

 ADAMSやビットキャスト(※2)は、PCでの受信を想定しブラウザ用のHTMLデータなどを送るデータ多重放送で、ADAMSは、テレビ朝日がNTTなどと共同で開発したDataWaveという技術を使い、同局やその系列局で放送。ビットキャストは、インフォシティが開発し東京放送(TBS)やフジテレビなどで放送されている。両者は、HTMLベースのPC向けデータ放送という点でよく似たサービスではあるが、アプリケーションレベルのフォーマットは全く異なり、それぞれに対応したTVチューナーカードなどが必要となる(※3)。運営方針も異なっており、ADAMSは、テレビ番組とは独立したコンテンツを1時間単位で配信し、コンテンツそのものを見せる。ビットキャストの方は、番組の関連情報などをこまかなスケジュールで配信し、リアルタイム性を持たせている(※4)

※1 1本あたり22Byteのデータが伝送できるので、「22Byte×4本×2フィールド×30=5,280byte/Sec」データレートとなる(パケット化のオーバーヘッドは含まず)。

※2 ADAMSは、サービスの総称で、現在放送されているPC向けのものは、正確には「ADAMS-P」と呼ばれるサービスである。ビットキャストも同様で、「DataParade」 がサービス名となる。

※3 両対応の製品や、PC無しでデータ多重放送が利用できるテレビ受像機も発売されている。

※4 ストリーミングというわけではなく、ADAMSと同様のファイルベースのサービスなのだが、データを表示するタイミングを指定することによって、番組に連動したコンテンツを提供している。

【参考】
□ADAMS
http://www.tv-asahidata.com/
□ビットキャスト
http://www.bitcast.ne.jp/
【参考】
□VBI(Vertical Blanking Interval)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980331/key24.htm#VBI
□FM文字多重放送
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/991119/key98.htm#FM
□音声多重放送
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20001027/key141.htm#stereo

ADAMS-EPG(TV-Asahi Data and Multimedia Service-Electric Program Guide)
 アダムスイーピージー
 テレビ朝日とその系列局で放送されている、テレビ番組表を配信するテレビジョンデータ多重放送。

 テレビ放送のVBI(Vertical Blanking Interval~垂直帰線消去期間、垂直ブランキング)を利用したデータ多重放送のサービスの1つで、テレビ朝日がNTTなどと共同で開発したDataWaveという技術を使い、'97年6月からEPG(電子番組表)の配信を開始。対応機器を使って番組表を閲覧したり、録画予約などを行なうことができる。対応機器には、AVパソコンやPC用のTVチューナーが多いが、Panasonicのテレビやビデオ内蔵テレビにある「EPG番組ナビ」が、このADAMS-EPGに対応した機能である。

 地上波のデータ多重放送を使ったEPG配信には、このほかにTBSとジェムスタージャパンが提供する「Gガイド」が、インターネットベースでは、東京ニュース通信社とNTTアドが提供する「インターネットTVガイド」、富士通が提供する「InterTV」などがある。

 データ多重放送は、配信時刻に受信しなければならないという制約があるが、無料で受信することができる。一方のインターネットベースのサービスは、通信コストがかかるが、いつでも取得することができる。テレビ朝日データでは、ユーザーがこれら双方のメリットを享受できるよう、ADAMS-EPGのデータをインターネットで提供するサービス「ADAMS-EPG+」を、2001年7月から提供する(7月12日現在まだサービスは始まっていない)。

□ADAMS
http://www.tv-asahidata.com/
□インターネットTVガイド
http://www.tvguide.or.jp/
□InterTV
http://intertv.or.jp/
【参考】
□iEPG(Internet Electronic Program Guide)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000608/key122.htm#iepg


7月6日

■■ 三菱、DVDオーサリング用MPEG-2/ドルビーデジタルエンコーダカード
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010706/mitubisi.htm

ハーフサイズ(half size)

 標準サイズの半分のサイズ。

 PCの拡張カードでは、オリジナルのPC/ATがサポートしていた拡張カードと同じ長さ(312mm)のカードをフルサイズ、半分前後の小型のカードをハーフサイズと呼んでいる。

 PCIの拡張カードでは、312mmのフルサイズカードを「Long Card」、174.63mmを「Short Card」と規定している。

【参考】
□フルサイズカード
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000608/key122.htm#fullsize
□ハーフハイト
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000128/key105.htm#half_height
□ハーフラックサイズ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990729/key86.htm#1U

MP@ML
 エムピーエムエル
SP@ML
 エスピーエムエル

 MPEG-2で規定されるプロファイルの1つ(※1)

 MPEG-2は、現行のテレビ品質からスタジオ品質まで、幅広い用途に対応した規格である。このため、規格ではアプリケーションをモデル化し、6つのプロファイルと4つのレベルによって分類。パラメータや実装機能などの仕様を定義している。

 プロファイルは、主に機能に関する区分で、もっとも単純な実装である「Simple Profile」。DVDやCSデジタル放送に使われている標準的な「Main Profile」。2層のSNR階層符号化(※2)をサポートする「SNR Profile」。3層の空間階層符号化をサポートする「Spatial Profile」。SNRと空間を組み合わせた3層の階層符号化をサポートする「High Profile」。スタジオ品質の高画質映像を扱うための「422 Profile」の6種類。

 レベルは、解像度やフレームレートの区分で、MPEG-1並みの352(横)×288(縦)×30(フレーム数)の「Low Level」。標準的な720×576×30の「Main Level」。1,440×1,152×60の「1440 Level」。BSデジタルのHDTV(High Definition Television)を実現する1,920×1,152×60の「High Level」の4種類だ。

 これらは、表のような組み合わせが定義されており、「プロファイル@レベル」という形で呼ばれている。「MP@ML」は、DVDやCSデジタルのコンテンツに相当する「Main Profile@Mail Level」。「SP@ML」は、解像度を落とした「Simple Profile@Mail Level」で、最大ビットレー トはともに15Mbpsまでとなっている。

【MPEG-2で定義されているプロファイルとレベル】
プロファイル
SimpleMainSNRSpatialHigh422
レベル High
1440
Main
Low


【各レベルの最大ビットレート】
プロファイル
SimpleMainSNRSpatialHigh422
レベル High80Mbps100Mbps300Mbps
144060Mbps80Mbps
Main15Mbps20Mbps50Mbps
Low4Mbps

※1 MPEG-4の場合も、同様のモデル化を行なっている。

※2 階層符号化は、符号化されたデータの一部を使って、それなりに再生できるようにする符号化で、デバイスや伝送系の能力や特性に応じた処理が行なえるというのが、最大の目的である。SNR(Signal-to-Nose Ratio)階層符号化は、量子化の解像度--すなわちクオリティを階層化するタイプで、低品質から高品質へと階層化して行く。

 空間階層符号化は、空間方向--すなわち解像度を階層化するタイプで、低解像度から高解像度へと階層化して行く。ちなみに、プログレッシブJPEGやインタレースGIFなども、この階層符号化の一種である。

【参考】
□MPEG Home Page
http://www.cselt.it/mpeg/
【参考】
□MPEG-2
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/981015/key50.htm#MPEG_2
□MPEG-1
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/981007/key49.htm#MPEG-1

[Text by 鈴木直美]


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