米Rambus、データレート1,200MHzのPC1200 RDRAM
~2005年までのロードマップを公開

手振りをまじえてRDRAMとRIMMのロードマップを説明するRambusのSteve Chen副社長

6月13日~14日


 米Rambusは、13日に開幕した「ラムバス デベロッパ フォーラム JAPAN 2001」において、これから2005年にかけてのRDRAMデバイスとRIMMモジュールの技術ロードマップを発表した。RDRAMデバイスの動作クロックを引き上げ、モジュールのバス幅を拡大することで、2005年までにモジュール1枚で9.6GB/secのバンド幅の提供を目指す。

今回公表された大まかなロードマップ 用いられるRDRAMデバイスとモジュールのバス幅によるRIMMの呼称。モジュール1枚で提供可能な帯域に基づく

 現在、Pentium 4搭載PCに用いられているのは、主にデータレート800MHz(動作クロック400MHz)のPC800 RDRAM。これを16bit幅のRIMMモジュールに仕立てることで、モジュールあたりのバンド幅は1.6GB/secとなる。Pentium 4対応チップセットであるIntel 850は2チャンネルのDirect RDRAMインターフェイスを備えており、2枚のRIMMを同時にインストールすることで、計3.2GB/secの帯域をサポートしているわけだ。

 このPC800 RDRAMに続き、データレートを1,066MHzに引き上げたPC1066 RDRAMが提供されること(2002年)がIDFで公表されているが、今回発表されたロードマップでは、さらにデータレートを1,200MHzに引き上げたPC1200 RDRAMの追加が明らかにされた。提供開始時期はメーカーにより若干異なるものの、本格的な量産時期は2004年ということでおおむね一致している。製造プロセスは0.11μmになるもようだ。

 一方、モジュールのバス幅拡大は、Direct RDRAMチャネル自体のバス幅は16bitに据え置いたまま、1枚のモジュールに複数チャネルを通すことで、モジュール当りのバス幅を広げようというものだ。1枚のモジュールに2チャンネルを実装した32bit化と、4チャネルを実装する64bit化の2段階で考えられている。1枚のモジュールに複数のDirect RDRAMチャネルを通すというRIMMのマルチチャネル化のアイデアは、IDFでSamsungが披露しているが、Rambusが正式に採用を表明したのは今回が初めて。ただし、IDFで公表されたマルチチャネルのアイデアに比べ、今回発表されたものは一ひねりされている。

今回公表された2種類のモジュールの概要 32bitモジュールの実装法。モジュールは異なるが、コントローラ、RDRAMデバイスそのものに変更はない RDRAM/RIMMとPCが求めるメモリ帯域の関係。これによると2003年には64bit版モジュールが登場することになる

 バス幅を拡大したモジュールでは、半分のチャネルは現在の16bitモジュール(168ピン)同様、RIMM基板を貫通するものの、残りのチャネルはRIMM基板上でターミネートされている(64bit版ではアドレスおよびリクエスト信号が全チャネルターミネートされるなど、若干の相違がある)。この工夫により、単純に全チャネルをモジュール上で貫通させた場合より、ピン数を減らすことが可能になる。バス幅が2倍になったにもかかわらず、32bitモジュールのピン数は232ピン、64bitモジュールでも326ピンに抑えられている。このおかげで、バス幅を拡大したモジュールも、外形寸法は現行の16bit版モジュールと同じに維持できた。現行モジュールで複数枚が必要になる用途も、1枚のモジュールで実現できるため、システムコストの低減にも貢献するものと期待されている。

 なお、32bitモジュールは、1チャネルだけ基板上でターミネートする構造上、両チャネルをターミネートするにはモジュールを2枚単位で用いなければならない。が、実際は1枚はC-RIMM(Continuousモジュール)で済ませることができるため、増設単位は1枚で済む。

展示されていた478ピンソケット対応マザーボード。現在と同じ16bitのRIMMを2枚単位で増設する。なお、ソケットが小さくなったにもかかわらず、現在のPentium 4と同じ位置にヒートシンクリテンション用の穴が用意されており、逆にソケットにヒートシンク固定用のツメはない
 このバス幅を拡大したモジュールの登場時期だが、公開されたロードマップでは2002年のところに32bitモジュールであるRIMM 4200が、2003年のところに64bitモジュールであるRIMM 6400が記述されている。が、これらがチップセットベンダー(特にIntel)のロードマップとリンクしたものであるかどうかは不明だ。ただ、32bitモジュールは、現存のIntel 850チップセット(メモリコントローラ)のままで導入可能なため、PCベンダーあるいはマザーボードベンダーが導入する気になれば、すぐにでも導入することも不可能ではない(そのためには、大手でなければならないだろうし、実際にはIntelのリーダーシップが不可欠だろうが)。

 今回の発表は、現在は16bit幅のRIMMをSDRAM並みの64bit幅まで拡大すれば、すでに確立した技術だけで、すぐにでも4倍の帯域を提供可能であることを示したもの。ピン当りのデータ転送レートが高い、というRambusのメリットを踏まえて、スケーラビリティをアピールしたものと考えることができる。が、具体的にPCのメモリとして、いつごろ利用されるか、ということについては、現時点では不明だ。PCベンダー、あるいはIntelのアナウンスを待つ必要があるだろう。

□Rambusのホームページ(英文)
http://www.rambus.com/
□ニュースリリース(英文)
http://www.rambus.com/general/press_releases/pr_010613.html
□ニュースリリース(和訳)
http://www.rambus.co.jp/company_information/press_releases/pr_061301.html
□ラムバス デベロッパ フォーラム JAPAN 2001
http://www.rambus.co.jp/forum/index.html

(2001月6月13日)

[Reported by 元麻布 春男]

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