米IBM、チップ速度を最大35%向上させる「Strained Silicon」技術を発表

ストレインド・シリコン 従来のシリコン

6月8日(現地時間)発表



 米IBMは8日(現地時間)、チップ速度を最大35%向上させるシリコン改良技術「ストレインド・シリコン(Strained Silicon)」技術を発表した。

 ストレインド・シリコンは、シリコン素材を引き延ばすことで、トランジスタ内の電子の移動を高速化し、半導体性能の向上と電力消費を低減する新技術。

 化合物内部の原子が互いに整列しようとする特性を利用した技術で、原子の間隔が開いている基板上にシリコンを堆積させると、シリコン内の原子は下部の原子と並ぶように引き伸ばされ、シリコンは強く引き延ばされた状態(strained)になる。引き延ばされたシリコンの内部は、電気抵抗が小さくなると同時に、電子の移動が最大約70%高速化されるため、トランジスタを小型化しなくてもチップ速度を最大35%高速化できるという。

 IBMではストレインド・シリコンは2003年までに製品化できるとしている。

原子の間隔が開いている基板上にシリコンを堆積させると、下部の原子と並ぶように引き伸ばされる

□IBMのホームページ
http://www.ibm.co.jp/
□ニュースリリース
http://www-6.ibm.com/jp/NewsDB.nsf/2001/06111

(2001年6月11日)

[Reported by usuda@impress.co.jp]

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