Windows XPは、HailStormのエンドポイント
~Visual Studio .NETのロードマップを公開

5月30~31日 開催

 マイクロソフト株式会社の開発者向けイベント「Microsoft .NET Developers Conference 2001」が開幕し、取締役デベロッパーマーケティング本部長 鈴木和典氏が基調講演を行なった。30、31日の両日、都内のホテルで開催される。また、6月中旬には大阪での開催が予定されている。

 講演では、Windowsをはじめとする個々のプラットフォームが孤島のように存在する状況から脱出する手段としてWebサービスの重要性が強調された。また、Webサービスの開発手段として、Visual Studio .NETと、コードネーム「HailStorm(ヘイルストーム)」と呼ばれるXMLベースの.NETのビルディングブロックサービスが紹介された。

 HailStormは、Microsoftがインターネット上で提供するサービスで、.NETのコンポーネント、ローカルのコンポーネントとして連携して動作する。HailStormは雹(ひょう)の嵐という意味で、雲のようなインターネットから、サービスが降り注ぐといういうイメージだ。

 HailStormの具体例としては「Microsoft Passport」を利用した個人認証システムが紹介された。Passportは、MSNなどで使用されている共通の認証システムだ。それを発展させ、Windows XPでドメインにログインすることで、Passportへのログインも行なわれ、サービスに対応したWebサイトでは個別にログインすることなく自動的に認証が行なわれる。マイクロソフトではこれを「統合認証」と称している。

 さらに進んだ例として、携帯電話会社で自分のよくかける電話の履歴一覧を参照しながら、「友人」の項目にチェックするとローカルの住所録にも、そのデータが転送され、自動的にアップデートされる仕組みが紹介された。

 マイクロソフトは、これらのサービスをライセンス提供することで、ビジネスモデルを構築すべく検討しているという。同様のサービスとしては「ウォレット(さいふ)」なども予定されている。Windowsというプラットフォームをベースにしながらサービスへの展開を図ろうというマイクロソフトらしい方法だ。

 ただし、個人認証システムとしての使い勝手はともかく、Windowsシステムに記録された自分の個人情報がシームレスにサービスとつながるのには潜在的な不安を感じる。

 そのほかにもビデオやデモの紹介が行なわれたが、基本的には従来通り.NETの構想や、あるべき姿をプレゼンテーションするもので、新しい内容はなかった。

 なお、HailStormおよび.NET関連製品のロードマップも公開された。HailStormの統合認証は2001年下期、HailStormのリリースは2002年が予定されている。また、現在β1の「Visual Studio .NET」は2001年夏にβ2が公開され、2001年内にリリースされる。.NETの開発環境が整い、全貌が明らかになりはじめるのは来年の後半になりそうだ。

□マイクロソフトのホームページ
http://www.microsoft.com/japan/
□「.NET Developers Conference 2001」のページ
http://www.ms-event.com/netdc/

(2001年5月30日)

[Reported by date@impress.co.jp]

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