ボーランド、Linux用ビジュアル開発ツール「Kylix日本語版」を5月18日より発売

Desktop Developer版 Server Developer版

5月18日 発売

標準価格
 Desktop Developer版:120,000円
 Server Developer版:240,000円

連絡先:インフォメーションサービスセンター
    Tel.03-5350-9380



 ボーランド株式会社は、Linuxビジュアル開発ツール「Borland Kylix(カイリックス)」日本語版を5月18日より発売する。Desktop Developer版と、サーバー向け開発環境を備えたServer Developer版の2モデルが用意される。

 価格はDesktop版が120,000円、Server版が240,000円。また、9月20日までの期間限定でDeveloper版を68,000円で販売する「Kylix Desktop Developer発売キャンペーン」を実施する。また、Delphiユーザー向けにDeveloper版を32,000(Professional版以上のユーザー)~38,000円で販売する「Delphiユーザー向け優待販売」を同じく9月20日まで実施する。

 「Borland Kylix」は、Windows用のビジュアル開発ツール「Borland Delphi」をLinux上に移植した開発ツールで、Linux用では初の本格的なビジュアル開発環境となる。従来CUIのみで敷居が高かったLinuxでの開発を推進するものとして期待されている。

 開発言語には「Object Pascal」を採用。Delphiとほぼ同一の操作性をもち、ソースレベルでのデバッグ環境や、Linux専用のネイティブコードコンパイラを搭載するほか、「CLX(Component Library for Cross Platform:クリックス)」と呼ばれるコンポーネントライブラリを搭載する。CLXは次世代のDelphiにも実装される見込みで、CLXを使ったプログラムであれば、ソースレベルの互換性を保ちつつ、Linux/Windowsの両方に対応したアプリケーションを作ることができようになるという。

 加えてServer Developer版では、Apache用のCGIやモジュールを開発するための「NetCLX」や、Oracle、DB2などのデータベースに対応するネイティブドライバなどの機能を備えている。

Desktop Developer版画面 Server Developer版画面
GNOME動作時


 動作環境は、Pentium 200MHz以上(Pentium II 400MHz以上推奨)、メモリ64MB以上(128MB以上推奨)、HDD 200MB以上。動作確認済みのディストリビューションはRed Hat Linux 7J(改訂版)、Turbolinux Workstation 日本語版6.0。

 基本的な動作条件は、Kernel 2.2以上、libgtk.so 1.2以上、libjpeg.so62以上、X11R6互換のターミナルサーバーとglibc 2.1.2以上。特にglibc 2.2以前のバージョンで利用するためには、各ディストリビュータより配布されているパッチが必要となる。

 なお、同社では動作検証済みのLinuxディストリビューションを認定する「Kylix Ready プログラム」( http://www.borland.co.jp/kylix/ready/ )をあわせて実施、動作状況を公開していく。


安藤由男社長
 発表会では、同社の安藤由男社長が挨拶。9月20日までのキャンペーンなどを説明し、アグレッシブな価格設定でLinuxデベロッパーを増やしていきたいとした。また、Delphiユーザー向けキャンペーンでの価格設定にも触れ、まずはDelphiユーザーにKylixに触れてほしいと説明。最後に「Kylix」とは、ギリシャ語で聖杯の意味。Kylixの成功により祝杯を挙げたいと意気込みを語った。


大野元久 Kylixプロダクトマネージャー
 また、Kylixプロダクトマネージャーの大野元久氏は、「従来のLinux開発ツールはCUIのみの環境しかなく、Windows開発者がなかなか移行できないといった問題があった。Kylixの投入により、即戦力となるLinux開発者の増加が見込め、アプリケーションも増加するだろうと説明」、また、「ビジュアル開発ツールを用いた開発経験が生かせるため、開発コストの削減と短期間での運用や、開発者の教育コストを削減することもできる」としている。



デモ画面
 また、次期DelphiでCLXの実装をすることでWindows/Linuxのクロスプラットフォームでの開発もできるため「リスクを冒さず新市場への参入が可能となる」と説明した。なお、Delphiの次期バージョンについては、「発売時期などは未定だが、近いうちにお知らせできるはず」と述べるにとどまった。Kylixのターゲットとしては、Delphi開発者や、VB開発者、Linux開発者、DB開発者、Apache/Webサーバー開発者などとしている。


ターボリナックス小島社長や、ミラクルリナックス矢野社長も出席
 また、ターボリナックスジャパンやミラクルリナックス、テンアートニなどの協力企業の社長が集まり、Kylixと連携したビジネス展開によりLinux事業を推進していくことを明らかにした。

 ターボリナックスでは、「Kylix」の製品パッケージに「Turobolinux Workstation 日本語版6.0 Limited Edition(FTP版)」をバンドルするほか、商用アプリケーションを同梱したLimited Editionを通常より1,000円安い5,800円で優待販売する。

 ミラクルリナックスでは、「Miracle Linux Standard Edition」と「Oracle8i」に「Kylix Server Developer」を同梱した「Miracle Linux with Oracle8i/Kylix」を5月下旬より出荷開始する。価格はオープンプライス。

 テンアートニでは、Kylixと「Red Hat Linux 7J」を同梱した「Do Meister」を9月20日まで74,800円で発売する。


□ボーランドのホームページ
http://www.borland.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.borland.co.jp/news/kylixjp.html
□ニュースリリース(ターボリナックス)
http://www.turbolinux.co.jp/news/2001/apr/tl0417.html
□ニュースリリース(テンアートニ)
http://www.borland.co.jp/news/kylixredhat.html
□ニュースリリース(ミラクルリナックス)
http://www.borland.co.jp/news/kylixmiracle.html

(2001年4月17日)

[Reported by usuda@impress.co.jp]

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