松下、「超・製造業」をキーワードに2001年の経営方針を発表

2001年経営スローガン

1月11日 発表



中村邦夫社長
 松下電器産業株式会社は、2001年度経営方針説明会を品川区の同社マルチメディアセンターで開催。中村邦夫社長が経営計画「創生21計画」の一環として、社内分社制など、全社的な組織再編や、重点事業の推進などの改革を行なうことを説明した。

 まず、同社が21世紀に目指す姿として「超・製造業」という言葉をあげ、そのコンセプトを3つの要件をあげて説明した。

1.最先端の技術に支えられた強いデバイス事業
2.軽くてスピーディなものづくりの対応力
3.顧客本意のサービスを起点としたビジネス展開

 の3条件を満たし、単なる製造業でも、製造業を捨てるわけでもなく、サービスを差別化要因とした製品の開発、製造、販売を行なうという。


新セグメントと5成長事業
 また、新しい事業セグメントとして、デジタルAVやモバイル関連を軸にした「AVCネットワーク」、家電製品中心の「アプライアンス」、企業向けサービスなどハードウェア、エンジニアリングを統合したビジネスを行なう「インダストリアル・イクイップメント」、半導体やディスプレイなどの「デバイス」の4つのセグメントを設定した。

 そのなかでもBSデジタル放送機器などの「デジタル放送システム」、携帯電話などの「モバイルコミュニケーション」、DVDなど「蓄積デバイス」と「半導体」、「ディスプレイデバイス」の5つを成長事業として、重点的に推進するという。


本社改革の概要
 また、本社の構造改革にも取り組み、5S(Speed、Simplicity、Strategy、Sincerity、Smile)をキーワードに、より顧客本位の経営を目指すとして、現在の本社の機能を分離し、従来の本社の下に各事業部が連なる組織から、グループ全体の管理を行なうコーポレート戦略本社と、各事業分野ごとのプロフェッショナル・サービス・グループに分離、別会社化して、顧客に出来るだけ近い位置に権限委譲することでより迅速なサービスの提供を目指すとした。

 なお、改革の一環として、松下電子工業株式会社を解散し、4月からは松下電器の半導体開発本部などと合併した半導体事業を担当する会社と、ディスプレイデバイス担当会社、照明器具担当会社に統合する計画などが発表された。最後に2001年の経営スローガンを「夢ある企業へ大革新」と発表し、締めくくった。


eHIIハウス全景
 また、経営方針発表会後は、ITを活用した生活を提案するショールーム「eHIIハウス」を公開した。

 「eHIIハウス」はテレビやPC、家電などあらゆるデバイスをネットワーク接続した未来的なホームネットワーキングのショールームとなっている。展示品はモックアップや、既発製品が中心で、実際に発売が予定されている機器はなかったが、体重などが計測できる「健康トイレシステム」など、同社が考えるホームネットワーキングの未来がかいま見れて興味深い。なお、会場の一般公開はされていない。


「くらし情報端末」を中心に家庭内の機器コントロールのほか家族の掲示板としての利用などを考えているという 健康トイレシステム 体重や尿糖値などが計測できる。ネットワークを経由しその値を業者に提出し、健康診断などが出来るようになるのが最終段階とのこと SDスロット搭載の電子レンジ
レシピなどをダウンロードしカードに記憶させて好みの調理ができるようになるという

完全にモックだが、W-CDMA監視カメラやBluetooth対応の携帯電話などが展示されていた CEATECでも展示されていた近未来カー

□松下電器産業のホームページ
http://www.matsushita.co.jp/
□ニュースリリース
2001年度 経営方針(要旨)
http://www.matsushita.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn010110-1/jn010110-1.html
合併に関するお知らせ
http://www.mei.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn010110-2/jn010110-2.html

(2001年1月11日)

[Reported by usuda@impress.co.jp]

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