COMDEX/Fall 2000 展示会場レポート

モジュールの大量生産を待ち、2001年の離陸へ向かうBluetooth

会期:11月13日~11月17日(現地時間)
会場:Las Vegas Convention Center
   Sands Expo and Convention Center


 昨年に引き続き、今年のCOMDEX/FallにもBluetoothパビリオンがお目見えした。昨年の展示が「絵に描いたモチ」だったとすれば、今年は「自分で味見ができる程度には上達したお雑煮」ぐらいにはなった。ただし、正月に胸をはって来客に振る舞うためには、もうひと手間ふた手間をかける必要がありそうだ。パビリオンを中心にして、会場内で見つけたBluetoothの現状を紹介する。


■Bluetoothモジュールの大量生産とともに一気に製品化か?

 昨年に引き続いて大手メーカーが集まるラスベガス・コンベンションセンターのサウスホール内に設置されたBluetoothパビリオンだが、結構な混雑が常に続いている。出展する側にとってはある意味同業者である開発系の来場者が目立つのは、いかにも今後の普及を目指す注目度の高いテクノロジーといったところ。ここに一般来場者が混じるので、説明する側も自社の技術説明からBluetoothのイロハまでをこなすことになり、なかなか大変な様子である。

これまでも何度か披露されてきたEricssonのヘッドセットと、既存の携帯電話に取り付けることができるBluetoothモジュール。これを使ったハンズフリーのデモを行なうとともに、Bluetoothモジュールが内蔵されているGSM携帯電話「R520m」も展示された。「R520m」は有力な関連ブースにも配布されていて、Bluetoothを使ったインターネットへの接続デモでは、この製品が使われているケースが多い
同じくEricssonブースでデモされている「Chatpen」。ペンの先端には通常のインクカートリッジに加えて、小型のカメラとフォースセンサーが組み込まれている。薄く極小ドットの印刷された専用用紙に文字や絵を描いて認識させる仕組み。ペンにはBluetoothモジュールが内蔵されており、文字はテキスト化され、絵はイメージのまま携帯電話やPCに送信できる。認識した文字が電話番号であったりメールアドレスであった場合は、それを宛先としてFAXしたりメール送信することも可能。命令は一部アイコン化されているので、メモをBluetooth内蔵のプリンタで直接印刷できるという

 昨年はチップセットや開発キットが中心だったパビリオン内の展示も、ようやく製品イメージのモックアップや製品サンプルが目立ちはじめている。機器レベルでは、およそ半分がモックアップで、残りの半分が実際に動作させることのできるワーキングサンプルといったところ。残念ながら、製品化の見通しまで話すことができる出展者は極めて限られている。しかしそれでも各社ともに期待を込めて口にするのは、来年早々と考えられているBluetoothモジュールが大量生産されるタイミングだ。考えようによっては、そこで一斉に製品発表が行われる可能性もある。

先日開催されたCEATEC JAPANでもauブースに展示されていたJTDCのワイヤレスヘッドセット。写真は最終的な製品仕様で、現在はもう少し大きいワーキングモデルで開発が行われているという。このサイズで動作するようになるのは、12月とのこと。最終的には国内通信キャリアへとOEMされて出荷の見通し
WIDCOMMのBluetooth用Software Development Kit(SDK)に含まれている開発用のユニット。手前はVISOR用のSpringboardモジュールタイプで、奥にはPC用にUSB接続するタイプ。それぞれ、Palm OS、WindowsのSDKに含まれている。あくまでBluetooth対応のアプリケーション開発用の製品で、このまま市販されるわけではない


日本でも一部ユーザーに人気のあるPSIONのブースに展示されていたPCカードタイプのBluetoothモジュール。右側を指で押し込むことで、アンテナ部分がポップアップして出し入れできるのが他の製品にはない特徴のひとつ。ただし、現時点では動作モデルではない PC向けとしては、すっきりとまとまっている感じのするUSBのドングルタイプ。LG Electoronicsの関連会社MMCのブースに展示されていた。手前にLEDがついているので、動作状況を黙視できる点もいい。しかしどのような形であれ、既存のハードウェアに追加する場合はインターフェースがひとつ犠牲になるので、最終的には組み込みが主流になるのは間違いのないところ PC用入力デバイスではお馴染みのLogiTechもBluetoothパビリオンに出展。いくつかの製品イメージを展示した。マウスやキーボードなど一部稼働モデルはあるが、これは同社既存の無線システムを利用したもので、実際にBluetoothが利用されているわけではない。今回の出展はあくまでBluetoothへの取り組みを示しており、すぐにこうした製品が出荷されるわけではないという

Bluetoothで構成されたネットワーク同士を相互接続するリピーターユニット。リピーターを介してという形にはなるが、Bluetoothの接続距離を、1km以上に延長させることができるという。スウェーデンに本社のあるBlue2spaceの製品。会場では、Bluetoothパビリオンと自社ブースのそれぞれにユニットを設置してデモンストレーションを行なった
Red-Mの「Red-M 3000AS」とMITACの「Blue Wave」は、いずれもBluetooth搭載機器からのインターネット接続をコントロールするインターネットアクセスサーバ。前者は、アクセスポイントユニット「Red-M1000AP」を増設することで、後者は出力を増幅させることで、より広い範囲にあるBluetooth搭載機器をカバーして、小規模オフィスやSOHOなどでの利用にも対応するようになっている
Ericssonが展示していたBlutoothモジュールと、RF用のチップセット(左)。パビリオンにはこうした開発向けの製品やキットが多く、インテルブースでは、モバイルPentium III搭載機向けの開発用パッケージなども展示されていた(右)

Ensure Technologiesの、Bluetoothを使ったPCセキュリティシステム「XyLoc」。このユニットを持ったユーザーが自分のPCに近づくことで、PC側の操作ロックなどが解除される仕組み。同様に席を離れれば、自動的にPCにはロックがかかる。現在のパスワード入力や指紋認証に代わる方法として、提案していくという


 さらに現状では、既存の機器をBluetooth対応にするPCカードやUSBアダプタのような後付のBluetoothユニットも目立つ。普及を前にした過渡期としては当然しかたないところだが、もともと携帯を前提とした情報機器をターゲットにしているだけに、ただでさえ制限されているインターフェースがBluetoothへの対応でひとつ犠牲になるのは厳しいと言わざるをえない。そのためにも、Bluetoothモジュールをあらかじめ内蔵している製品がいち早く登場することも普及へのきっかけになるだろう。特に、国内での携帯電話への搭載がどんなタイミングで始まるのかは注目する必要がある。

WORLD PC EXPOなど国内の展示会でも公開されているDynaBookのプロトタイプ。上蓋の部分にBluetoothモジュールが組み込まれている。東芝ブースでは、このDynaBookとQUALCOMM製の携帯電話を使って、インターネットアクセスのデモを行なっていた。デモに利用された携帯電話に使われてるチップセットは、先日QUALCOMMがサンプル出荷を行ったものだという(左)。COMPAQのプロトタイプは、Bluetoothだけでなく、Wi-Fiも視野に入れており銀色でペイントされたワイヤレスユニット部分を取り替え可能にしているのが特徴(右)

東芝ブースにはFutureProductというコーナーが設けられており、様々なジャンルのコンセプトモデルがモックアップで展示されている。なかには、Bluetooth対応の製品もいくつか含まれており写真で紹介しておこう。LibrettoサイズのノートPCは、コンセプトモデルのわりには現実的なデザイン(左)。一方の、デジタルカメラはといえばかなりユニークだ(中)。また、SDメモリーカードのメディアアプリケーションにも、Bluetooth対応カードのモックアップが含まれている


□COMDEX/Fall 2000のホームページ(英文)
http://www.key3media.com/comdex/fall2000/

(2000年11月16日)

[Reported by 矢作 晃]

I
最新ニュース
【11月30日】
【11月29日】
【11月28日】

【Watch記事検索】


【PC Watchホームページ】


ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp

Copyright (c) 2000 impress corporation All rights reserved.