WORLD PC EXPO 2000会場レポート
【映像機器編】
ナナオ、ハイビジョン対応PC用液晶ディスプレイほか
会期:10月17日~21日(17日は特別招待日)
10:30~18:00 (10月21日は17:00まで)
会場:東京ビッグサイト 東1~6ホール 西3ホール
入場料:1,500円
■ナナオ、BSデジタルハイビジョンにも対応したマルチメディア液晶など
最近、CRT以外にも液晶や、プラズマディスプレイにも注力しているナナオは、3種の液晶ディスプレイを参考出品した。
中でも注目は、D4端子を2系統備えたパソコン対応マルチメディア液晶ディスプレイだろう。液晶には15インチSuper-IPSパネル(1,024×768ドット)を採用。輝度400cd/平方メートル、視野角水平・垂直160度と、AV視聴を意識した高輝度、高視野角のものとなっている。
TVチューナを含む入力インターフェイスボックス部と、液晶パネル部を分離した設計で、デジタルケーブル1本で接続される。なお、入力されたアナログ信号はインターフェイスボックスでプログレッシブ変換される。
このディスプレイの最大の特徴は、TVチューナ、ビデオ入力2系統(S端子×1、コンポジット×1)、アナログRGBに加え、D4端子を2系統装備していること。これにより通常のDVDはもちろん、プログレッシブDVD、BSデジタルハイビジョン(チューナは別途必要)にも対応する。
ただし、パソコン用ディスプレイがメインであるため、アスペクト比が4:3となっており、BSデジタル放送の視聴を考えると少し残念なところ。
発売時期は未定とのことだが「年末か来年初頭には発売したい」としており、価格も「他社の同コンセプトの製品と同等か、それ以下の価格にしたい」と非常に戦略的だ。
また、純粋なパソコン用ディスプレイとしては、16インチのTFT液晶ディスプレイが参考出品されている。同社ではこの製品を「18インチの解像度(1,280×1,024ドット)を、15インチの価格で提供する」と位置付けている。インターフェイスはDVIとアナログRGBの両方に対応し、発売は来年1~2月頃を予定している。
液晶ディスプレイの場合、現在では15インチと18インチではかなりの価格差があり、「もう少し高い解像度と、もう少し大きな画面を欲しい」というユーザーに向けた製品。
また、直接パソコンとは関係ないのだが、エンターテイメント製品ブランド「irem」の卓上型液晶ディスプレイ「Private Base」の参考展示も行なわれていた。
Private Baseは、プレイステーション2との組み合わせを考えたデザインを採用。実際にプレイステーション2を接続して展示されていた。液晶は7インチのワイド(480×284ドット)で、ステレオスピーカーも内蔵、重量は1.4kgとなっている。発売は来年1月で、価格はオープンプライスだが、実売5万円前後の見込み。オプションでTVチューナも用意される予定という。
当初はACアダプタでの駆動となるが、今後バッテリバックを発売することも考えられている。
■シャープ、MPEG-4ビデオレコーダ
シャープのブースでは、新コンセプトのキーボード付きザウルスと並んで、MPEG-4ビデオレコーダも参考展示している。年内の発売が予定されているが、価格は未定としている。
このユニットで録画したビデオを、MEPG-4対応の新しいザウルスで見るというのが基本コンセプト。しかし、PCカードスロットを搭載しているので対応記録メディアの幅は広く、それらに記録したビデオをノートPCで再生するという使い方もできる。
詳細はまだ未定で、展示されていたのもモックアップだったが、ビデオ入力端子のほか、予約ボタンもあることから、TVチューナを内蔵しタイマ録画もできるようだ。MPEG-4を使用するため、あまり画質は期待できないが、お手軽な半導体ビデオデッキとして期待できそうだ。
■NECからもPC用デジタル放送チューナが登場
また、NECブースではパソコン用BSデジタルハイビジョンチューナカードが展示されていた。
発売時期に関しては「12月のBSデジタルの本放送には難しいが、なるべく早く出したい」としている。価格も未定とのことだが、「現在発売されている単体チューナ(10万円程度)よりは安くなる」という。
製品としては、同社のVALUESTARにこのカードを組み込んだモデルをラインナップするほか、チューナカード単体でも発売される。カードにはD端子も装備される予定とのことで、対応テレビを持っていれば大画面で楽しむこともできる。
会場では、とりあえずBSデジタルハイビジョンの試験放送が流されていたが、製品版ではデータ放送や、HDDへの録画にも対応したいとしている。
■単眼ヘッドマウントディスプレイ
島津製作所のブースでは、単眼のヘッドマウントディスプレイ「Data Glass 2」の実演が行なわれている。Data Glass 2の特徴は、ディスプレイ部が70gと軽量なところ。インターフェイスはDFPで、800×600ドット液晶を使用している。見え方は「約60cm先に13インチ相当の画面」という。実際に見てみると、思いのほか画質はいいが、画面サイズは公称より小さく感じられた。
基本的にはパソコンメーカーなどへのOEM供給のみで、島津製作所から発売されることはなく、実際にOEM製品が市場に出回るのは、来春ぐらいとしている。ただし、「市場の要望が大きければ、OEM供給先で一般市場向けに販売される可能性もある」という。
価格については「13インチLCDと同じサイズの画面が見えるということで、それより安くする」としている。
□「Data Glass 2」のホームページ
http://www.shimadzu.co.jp/hmd/
□WORLD PC EXPO 2000のホームページ
http://wpc.nikkeibp.co.jp/wpc/
(2000年10月19日)
[Reported by furukawa@impress.co.jp]
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