コーエー、制作費7億円のPS2ゲーム「決戦II」この冬発売 |
挨拶をするシブサワ・コウこと襟川陽一会長 |
価格未定
連絡先:コーエー
Tel.045-561-6861
襟川恵子代表取締役社長。X-Box参戦はまだ? |
シリーズ1作目は日本の“関ヶ原”を舞台にしたストーリーだったが、「決戦II」では舞台を中国に移し三國志の世界が描かれる。ただ、史実に沿ったリアルなストーリーではなく、劉備と曹操を物語の中心に据え、2人の戦いと女性たちとの愛の物語を絡めたオリジナルの歴史ファンタジーとなる。プロデューサーのシブサワ・コウ氏は「プレイステーションユーザーは映画のファンが多いのでビジュアルを強化した」とコメントしており、シミュレーションとしてのリアルさよりもドラマチックで映画のようなストーリー展開に重きが置かれている。
ゲームシステムとしては、「決戦」で100人の兵士が入り乱れて戦う合戦シーンが話題となったが、今作では“群れ制御エンジン”の見直しが行なわれ、前作の5倍となる500人の兵士の戦いが描かれる。また、兵士が隊列を維持していると優位性が加算されるなどよりリアルな合戦が楽しめるという。会場では、PS2の実機によるデモが行なわれたが、250人対250人の合戦は迫力のあるものだった。ステージも前作の11から30へと約3倍になり、平地の戦いだけでなく攻城戦や水上戦といった幅広いステージが用意されている。
また、今回新たに雷や竜巻などの妖術や計略といったシステムが付け加えられた。会場で公開されたデモ映像では雷と竜巻が披露されたが、250人の部隊の約1/3が吹っ飛ぶなど破壊力バツグンだった。
同ソフトの開発プロデューサーでありコーエーの会長を務めるシブサワ・コウこと襟川陽一会長は「PS2のマーケットを広げる今までにない面白いものを作っていきたい」と、プロデューサー20周年を迎えた記念作品となる「決戦II」に対する意気込みを語った。
「決戦II」は7億円もの予算をかけた作品となる。ゲーム内のキャラクタは実際の俳優をベースに描かれるほか、その俳優が声優としても出演している。音楽は前作に引き続き小六禮次郎氏が担当。フルオーケストラで奏でられる音楽を収録する。
都内で開催された発表会では、コーエーの今後の展開についても発表された。それによれば、この冬発売予定のPS2用ブロードバンドアダプタに対応した通信対戦シミュレーション「信長の野望Internet」を2001年3月頃の発売を目処に開発中で、できれば今期中に発売したいとしている。「信長の野望Internet」はWindows用ゲームソフトとして'98年10月に発売されたものの移植。決戦シリーズに関しては「決戦IIIでぜひとも通信対戦にトライしてみたい」とシブサワ・コウ氏はコメントしている。
コーエーはWindowsプラットフォームで数多くのゲームを制作し、通信対応ゲームもすでに2作品リリース済みでかなりの技術を蓄積している。Windowsで通信対戦とくれば「X-Box」といったプラットフォームへの対応が注目されるが、同社代表取締役社長の襟川恵子氏によれば「X-BoxはWindowsのゲームを移植するのには向いているが、ただ同じものを出しても面白くない。かといってオリジナルソフトをハードの発売時に出して売れなかったら大変なことになる。プレイステーション2の時に同時発売ソフトとして決戦をリリースしたのは売れることがわかっていたから出したのであって、X-Boxに関しては様子を見て出していきたい」といい、任天堂のGAMECUBEに関しても「携帯ゲーム機に関しては好調なのでゲームボーイアドバンスは期待できるが、GAMECUBEに関しては様子を見たい」と慎重なところをみせた。
(2000年9月6日)
[Reported by funatsu@impress.co.jp]
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