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エディオン、上期連結決算は44億円の黒字
~パソコンは長期的低迷を覚悟

エディオン代表取締役会長 久保允誉氏(デオデオ社長)

12月4日発表

 大手家電量販店であるデオデオ(広島)と、エイデン(名古屋)の共同持株会社である株式会社エディオンが、2002年3月29日から9月30日までの第1期連結決算を発表した。

 売上高は2,227億8,400万円と、計画値に対して1.3%増。前年同期比では4.8%増、既存店ベースでは2.4%減となっている。エイデンの出店効果やFC(フランチャイズ)などの売り上げ増が影響したが、その一方で目立つのがパソコンの需要停滞だ。

 エディオン・久保允誉会長(=デオデオ社長)は、「パソコンは、一昨年以来の低迷が続いており、残念ながら前年同期比15.1%減と前年を大幅に下回った」として、パソコンの市況低迷が深刻であることを強調した。

 また、総利益は474億5,500万円(計画値比5.5%増)となったが、やはりここでもパソコンの低迷が目立つ。パソコンをはじめとする情報関連製品の構成比率は、前期の40.4%から33.6%に減少した。

 営業利益は25億3,300万円(計画値比130.3%増)、経常利益は44億4,500万円(同48.2%増)、当期利益は12億1,400万円(同51.8%増)。なお、パソコンおよび関連製品の売り上げ高前年比は、4月7.0%減、5月3.6%減、6月26.8%減、7月25.4%減、8月10.3%減、9月15.0%減と、月別でも前年割れが続いた。

 一方、2002年度通期の売上げ計画は、4,450億円(前年比4.4%増)、売上げ総利益955億円(同10.3%増)、営業利益50億円、経常利益89億円(146.5%増)、当期利益25億円。

第1期実績(連結) 第2期計画(連結)

 「パソコンに関しては、厳しい環境が続いており、ポストインターネットとなりうる起爆剤が見あたらない。長期的な低迷を覚悟している」(エディオン商品企画部・飛鳥井博文部長)とした。

 年度内には、25店舗の新規出店を予定しており、これで約500億円の売上げ増を見込む。また、来年度は、デオデオとエイデンをあわせて11店舗を出店するとともに5店舗を閉鎖。レギュラー店293店舗、FC店550店舗の合計843店舗の体制となる。また、同社では、今後の新たな事業計画について明らかにした。

平成15年度の出店・閉鎖計画 エディオンeeカード

 同社が次期ビジネスモデルとして掲げているのが、価格戦略よりも付加価値戦略をベースにした展開。「広島地区での動向を見ても、新たにヤマダ電機が出店しても大きな影響を受けていない。

 その理由は、価格には大きな差がないこと、さらに、顧客はサービスや安心感などの付加価値を求めていると判断している」(久保会長)として、顧客満足度を高める施策を相次ぎ展開する考えを示した。その具体的な施策として、来年4月からエディオン次世代統一カードの導入を開始する。

 これまでのデオデオカードの会員数およびエイデンでの新規加入などで初年度240万人、2004年度には300万人の加入を見込む。同カード会員は、商品購入時に980円を支払えば、5年間無償保証が付くなど、5つの特典を盛り込む。

 「他店では購入金額の5%というのが通常だが、当社の場合は一律980円となり、しかも、無償でのサービスが可能。パソコンでハードディスクのトラブルなどがあれば、他店では5~6万円の費用が発生するが、当社の場合は無償で修理する」(久保会長)というのが特徴となっている。

 現在、デオデオでは、カード会員構成比が購入顧客の52.9%、売り上げ金額の73.5%を占めており、カード会員による売り上げが下支えとなっている。今後は、統一カードにより、付加価値戦略を打ち出しやすい体制へと移行させたいとしている。

 また、午後5時までの受付ならば、即日での訪問が可能なサービス体制を確立しており、これを徹底させたいとしている。

 さらに同社の独自性を出せるオリジナル商品に関しては、今年度計画で500アイテムの新規投入を予定していたが、すでに第1期の段階で540アイテムの製品を投入。通期では800アイテムの投入へと上方修正して、全売上げ構成比の22%を目指す。「オリジナル商品に関しては、メーカープロパー製品に比べて、機能が高いが、価格は同じという戦略をとっていく」(エディオン商品企画部・飛鳥井博文部長)としている。

 とくにパソコンに関しては、第1期にオリジナルパソコンとして、NECと共同でシャインアートカラーのノートパソコンなどを投入し、「今後は、インテルを巻き込んだオリジナルパソコンの投入を考えたい。すでにインテル、NECとオリジナルパソコンの開発で話し合いをすすめている」(飛鳥井部長)としており、販売店オリジナルパソコンの開発にさらに力を注ぐ考えを示した。

 一方、エディオン連合の動きとしては、今年9月に、ベスト電器が連合から撤退し、新たに3Q、デンコードーが加入。これによって、上新電機、ミドリ電化との新5社連合が発足。栃木、山梨を除く全国45都道府県での販売/サービスが可能になった。

 また、今回新たに、エディオンの100%出資子会社として、関東エディオンを設立する計画が明らかにされ、これにより、関東地区への出店を加速させる考え。「家電量販市場の41%を占める関東地区で積極的な店舗展開をすすめたい」(久保会長)と意欲を見せた。

 なお、関東エディオンの設立時期や資本金、陣容などについては、明らかにされなかった。

□エディオンのホームページ
(12月4日現在、この件に関する情報は掲載されていない)
http://www.edion.co.jp/
□関連記事
【6月6日】エディオン、独自デザインの限定パソコンを7月に投入
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0606/edion.htm

(2002年12月4日)

[Reported by 大河原克行]


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