最新ニュース
【11月30日】
【11月29日】
【11月28日】

【Watch記事検索】

LCD/PDP International 2002開幕
~高密度化とワイド化が焦点に

会期:10月30日~11月1日

会場:パシフィコ横浜

入場料:2,000円



 フラットパネルディスプレイ(FPD)の総合展示会「LCD/PDP International 2002」が30日、パシフィコ横浜で開幕した。

 LCD/PDP Internationalは液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、有機ELディスプレイなどのFPDそのものから、製造設備、検査装置、部材などの関連製品を集めた展示会。コンシューマ向けのイベントではないが、液晶ディスプレイなどの最新動向をつかむことができる。

 ここでは、PCにもっとも関わりのある液晶ディスプレイを中心にレポートする。

 今回は、常連である日本や韓国のパネルメーカーのほかに、台湾のメーカーの出展が目立った。


●高密度化、ワイド化、大型化に活路を見出すPC用LCD

 LCDパネルの低価格化が進む中、高密度化、ワイド化、大型化で付加価値を付けた製品が多数展示された。とくに今回は、デスクトップPC用のパネルだけでなく、ノートPC用のパネルでも15型UXGA以上の高密度製品や、ワイド製品が展示されていた。

・LG PHILIPS

LG PHILIPSが“Technology Demonstration”として参考出品した15型QUXGA(3,200×2,400ドット) TFT液晶。密度は実に267ppi。ちなみに15型UXGAでは133ppi やはり参考出品の20.1型QUXGA液晶。こちらは低温ポリシリコン(LTPS)TFT液晶パネル こちらは製品の15型UXGA(1,600×1,200ドット)TFT液晶
23型のWUXGA(1,920×1,200ドット)TFT液晶 17.1型のWXGA+(1,440×900ドット)TFT液晶

・Samsung

SamsungがノートPC用として展示した15.4型WUXGA(1,920×1,200ドット)TFT液晶。このほか15.4型と17型のWXGA(1,280×800ドット)のノートPC用パネルも展示 こちらはデスクトップ用の24型WUXGA(1,920×1,200ドット)TFT液晶 やはりデスクトップ用の21型UXGA(1,600×1,200ドット)TFT液晶

・日立製作所

日立は開発中の15.4型WXGA(1,280×800ドット)TFT液晶を参考出品 新製品の16.1型UXGA(1,600×1,200ドット)TFT液晶 16型SXGA+(1,400×1,050ドット)TFT液晶

・シャープ

シャープのノートPC用16型SXGA(1,280×1,024ドット)TFT液晶は上下左右170度の広視野角を誇る 28.3型QSXGA(2,560×2,048ドット)TFT液晶。やはり上下左右170度の広視野角液晶となっている ノートPC用の15型UXGA(1,600×1,200ドット)TFT液晶

・三菱電機

三菱電機が参考出品した17.5型WXGA(1,280×768ドット)TFT液晶。写真はLEDバックライトだが、CCFLバックライトモデルもある やはり参考出品の22型WXGA(1,280×768ドット)TFT液晶。動画表示と色再現を向上させる機能が装備される こちらは新製品の15型SXGA+(1,400×1,050ドット)TFT液晶

・AU Optronics

台湾のAU Optronics(Acer Display TechnologiesとUNIPAC Optoelectronicsが合併してできた会社)はノートPC用15.2型WSXGA(1,280×854ドット)TFT液晶を出展 ノートPC用15型SXGA+(1,400×1,050ドット)TFT液晶 デスクトップPC用20.1型UXGA(1,600×1,200ドット)TFT液晶

・IDTech

日本IBMと台湾のCHI MEIの合弁企業である「IDTech」は、開発中の15型WXGA(1,280×800ドット)液晶を参考出品……したが、なぜか動作していなかった ノートPC用ながら上下左右170度の広視野角を誇る15型UXGA(1,600×1,200ドット)TFT液晶 やはり広視野角のノートPC用15型QXGA(2,048×1,536ドット)TFT液晶


●シャープはCGシリコン技術と3D液晶を多数展示

 シャープは先日発表した3D液晶と、CGシリコン技術によるシステム液晶を多数展示。システム液晶はパネル上にシリコンで電子回路を定着する技術。22日に公開されたZ80を定着したパネルは展示されなかったが、すでに量産に入っているモバイル端末用や自動車搭載端末用などに応用された製品が多数展示された。CPUこそ形成されていないものの、ドライバICをパネル上に集積することで、小型化を強調していた。

シャープはCGシリコン技術によるシステム液晶製品を多数展示。左は自動車搭載端末用ディスプレイ、中はデジタルカメラ用、右はPDA用。このほか携帯電話用や電子ブック用の製品が展示されていた
ガラス基板の代わりにプラスチック基板を使った「4.4型プラスチック液晶」を参考展示。ガラスに比べ、軽く、薄く、頑丈にできるという 3D液晶はゲームなどの応用例を展示、注目を集めていた


●引き続き注目を集める有機ELディスプレイ

 有機ELディスプレイは大型の製品がいくつか参考展示されているほか、台湾などのメーカーからも出展されており、世界的に注目を集めていることがわかる。

三洋電機が参考出品した15型有機ELディスプレイ AU Optronicsが参考出品した4型有機ELディスプレイ。アモルファスシリコンタイプと低温ポリシリコンタイプが展示された エプソンが参考出品した、インクジェット技術を応用した有機ELディスプレイ。2.1型で、130ppiと有機ELでは高い解像度を実現


●マルチレイヤーディスプレイやTablet PC用液晶など

 パチンコ台などのメーカーであるサミーは、ニュージーランドのDeep Video Imaging製マルチレイヤーディスプレイ(MLD)を出品。通常の液晶の手前に透過液晶を置き、両方の表示を使い分けることで、表示に奥行きを与えたり、複数の情報を一度に表示したりできる。ゲームなどのエンターテイメント分野のほか、CAD/CAMなどへの応用が考えられている。

 そのほか、Tablet PC用にデジタイザを備えた製品などが展示された。

サミーが参考出品したMLD。人物は手前の透過液晶に、背景は背後の液晶に表示されている CAD/CAMへの応用例。通常の画面の上に違う情報を重ねて表示できる MLDの特徴。13型、15型、17型の製品が用意される
東芝松下ディスプレイテクノロジーのTablet PC用10.4型低温ポリシリコン液晶。デジタイザ基板とともに展示された LG PHILIPSのTablet PC用10.4型TFT液晶
米KopinのUBIQUITOUS CyberDisplay。0.24型ながら800×225ドット表示可能な高密度ディスプレイ。ヘッドマウントディスプレイとしての応用例が展示されていた

□LCD/PDP International 2002のホームページ
http://expo.nikkeibp.co.jp/lcd/

(2002年10月30日)

[Reported by tanaka-sh@impress.co.jp]


【PC Watchホームページ】


PC Watch編集部 pc-watch-info@impress.co.jp
個別にご回答することはいたしかねます。

Copyright (c) 2002 Impress Corporation All rights reserved.