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NEC、冬モデルでマーケット戦略の大転換
~ファミリー、パーソナル、ニュースタイルにラインナップを再編

10月10日 発表



 NECは8日、都内で冬モデルの製品発表会を行ない。コンシューマ市場向けPCのラインナップを一新した。

 今回の製品は、従来のデスクトップとノートというPC本体の形態による分類ではなく、使用形態によって3つの製品ラインが構成されている。これは、昨年来行なわれているプロダクツアウトからマーケットインへの転換に即しているという。とくに家族共用を前提としたファミリー向けに特化した製品を用意したことが特徴的だ。

形から用途へとラインナップを再編 3つのラインナップの棲み分け

 また、新たなNECのコンシューマPCのコンセプトは「Just Your iLife」とされ、ネットワーク化が進む中で、一人一人のライフスタイルに合わせて、日常生活を支える製品を提供するとしている.。

 「ファミリー」と名付けられた家庭向け製品を用意した前提について、NECカスタマックスの片岡洋一社長は「総務省の調査ではPCの世帯普及率は約6割に達しているが、複数人世帯では、PC保有世帯でも約半数がPCを利用しておらず約3,600万人に達する。PC未保有世帯の約4,800万人と合わせると約8,400万人がPCを使っておらず、この分野に対して注力する必要があることがわかった」と述べた。

 また、「PCには性能と機能があり、従来は性能にとらわれていた部分が多かったが、これからはソフトウェアの開発力を生かした機能を重視したい」とした。また、個人専用と家族専用では求められる機能が異なること、最初から3つの分野に分けたのではなく、121ware.comなどを利用した調査の結果から導いたと述べた。

8,400万人がPCを利用していない 個人と家庭では使用形態がまったく異なる 新コンセプトとその意味づけ

 ファミリー向け製品で重視されているのは、家族で共用するための機能だ。とくにデスクトップPC「VALUE STAR F」では、キーボードに「ファミリーボタン」と呼ぶ4つのボタンを用意し、家族のそれぞれに割り当てられる。家族の一員は自分のボタンを押すだけで、各自の環境のもとPCが起動できる。これにより1台のPCがまるで4台あるように使えるという。また、自分宛のメールが着信すると、ボタン脇のランプが点灯する。ノートPC「LaVie F」では、ハードウェア的なボタンは用意されていないが、各自にアイコンが用意される。

ファミリーボタンとファミリーランプ 「ニュースタイル」商品は2方向へ

 30~40歳代をターゲットとする家族共用に対し、「パーソナル」と名付けられた個人専用モデルは、20~30歳代が自室で使用することが想定されている。ノートPCが中心となっており、ホワイトボディの新筐体のノート「LaVie N」などが登場した。

 「ニュースタイル」商品は、特定の分野に特化した製品群。横置きの家電のようなデザインとなった「ホームAVサーバー」、ハードウェアMPEG-2リアルタイムエンコーダー/デコーダーボードを搭載した「VALUESTAR TX」などのAV指向の製品。モバイル向けのノートPC「LaVie M」と「LaVie J」などが含まれる。

パーソナル向けノートの商品区分 モバイルノートの新機能

 製造面では、中国からの完成品調達比率を上期の10%から下期は70%に高めることを中心に、資材調達先の共通化、国内生産の統合と生産性向上、SCM(サプライチェーンマネージメント)の改良により1週間にオペレーションの短縮などの施策が進められる。

左からNECソリューションズ 片山常務、NECカスタマックス 片岡社長 中国からの完成品調達比率を上げる 国内生産ラインも統合・改善

 上期のNECの市場シェアは32%としているが、「従来はシェアよりもコスト優先とみられてもしかたのない時期もあったが、転換した」とし、シェアを伸ばす攻めの姿勢へ転換したことが明確にされた。

PC-9801発売から20周年

 折しも、'82年10月13日のPC-9801発売以来、20周年を迎え、体制/マーケティングを大きく転換したNECの新製品が市場にどのように受け入れられるかが注目される。


□NECのホームページ
http://www.nec.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.nec.co.jp/press/ja/0210/1004.html

(2002年10月10日)

[Reported by date@impress.co.jp]


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