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■■ ニコン、400万画素3倍ズーム機「COOLPIX4300」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0902/nikon.htm
●光学ズーム、デジタルズーム(optical zoom、digital zoom)
こうがくずーむ、でじたるずーむ
デジタルカメラに搭載されているズーム機構。
光学ズームは、オーソドックスなカメラに搭載されているズームレンズと同じもので、光学系を構成するレンズの一部を動かし、焦点距離を変えることによって画角を連続的に変化させる。一方のデジタルズームは、光学系はそのままに、CCDで取り込んだ画像を処理するタイプで、通常は画像の一部を切り取って拡大することによって、ズームアップ(ズームイン)と同じような効果を得ている。したがって、拡大すればそれだけ画像は荒くなり、光学ズームのような被写界深度(※1)の変化もない。実際の製品では、ズームレンズのように連続的に変化させることのできないものもあるし、光学ズームとデジタルズームの両方を備えた製品の中には、光学ズームの限界を超えるとデジタルズームが働く(あるいは機能するように設定できる)タイプもある。また、劣化の激しい拡大は行なわないように、CCDの有効画素と出力画素との兼ね合いで、デジタルズームが利用できる(あるいは機能するように設定できる)製品もある。
※1 ピントの合う範囲のことで、レンズの焦点距離が短い(広角)ほど、また、絞り値が大きいほど、被写体との距離が長いほど深くなる(ピントの合う範囲が広がる)。
■■ プロカメラマン山田久美夫のカシオ新型「EXILIM」ファーストインプレッション
~早くも200万画素になったEXILIMの実力は?
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0904/yamada.htm
カメラに搭載されている、フィルムなどを一定時間だけ露光するための機構。
銀塩カメラのシャッターは、機械的な開閉機構で作られており、これを電子制御しているタイプを電子シャッター、機械的な仕組みだけで動いているタイプをメカニカルシャッターと呼んでいた。デジタルカメラでは、従来の機械的な開閉機構を持つものを総じてメカニカルシャッターといい、これを電子制御するタイプを特定する場合には、「電子制御方式のメカニカルシャッター」などとと呼んでいる。
デジタルカメラでいう電子シャッターは、機械的な開閉機構を使わず、光電変換によるチャージ時間という、CCD撮像素子ならではの性質を利用したタイプを指す。CCD撮像素子は、照射された光の量(強さと照射時間)に応じた電荷を発生するので、電荷をいったんクリアしてから読み出せば、読み出しまでの間隔で露光時間が決まるという仕掛けである。デジタルカメラのシャッターは、一般にこの電子シャッターが基本だが、電荷を読み出している最中に強い光があたっているとノイズが発生することがあるので、これを遮る目的で、メカニカルシャッターを併用している製品も多い。
【参考】
□CCD撮像素子
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980324/key23.htm#CCD
□CCD撮像素子の種類
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000217/key108.htm#FT
□CMOSセンサ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000120/key104.htm#CMOS
□スミア
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/991028/key96.htm#smear
□フォーカルプレーン
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0208/key196.htm#FOCAL
■■ ソニー、CMS容量のアップにより高速化した「バイオU」、「バイオC1」
~バイオUはボディカラーも変更
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0909/sony3.htm
●CMS(Code Morphing Software)
しーえむえす(こーどもーふぃんぐそふとうぇあ)
Transmeta Corporationが開発したx86互換プロセッサ「Crusoe」に使われている、x86命令をネイティブコードに変換して実行するソフトウェア。
Crusoeは、コアにVLIWを採用したプロセッサで、アーキテクチャも命令セットも、x86とはまったく異なる。この点は、IntelのItaniumなども同様であり、PentiumやCeleronなども、実際にはx86命令をμOps(micro-Operations)と呼ばれる、複数の短い内部コードに変換してから実行している。ただし、これらプロセッサが、変換ロジックをプロセッサ内部にハードウェアとして実装しているのに対し、Crusoeは、CMSと呼ばれるソフトウェアで用意。システムの起動時には、先ずこのCMSがフラッシュメモリからロードされ、その後のBIOSやOSなどのx86コードを実行してゆく。
CMSは、インタープリタとトランスレータの2つのモジュールで構成される。インタープリタは、x86命令を1つずつ順に解釈しながら実行して行くモジュールで、実行するx86命令の頻度を監視し、必要があればもう1つのトランスレータを呼び出す。トランスレータは、一連のx86命令をVLIW命令にコンパイルし最適化するモジュールで、コンパイルされたコードは、トランスレーションキャッシュと呼ばれる、Crusoe専用のメモリ領域(メインメモリの一部を使用)に格納される。同じ処理を繰り返す場合には、トランスレーションキャッシュのコードが直接実行するので、インタープリタのオーバーヘッドが大幅に低減される。
このCMSのおかげで、プロセッサ本体は非常に単純化されており、省電力化にも大きく貢献。ソフトウェアの改良で、機能拡張やパフォーマンスの向上も可能となる。
■■ Maxtor、320GB/250GBの大容量HDD「MaXLine」
~平均故障間隔は100万時間以上
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0910/maxtor1.htm
●MTBF(Mean Time Between Failure)
エムティービーエフ
平均故障間隔。故障を起こしてから次に故障を起こすまでの平均時間のこと。
一定期間内に稼動した合計時間を故障した回数で割ったもので、どの期間でも故障率が一定の場合には、単位時間当たりの故障率の逆数になる。修理に要する平均時間(平均修復時間)をMTTR(Mean Time To Repair)といい、MTBFを期間全体(MTBFとMTTRの合計)で割ったものが稼働率となる。
PCでは、ディスクドライブなどの信頼性を表すためによく用いられており、数10万~100万時間という大きな値が示されていることが多い。このMTBFは、実際にこれだけの時間、故障することなく稼動しつづけるということを意味しているのではなく、あくまで、統計的に算出された値である。単純な例としては、例えば500台のサンプルを、想定する環境の10倍厳しい条件で(加速試験)100時間テスト。1台故障したので、MTBFは50万時間(10×500台×100時間÷1台)というように算出する。したがって、MTBFが大きい方が信頼性は高いが、ユーザーにとって最も気になる「買った製品がいつ壊れるのか」ということを示しているわけではない。経年変化の少ない半導体パーツなら、長期に渡って数値通りの故障率を維持できるが、可動パーツは、日に日に故障率が高まって行く(もちろん使い方や環境にもよる)ことが、容易に予想できるだろう。
同義、あるいは似たような用語には、以下のようなものもある。
MTBM(Mean Time Between Maintenance) | 平均保守間隔 |
MTBS(Mean Time Between Stops) | 平均停止間隔 |
MTE(Mean Time Between Error) | 平均誤り間隔 |
MTTD(Mean Time To Diagnostic) | 平均診断時間 |
MTTF(Mean Time To Failure) | 平均故障時間 |
MTTFF(Mean Time To First Failure) | 最初の故障までの平均時間 |
MUT(Mean Up Time) | 平均動作可能時間 |
MDT(Mean Down Time) | 平均動作不能時間 |
■■ 富士フイルム、家庭内利用に配慮したプラスチック光ファイバ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0911/fuji.htm
●GI型(Graded Index)
ジーアイがた
ファイバ内の光の伝搬モードが1つしかないタイプをシングルモード型(Single Mode[SM]あるいはSingle Mode Fiber[SMF])、複数の伝搬モードを持つタイプをマルチモード型(MultiMode[MM]あるいはMultiMode Fiber[MMF])という。MM型は、コアの屈折率分布の違いから、さらにステップインデックス型(SI~Step Index)と、このグレードインデックス型に分類される。SI型は、コアの屈折率が均一なタイプ。GI型はコアの中心では高く、クラッドに近づくにつれて次第に低くなるように、屈折率に分布をもたせたタイプで、現在のMMFには、もっぱらこのGI型が用いられている。
光は、同じ媒質の中では直進するが、屈折率が異なる媒質の境界では、屈折して進む。屈折率の高い媒質から低い媒質に進入する際には、光は境界面に近づく方向に少し折り曲げられるため、一定の入射角を超えると境界面を超えられずに全て反射してしまう、全反射という現象が起こる。この全反射を利用し、ファイバの一端から照射した光を、ファイバ内に閉じ込めて伝送するのが光ファイバで、光の通路となる屈折率の高い部分をコア、光を閉じ込めるための屈折率の低い部分をクラッドと呼んでいる。なお、さきほどの入射角は、コアとクラッドの境界面の法線(面に垂直な直線)とのなす角のことなので、全反射する入射角の大きな光というのは、実際に光を受光するファイバの断面に対しては、入射角の小さな(受光角の小さな)光のことである。
全反射を繰り返しながら進む光の中でも、いくつかの特定の角度で反射した位相の揃っている光は、互いに強め合って遠くまで伝搬する。これを伝搬モードといい、伝搬モードに複数の組み合わせがあるのがMM型である。オーソドックスなMM型であるSI型では、それぞれの伝搬モードの信号に時間的なズレ(モード分散)が生ずるため、パルス幅の短い高速通信や、遅延が積算される長距離伝送が難しい。そこで、これを解決するためにGI型と呼ばれるタイプが開発された。
光の伝搬速度は、媒質の屈折率に反比例する。屈折率が大きければ、光の伝搬速度はそれだけ遅くなるのだ。コアの屈折率が一定のSI型は、常に一定の伝搬速度で一定の境界面で全反射が起こる。受光角が大きく(境界面の入射角の小さい)、全反射を何回も繰り返しながら進む伝搬モードほど、ジグザクの長い経路をとるため、大きな遅延が生じてしまうのである。GI型では、コアの中心部から徐々に屈折率が低くなっているので、光は少しずつ曲がって全反射と、放物線を描くように進んで行く。受光角の小さな(境界面の入射角の大きい)光は、コア中心部に近い短い経路を進むが、同時に速度も遅くなってしまうので、長い経路を速く進むモードとの時間差を相殺し、モード分散が低減される仕組みである。
伝搬モードは、コア径を小さくしてゆくと次第に少なくなり(使用する光の波長を長くしても同様だが、損失が少なくなおかつ素子の製造が可能な波長は限られている)、やがて1つの伝送モードしか持たなくなる(さらに細くすると伝送モードがなくなってしまう)。これがSM型の光ファイバで、モード分散が起こらないため、長距離伝送や広帯域伝送にはもっぱらこのタイプが使われている。ただし、コストがかかり取り扱いも難しい。
【参考】
□POF(Plastic Optical Fiber)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000928/key137.htm#POF
■■ 後藤弘茂のWeekly海外ニュース
Microsoftの「Palladium」から推測されるIntelの「LaGrande」テクノロジ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0911/kaigai01.htm
●公開鍵方式(public key encryption)
こうかいかぎ(あんごう)ほうしき
暗号化方式の1つで、暗号化と復号化に同じ鍵を使うタイプを秘密鍵暗号方式(secret key encryption)あるいは共有鍵暗号方式(shared key encryption)といい、異なる鍵を使うタイプを公開鍵暗号方式という。
秘密鍵暗号方式は、コンピュータ以前の太古から使われているオーソドックスな方法で、変換ルール(アルゴリズム)に変化をつけるための変数となる値(鍵)が、暗号化と復号化の双方向に機能する。比較的簡単に設計でき処理も軽いのだが、鍵の受け渡しや管理が難しいというのが大きな欠点である。
'70年代に開発された公開鍵暗号方式は、暗号化用の鍵と、それとは異なる復号化用の鍵を別に生成するタイプで、通常の暗号通信では、発信者側に渡した鍵を使ってデータを暗号化してもらう。暗号化されたデータは、同じ鍵では復号化できないので、秘密鍵暗号方式のように、渡した鍵を特に秘密にしておく必要はない。不特定多数に対して同じ鍵を渡すことができるので、これを公開鍵と呼んでいる。復号化が可能な鍵は、公開鍵と対になるもう1つの方で、こちらは、鍵を生成した受信者側で大切に保管しておく、秘密鍵、あるいはプライベートキーと呼ばれる鍵になる。この公開鍵暗号方式は、一般に処理は重いが、鍵の受け渡しや管理が容易であるため、インターネットの電子商取引などでは、この方式がよく用いられている。
公開鍵暗号方式は、通常の暗号化通信のやり方を逆転させると、そのまま電子署名に応用することができる。発信者が鍵を生成し、プライベートキーを使って暗号化。
これを、相手に公開鍵を使って復号化してもらうのである。送られてきた暗号文が、公開鍵で正しく復号化できれば、公開鍵を発行した本人(そもそもそれが信頼できるのかは別として)であることが確認できる。
[Text by 鈴木直美]
(2002年9月20日)