Delphi 7 Studio

　米Borlandは6日(現地時間)、.NETに対応したビジュアル開発ツールの新バージョン「Delphi 7 Studio」シリーズを今夏中に出荷開始すると発表した。対応OSはWindows 98/2000/XP。

　Delphi 7 Studioは、Microsoft .NET環境の開発にフォーカスしたビジュアル開発言語。Windowsプラットフォームでの既存のソフトウェア資産やスキルを、そのまま.NETプラットフォームに移行するための環境が提供される。また、.NETフレームワーク向けの開発機能(プレビュー版)も提供されるほか、Windows XPテーマもサポートされる。

　搭載機能の異なる4種類のパッケージが用意される。各パッケージは、Boldソフト「Bold」、UMLテクノロジを利用したモデリングツール「ModelMaker」、レポートツール「RAVE」、ビジュアルWebアプリケーション「InterWeb」、Linuxでのクロスプラットフォーム開発ツール「Kylix 3」などから構成される。

　価格は、すべての機能を搭載した「Arcitect」が3,499ドル、Boldが省かれた「Enterprise」が2,999ドル、さらにModelMakerが省かれた「Professional」が999ドル、さらにRAVE、InterWeb、Kylix 3が省かれた「Personal」が99ドル。また、Arcitect版を30日間利用可能なトライアル版も無償配布される。

　なお、日本語版の発売日や価格などは、8月下旬に改めて発表される予定。

摂氏/華氏を計算して表示するサンプルプログラム	同じソースからコンパックフレームワーク向けに構築したプログラム。プラットフォームが異なってもソースを改編することなく既存のソフトウェア資産を利用できることをアピールしていた

ディベロッパー・リレーション部門シニア・マネジャ 兼 ボーランド・コミュニティ・ウェブサイト アーキテクト John F. Kaster氏

　製品発表に合わせて8日、都内でプレス向けカンファレンスが開催された。

　同社のシニア・マネジャJohn F. Kaster氏は、「Delphi 7 Studioは、.NETプラットフォームに100%対応したクロスプラットフォームのRAD(Rapid Application Development)環境だ。CLS(Common Language Specification)に準拠したソースコードであれば、ソースを改編することなく.NETアプリケーションとして構築できる」と、実際にサンプルプログラムを動作させるデモを交えながら解説を行なった。

　また、次世代のIDE(Integrated Development Environment)環境として、コードネーム「Galileo(ガリレオ)」で呼ばれる.NETベースの新プラットフォームを2003年の第1四半期より出荷することを明らかにした。

　Galileoは.NETランタイムをベースに開発された次世代IDE。.NETフレームワーク上で動作し、OSやプラットフォームに依存しないことが特徴。Win32ベースのアプリケーションも構築できるという。

コードネーム「Galileo(ガリレオ)」の概略(左)と概念図(右)。OSやプラットフォームに依存しない。COM、SOAP、CORBAなどのディストリビュートオブジェクトをサポートする

(2002年8月8日)

[Reported by yosida-s@impress.co.jp]