TFT液晶の携帯ゲーム機「スワンクリスタル」を買ってみました
~画質と視認性は確実に向上

7月12日発売

標準価格:7,800円



 株式会社バンダイから12日、2.8型TFT液晶ディスプレイを搭載した携帯ゲーム機「スワンクリスタル」が発売された。同機は、7,800円と低価格なハードウェアにTFT液晶というハイスペックなデバイスを搭載しているということで注目を集めている。編集部でも早速購入、その外観と内部について、FSTN液晶登載の従来機「ワンダースワンカラー」と比較しつつレポートする。


●一見同じ外観だが

 スワンクリスタルにはブルーバイオレットとワインレッドと2色の本体色が用意されているが、編集部で購入したのはブルーバイオレット。一見してわかるワンダースワンカラーからの変更点は、液晶ディスプレイの周りやスピーカー部、電源ボタンのデザインが変わったこと、ボディ上部にふくらみがついたことだ。このふくらみのぶんだけ、スワンクリスタルのほうが大きいが、ほぼ同じサイズと考えていいだろう。

 注目の液晶は、電源OFF時の色が、ワンダースワンカラーでは黒だったのが、スワンクリスタルでは灰色になっている。また、視野角と視認性に優れるTFT液晶のおかげか、コントラスト調節ダイヤルがなくなっている。

 液晶の色とダイヤルの有無以外に、TFT液晶登載であることを示すものはない。このへんは奥ゆかしいと言うべきか、新機種らしい演出がほしいと言うべきか。

スワンクリスタルのパッケージ ワンダースワンカラー(上)とスワンクリスタル。基本的には同じ もっとも大きな違いはワンダースワンカラー(右)にあったコントラスト調節ダイヤルがなくなっていること
背面や周辺機器ポートには変化がない。充電池はワンダースワンカラーのものが使えた


●画質と視認性は確実に向上

 登載されているTFT液晶は224×144ドット表示の反射型で、2.8型。注目の画質だが、スワンクリスタルだけを見た場合は「きれいになった」とは思わない人が多いようだ。反射型でバックライトやフロントライトがないため、ノートPCやPDAの液晶を見慣れた目には、とくに鮮明には見えないかもしれない。

 だが、ワンダースワンカラーと並べてみれば画質の違いは一目瞭然。スワンクリスタルのほうがクリアで明るく、シャープな画質を得られ、応答速度も向上している。もっとも改善が実感できるのは視野角で、斜め横から見たときの視認性は明らかにスワンクリスタルのほうが高い。

スタート画面を比べてみた。スワンクリスタル(左)の視認性の高さがわかる ちなみにスワンクリスタルの電源を切ると、こんなふうに残像を残しながらフェードアウトしていく


■■ 注意 ■■

・分解/改造を行なった場合、メーカーの保証は受けられなくなります。
・この記事を読んで行なった行為(分解など)によって、生じた損害はPC Watch編集部および、メーカー、購入したショップもその責を負いません。
・内部構造などに関する記述は編集部が使用した個体に関してのものであり、すべての製品について共通であるとは限りません
・PC Watch編集部では、この記事についての個別のご質問・お問い合わせにお答えすることはできません。

●基本的に変化無く、ややすっきりした内部

 外観では、基本的に大きな違いがない。ならば内部はどうだろう、というわけで分解してみた。

 構造は簡単で、2枚の外郭の中に1枚の基板と液晶パネルが入っているだけ。6本の特殊ネジを外せば分解できる。ネジの配置も従来機と同じ。

 基板上では、チップやコネクタのレイアウトなどはほぼ同じだ。CPUのスペックも動作周波数3.072MHzと変更はない。違いは、基板が白く塗られたこと、液晶パネルへ伸びるフラットケーブルが太くなったこと、コントラスト調整ダイヤルが無くなったことだ。基板のパターンは従来機よりもすっきりしたように見える。基板の型番はワンダースワンカラーが「PTS-0125B」、スワンクリスタルが「PTS-0148A」となっている。

 基板の液晶パネル側には、パネルを保護するためのクッションが貼られている。これ以外はやはり従来機同様だ。

スワンクリスタル(左)とワンダースワンカラーの内部。上部オレンジ色の液晶パネルへのフラットケーブルが太くなり、それに押し出された格好でCPUの位置が左にずれている。基板はクリスタルのほうがすっきりしている
スワンクリスタル(左)とワンダースワンカラーの液晶パネル裏。スワンクリスタルは液晶パネルを保護するクッションが貼られている スワンクリスタルの液晶保護クッションの下

●3,000円の価格差ならクリスタルを選ぶ

 一見何も変わっていないように見えるスワンクリスタルだが、TFT液晶のおかげで確実に画質と視認性が向上している。いちいちコントラストを調節しなくてすむのもうれしいところだ。さらに、電源ボタンがやわらかいゴムから堅いプラスチックになり、押しやすくなるなど、細かな改良も加えられている。ワンダースワンカラーはスワンクリスタルの発売時に値下げされ、本体価格が4,800円となっている。5,000円を切る価格は確かに魅力だが、スワンクリスタルの視認性の高さには、3,000円の価値が十分あるだろう。

□バンダイのホームページ
http://www.bandai.co.jp/
□ワンダースワンウェブ
http://www.swan.channel.or.jp/
□関連記事
【5月8日】バンダイ、ワンダースワンにTFT液晶搭載モデルが登場!(GAME)
http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20020508/wsc.htm
【2000年12月9日】どこが変わった? ここが変わった! ワンダースワンカラー(GAME)
http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20001209/bandai03.htm

(2002年7月12日)

[Reported by tanak-sh@impress.co.jp]

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