VR技術の総合展示会「産業用バーチャルリアリティ展」開催

会期:7月3日~5日

会場:東京ビッグサイト



 最新のバーチャルリアリティ技術を展示する「産業用バーチャルリアリティ展」が、東京ビッグサイトにて7月3日~5日までの間開催されている。一般入場料は5,000円だが、事前登録者は無料となっている。

 今年で10回目となる産業分野向けのバーチャルリアリティ技術の専門展示会。会場ではVR構築用のソフトウェアを始め、没入型ディスプレイ、モーションキャプチャ機器、ヘッドマウントディスプレイなど、さまざまな製品が展示され、実際に体感することができる。

 会場内は「3D CGゾーン」、「GIS/GPSゾーン」と、今回新たに設置された「3次元デジタイザゾーン」の3つに分けられている。いずれも産業用システムが中心のため、我々一般ユーザーの目に触れるものは少ないが、ナムコのO.R.B.S.など、コンシュマー市場への応用もありそうな機材も展示されている。



■3次元デジタイザゾーン

 3次元デジタイザや3次元データ生成ツールなどがメインで、キヤノンのMR Platform System、川田工業のバーチャルリアリティシステム「JoyChair」をはじめ、3Dグラスを使った立体視システムや、3Dスキャナなどが展示されている。また、旭エレクトロニクスのブースではナムコの大型汎用筐体「O.R.B.S.」なども展示されている。

キヤノンブースはMR(MixedReality) Platform Systemをデモ ゴーグル前面に取り付けられたカメラから取り込んだ映像とポリゴンで作成されたキャラクターをリアルタイムでミックスしたものを見ることができる。装着者の首の動きをトレースするので、首を振るとキャラクターが見える角度も変わる

「設計・製造ソリューション展の日本SGIブースではMR技術とバーチャルコンセプトカー「Suggeti」を組み合わせたデモを実施。ゴーグルを装着すると左の写真の用にCGで描かれた車が見える

2足歩行ロボット「isamu」でお馴染みの川田工業RoboCraftでは2軸のモーションベース「JoyChair-R1」を展示している。デモでは実際の車やボートから振動や傾きのデータを取り込み、その映像とともに動きを体感するもの(左)と、フロムソフトウェアのPS2用ゲームソフト「アーマードコア」のロボットの動きに合わせ、自分で操縦桿を操作して動かすものの2種が行なわれている。JoyChair-R1の価格は150万円

旭エレクトロニクスの会場ではナムコの汎用筐体「O.R.B.S.」が展示されていた。会場では旭エレクトロニクスが制作したフライトシミュレータを5分間楽しむことができるが、整理券が配られるほどの人気

ルミエールのブースでは「バーチャルマウス」が展示された。両端に搭載されたカメラによって指先の動きを検出してマウスポインタを動かすもので、上下左右の動きだけでなく、前後の奥行きも操作できる3次元デバイスになっている 島津製作所のバーチャルリアリティゴーグル「ProView XL50」。ヘリコプターのフライトシミュレータを体験できる

■3DCGゾーン・GIS/GPSゾーン

 3D CG製作用のツールやミドルウェアの展示がメインのゾーン。モーションキャプチャーシステムなども展示されている。また、GIS/GPSゾーンは3次元マップを中心とする地理情報システム(GIS:Geographic Information System)などの技術が中心のブース。航空機からのレーザー測距により3次元マップを作成した「MAP CUBE」などが展示されている

MAP CUBEの3Dマップ。航空機からのレーザー測距によってビルの高さをスキャンして立体化している。誤差は15cm程度という。作成した立体データに実際のビルのテクスチャを貼り付けてある スパイスのブースでデモされていたモーションキャプチャーシステム「Gypsy」。モーションデータは無線でPCに転送される。送信機は内蔵のため、装着者は無線の届く範囲で自由に動けるという。デモではディスプレイに表示されたポリゴンのカエルとリアルタイムで動かしていた

リアルビズがデモしていた軍用のシミュレーション。戦闘機や車両のコクピットデザインを模擬する「VAPS」と、陸海空軍からなる統合シミュレーションが可能な「STAGE」を組み合わせたものをデモしている。VAPSは米空軍の最新鋭戦闘機F-22のコクピットデザインに使用されたという リアルタイム・グラフィックスが展示しているBostonDynamics製のソフト「DI-Guy」(左)と「People Shop」。DI-Guyでモーションなどを作成し、PeopleShopでシナリオを作成する。どちらも複雑な操作は必要なく、PCにそれほど詳しくないユーザーでもシナリオの作成が可能になっているのが特徴。デモでは歩兵小隊が市街戦を展開するシーンが公開されていたが、軍用に限らず大規模自然災害発生時の救助活動のシミュレーションなど、さまざまな応用が可能という

□産業用バーチャルリアリティ展のホームページ
http://web.reedexpo.co.jp/ivr/

(2002年7月4日)

[Reported by kiyomiya@impress.co.jp]

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