TECHXNYレポート【DVD編】
~松下がHDD内蔵DVD-RAM/Rビデオレコーダを発表
DVDマルチドライブは10月に米国出荷予定

会期:6月25~28日
会場:Jacob K. Javits Convention Center



 松下電器産業の米国子会社である米国松下電器(Matsushita Electric Corporation of America)は25日(現地時間)、日本では「Dream」のブランドで発売しているHDD内蔵DVD-RAM/Rビデオレコーダの新製品「DMR-HS2」を、TECHXNY/PC EXPOの会場で発表した。

 従来モデルに比べて高さが約4cm低くなり、PCカードスロットがついた点が大きな改善点となっている。また、同時に昨年大ヒットとなったDVD-RAM/Rドライブの後継製品として期待されているDVDマルチドライブが、10月に米国で出荷されることが明らかになった。


●スリムになり、PCカードスロットがついたDMR-HS2

米国松下が発表したHDD内蔵DVD-RAM/RビデオレコーダのDMR-HS2。ケースがスリムになり、PCカードスロットが追加された

 今回米国松下がリリースしたのは、DVD-RAM/Rビデオレコーダの「DMR-E30」と、HDD内蔵のDVD-RAM/Rビデオレコーダの「DMR-HS2」の2製品。DMR-E30に関してはすでに日本でも発売されており、言語が違う点とユーザーインターフェイスが若干改善されていることを除いて大きな違いはない。

 全くの新製品となるのがHDDを内蔵したDMR-HS2で、現在日本で発売されているDMR-HS1の後継となる製品。大きな違いは見た目だ。DMR-HS1の高さが120mmであったのに対して、DMR-HS2は79mmと、4.1cmも低くなっている。

 内蔵されているHDDは40GBと変わらず、さらにドライブもDVD-RAM/Rとレコーダ部に大きな変更はないのだが、本体は小さくなっている。松下の説明員によれば各部を見直すことにより、より小さいケースに同じ機能を詰め込むことが可能になったのだという。

 また、DMR-HS2にはPCカードスロットが用意されている。ここにデジカメなどで撮影した画像を含んだメディアを挿入することにより、それらをTV画面に表示したり、データをDVD-RAMにコピーして利用することが可能になる。

 対応する画像形式はJPEGで、JPEGでさえありすれば松下以外のデジカメで撮った画像も利用することができるという。また、ユーザーインターフェイスもDMR-HS1に比べて若干改善されている。

 なお、これ以外の点に関しては従来モデルのDMR-HS1とほぼ変わらない。内蔵されているHDDは40GBで、高画質モード(XP)で8.5時間、標準モード(SP)で17時間、長時間モード(LP)で34時間、エコノミーモード(EP)で52時間の録画が可能になっている。

 DVD-RAM/R部分はDMS-HS1と同等の仕様で、4.7GBのDVD-RAMないしはDVD-Rで、XPで1時間、SPで2時間、LPで4時間、EPで6時間、両面タイプのDVD-RAMではその倍の時間の録画が可能。このほかの機能、DV端子、プログレッシブスキャンなどに関してもDMR-HS1と同等であるという。

 価格は米国向けのストリートプライスで1,199ドルとなっており、現在のレートで日本円に換算すると14万円の半ば程度の価格となる。なお、今回は米国向けのみの発表となっているが、日本市場にも近い将来投入されるとのことだ。

前面に用意された入力端子のカバーを開けたところ 上がDMR-E30(HDDなしモデル)、下がDMR-HS2(40GB内蔵モデル)。DMR-HS1はE30と比べて高さが気になったが、HS2では高さもE30のように低くなり、スリムになっている
新しく用意されたPCカードスロット。アダプタを介して、SDメモリーカード、コンパクトフラッシュなどのメディアが利用できる。読みとれるファイルはJPEG画像 DVD-RAMカムコーダ(VDR-M10)の後継として、VDR-M20も発表された。DVD-RAMだけでなく、DVD-Rへの対応が追加されている。2.5インチの液晶モニタと110万画素CCD、12倍の光学ズーム(デジタルズーム併用で240倍)、USB端子を備えており、PCに接続が可能。店頭予想価格は999.95ドル(日本円で12万円前後)

□ニュースリリース(英文)
http://www.panasonic.com/consumer_electronics/dvd_recorder/press_hs2.asp (DMR-HS2)
□製品情報
http://www.panasonic.com/consumer_electronics/dvd_recorder/hs2.asp (DMR-HS2)


●松下とSamsungのDVDマルチドライブは米国では10月頃出荷

米国松下のDVDマルチドライブLF-D521

 昨年、松下が市場に投入したDVD-RAM/Rドライブは、DVD-Rに書き込むことが可能になったということもあり、人気商品になった。そのDVD-RAM/Rの後継として予定されているのが、DVDマルチドライブだ。

 DVDマルチドライブでは、これまでCD-R/RWに書き込めなかったというDVD-RAM/Rドライブの弱点を補い、さらにDVD-Rの書き込み速度をDVD-RAM/Rドライブの等速(1x)から倍速(2x)へと向上させ、DVD-RWの書き込みにも対応している。

 既に日立LG(日立製作所とLG電子の合弁企業)がDVDマルチドライブをOEMメーカーに向けて出荷しているが、エンドユーザー向けのパッケージは用意されておらず、エンドユーザーになじみの深い松下電器ブランドでの発売が望まれていた。

 今回発表されたのは、「LF-D521」という型番がつけられたドライブで、「DVDBurnerII」というブランドが付けられている。公表された資料によれば、各メディアへの書き込み速度は次のようになっている。

種類 速度
DVD-RAM 2倍速
DVD-R 2倍速
DVD-RW 等速
CD-R 12倍速
CD-RW 8倍速


 市場への投入は10月と発表されており、価格は500ドル(日本円で約6万円)を切る価格に設定されることになるという。なお、同時にSamsungからもDVDマルチドライブが出荷されることも明らかにされ、こちらも10月出荷の予定ということだ。日本市場についても、時期は明らかではないが、同じように出荷する用意があるとの説明だった。

SamsungのDVDマルチドライブのSR-T03。松下の製品と同じように、DVD-RAM(2x)、DVD-R(2x)、DVD-RW(1x)、CD-R(12x)、CD-RW(8x)の書き込みが可能となっている SamsungのSD-816は、DVD-RAM/R/RW、CD-R/RWの読み込みが可能となっており、「DVD MULTI PLAYER」というロゴがつけられている

□ニュースリリース(英文)
http://www.panasonic.com/consumer_electronics/dvd_recorder/press_burner.asp (LF-D521)
□製品情報
http://www.panasonic.com/consumer_electronics/dvd_recorder/dvd_burner.asp (DMR-HS2)

□TECHXNYのホームページ(英文)
http://www.techxny.com/
□Matsushita Electric Corporation of Americaのホームページ(英文)
http://www.panasonic.com/
□Samsungのホームページ(英文)
http://www.samsung.com/
□関連記事
【2月1日】東芝、夏からDVD-RWドライブの出荷を開始
~DVDマルチドライブの出荷も計画
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0201/toshiba.htm

(2002年6月26日)

[Reported by 笠原一輝@ユービック・コンピューティング]

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