COMPUTEX TAIPEI 2002会場レポート:PDA編

百花繚乱の台湾製PDA
~中国ではPDAがステータスシンボルに

会期:6月3日~7日

会場:Taipei International Convention Center(TICC)
   Taipei World Trade Center(TWTC) Exhibition Hall
   Taipei World Trade Center(TWTC) Exhibition Hall 2



 COMPUTEX 2002の会場では、動作しているものからモックアップまで、アーキテクチャも機能もさまざまなPDAを見かける。そのほとんどは日本では見かけないものばかり。

 これらPDAベンダーが主たる市場としているのは、台湾、中国、米国だという。とくに中国では、富裕層がステータスシンボルとしてPDAを求める風潮があるそうだ。日本への進出については「予定が無い」「中国、米国の後にやるかもしれない」といったものばかり。大手メーカー製PDAがあふれる日本の現状を考えれば、日本市場に関心が無いのもうなずけるが、中には大変魅力的なPDAもあるため、やや残念な傾向である。

■Windows CE系

 「ライセンス料が高い」という声も聞かれたPocket PC 2002搭載機は、やはりASUS、Acerといった大手からリリースされる。そのほかはOEM用に作られたもので、OEM先の要求に合わせてWindows CE 3.0やCE.NET、Pocket PC 2002が搭載できるようになっているものがほとんどだ。

FICのPocket PC 2002搭載機。Strong ARM 206MHz、CF & SDメモリーカード対応とごく一般的な作り。Bluetooth機能を内蔵している ASUSのPocket PC 2002搭載機「MyPal A600」。XScaleの発表会に登場したり、いくつかの展示会で見かけるなど、日本でもおなじみのPDAだが、日本語版は米国、台湾の後という。XScale 400MHzを搭載 Eten Information Systemsの「Info Touch P600」。Pocket PC 2002 “Phone Edition”を搭載する携帯電話機能付きPDA。対応する携帯電話はGSM/GPRS。CPUはSutrongARM 206MHzで、SDメモリーカードスロットのほかにSIMカードスロットがある。SIMカードとは加入者情報を記録した小型ICカードで、どの端末でも自分のSIMカードを挿せば自分に課金される仕組み。7月に量産開始とのこと
MiTACのPocket PC 2002 Phone Edition搭載機「IP181-CFS」。GPRSのほか、CDMAにも対応する AcerのPocket PC 2002搭載機「n20」。Pocket PC機では少数派のメモリースティック対応機で、本体のスロットはメモリースティックスロットのみと潔い。ただし、PCカード対応のジャケットも用意される(写真右)。IEEE 802.11bアダプタを内蔵した「n20w」というモデルもある。XScale 400MHzを搭載。ちなみにクレードルの手前に、ペン立てよろしくスタイラスを立てられる
IntelはXScale/StrongARM搭載機を大量展示してモバイル機器への取り組みを誇示。USI、IABoxなど日本ではなじみのないベンダーのPDAが展示されている VGA表示できるWindows CE 3.0搭載機として日本にも輸入されたCyberbank「PC-EPhone II」の後継機? 相変わらずVGA表示ができ、ミニキーボードが追加された。OSはWindows CE.NETに、CPUはXScaleになっている Intelは携帯電話も大量展示。その中に、StrongARM搭載機としてNECのFOMA機「N2002」があった

■Palm OSそっくりな台湾製PDA用OS「PenbexOS」

 「PenbexOS」という見慣れないOSを搭載したPDAをいくつか見かけた。また、会場では100米ドルでPenbexOS搭載機に会場の地図などをインストールしたものを貸し出している。

 液晶の下の手書き文字認識エリアやその横のアイコンなど、Palm OSにそっくりで、搭載機を展示しているメーカーの説明員自ら「同じようなもの」と言い切ってしまう。ターゲットのCPUがモトローラのDragonBallというところも同じだ。

 すでに中国語版、英語版のほかフランス語版、スペイン語版、ドイツ語版などもあり、SDKも用意されている。が、日本語版の予定はないそうだ。

PenbexOS開発元であるPenbex Data Systemsのブースに陳列された各国語版PenbexOS搭載機。カラーディスプレイ対応版も用意されている PenbexOSのSDK。エミュレータが動作している BILLIONTON SYSTEMSのPenbexOS搭載機はなんと「ハローキティ」バージョン! 中国、台湾のみで発売
CMCの「EZ880」。MP3プレーヤ機能付き。CMCはPocket PC搭載機も展示していた GVISIONの「P528/548」。MP3プレーヤ機能付き これはPenbexOSではなく、PalmOS搭載機。Acer製でメモリースティックスロットを備える

■Embedded Linux搭載機も

 このほか、独自アーキテクチャのPDAもいくつか見られた。

GLOBAL VIEWのEmbedded LinuxをOSとするPDA「GP-1288」。CPUはMIPS。日本語版は「共同開発してくれるパートナーを募集中」とのこと ProSenseのPS-168。独自OSでGPSレシーバを内蔵している。もちろんPIMなどもインストールされており、CFカードスロットを備える

□COMPUTEX TAIPEI 2002のホームページ(英文)
http://www.computex.com.tw/computex2002/2002default.asp
□COMPUTEX TAIPEI 2002のホームページ(和文、TCA対日輸出促進センター)
http://www.ippc.com.tw/computex2002/2002default.asp

(2002年6月5日)

[Reported by tanak-sh@impress.co.jp]

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