ビックカメラ/Bic P kan新宿西口店、23日オープン
|
5月23日オープン
5月23日にビックカメラおよびBic P kanの新宿西口店がオープンするのに先駆けて、21日、報道関係者などに店内が初めて公開された。
●ビックグループの集大成
同店は、ヨドバシカメラの本拠である新宿西口に、同社が初めて進出した戦略的店舗。「オープン初日は、約7,000人の行列を見込んでいる」(ビックカメラ・塚本智明店長)と、オープンを直前にして、意欲を見せている。
今回のオープンは、小田急ハルクの全館リニューアルの主軸店舗としてビックカメラおよびBic P kanが入居したもので、ビックグループが百貨店と融合した店舗を出店するのは初めてのこと。
カメラおよび家電、オーディオなどを中心としたビックカメラは、2階フロア半分と、3階、5階、6階の9,130平方メートルを使用、Bic P kanは、4階フロア3,070平方メートルを使用している。
両社では、「昨年6月に東京・有楽町にオープンした有楽町店をしのぐ、ビックグループの集大成として、いままでになかったインショップモール“専門店の集合体”として、40万アイテムの品揃えを誇る」としている。
Bic P kan新宿西口店の店内。通路が広くとられている | フロア構成 |
●エンタープライズから自作ユーザーまでカバーするBic P kan
Bic P kanは、「IT時代の暮らしとビジネスを多角的にサポートする情報通信の総合専門店」として、「なんでもそろう・なんでもわかる、BestBuy Navigator Bic P kan」をコンセプトに掲げる。
パソコン、周辺機器、サプライ品などの展示に加えて、パソコンの初心者から上級者などにも対応できるサポート窓口「PCサポートスクエア」を設置、専門の担当者が対応するほか、「Dr.ビックのブロードバンド研究所」を設置して、ブロードバンドを活用した利用提案などを行なう。
また、イベントステージの「ビックアリーナ(BIC ARENA)」の設置や、セキュリティ関連製品を集めた「セキュリティゾーン」、法人顧客など対象にした「マイクロソフトライセンス相談窓口」、ソフトを実際に試用できるようにソフトごとにパソコンを用意したソフトウェアコーナーなど、独自の売り場構成にも取り組んでいる。
また、自作ユーザー向けのPCパーツ売り場を充実させており、新宿に新たな潮流を作ることになりそうだ。Bic P kanの島野広伸店長はPCパーツ売り場について、「秋葉原の裏道にある店のようにしたかったが、新宿でそこまではできない。量販店で揃えられるものはすべて揃えるようにした。これから自作マニアになるユーザーを狙う」としている。
左からマザーボード、CPU/メモリ価格表、静音化グッズコーナー。自作ユーザー向けのパーツが充実している | ||
パーツ売り場の随所に初心者向けの解説が掲示されている | Macintoshコーナー。本体だけでなくMacintosh対応周辺機器や書籍、Appleロゴマーク入りグッズまで揃える | エンタープライズ向けの商品も扱う。写真はUPS |
●店舗全体がホットスポットに
6階の「Broadband cafe @ LIVING」。店内の機器でインターネットにアクセスできるほか、HOT SPOTのアカウントがあれば自分のノートPCなどを持ち込んで使うこともできる。ただし、電源は用意されない。飲食物も販売される |
6階にはインターネットカフェ「Broadband cafe @ LIVING」を開設、近未来のリビングルームの様子を実演するとともに、オリジナルのストリーミング放送を提供している。
このサービスはNTTコミュニケーションズのホットスポットサービス「HOT SPOT」が提供しており、同サービスのアカウントを持っていれば自分の機器を持ち込んで、利用することもできる。また、同カフェだけでなく店舗全体をホットスポットとして、無線LANサービスを利用できるようになっている。
一方、ビックカメラは、2階入口に、ブラズマおよび液晶ディスプレイなどを展示、未来映像コーナーとして、「ブラウン管のないテレビ売り場」を実現してみせた。
5、6階は、新宿最大規模の家電総合売り場となり、家電製品に加えて、健康器具、寝具、眼鏡などのほか、インターネット家電などの展示も行なっている。有楽町店で話題を集めた「200ボルト家電コーナー」も用意している。
「お客との対話時間を長くもてる店づくりを目指した。お客のニーズをヒアリングできる店としたい」(宮嶋宏幸取締役)としており、「売り場に関しても、有楽町店が高さ1m50cmの什器を使用しているのに対して、10cm以上低くして、売り場を見やすく、買いやすくした」(ビックカメラ新宿西口店・塚本店長)、「店員が忙しくて、説明をしてくれる人がいない、ということがない売り場づくりにしたい」(Bic P kan新宿西口店・島野店長)と話す。
2階入口にある“ブラウン管のないテレビ売り場”「未来映像」コーナー。TVのほか、デジタルレコーダーなどが展示される | 2階には未来映像コーナーのほか、デジタルカメラとPDA、携帯電話、デジタルビデオカメラなども展示される | 3階はAV機器、カメラ、写真用品、デジタルカメラを扱う。写真はカメラバックのコーナー |
5階は家電、ゲーム機とソフト、映画や音楽ソフト、スポーツ用品、寝具、メガネなどを扱う |
●ライバルは意識しない
左からNTTコミュニケーションズ コンシューマ&オフィス事業部の安達宏課長、Bic P kan新宿西口店の島野広伸店長、ビックカメラ新宿西口店の塚本智明店長、株式会社ビックカメラの宮嶋宏幸取締役・営業部長 |
初日の計画は、来店客30万人(有楽町店の初日が40万人)、レジ通過が10万人(同13万人)。初年度売上目標はビックカメラが150億円、Bic P kanが150億円の合計300億円。
注目される新宿西口戦争だが、早くも、ビックの目の前に店を構えるさくらやが、22日から日替わりでの特別セールのチラシを配布するなど、臨戦態勢の様子も見られる。
塚本店長は、「とくに、ライバル店を意識しているわけではない。新宿西口の大きな市場は初めてであり、ライバル意識などおこがましい。我々は、見やすい、買いやすいという小売りの原点に返った店づくりをするだけ」と、ライバル店の動きにも平常を装っている。
宮嶋取締役は、「有楽町で、大規模な店舗において、商品展開や接客のやり方、ノウハウを培ってきた。これか新宿西口でも発揮できるだろう」と抱負を語っている。
同社の試算によると、新宿だけで1兆1,000億円の市場規模、そのうち新宿西口だけで5,000億円の商圏と見ている。
なお、ビックカメラおよびBic P kan新宿西口店の正式オープンは、5月23日午前10時。オープン記念キャンペーンとして、5月22日まで店舗前などに設置された特設入会受付カウンターで、ビックポイントカード会員に入会すると1,000円分のポイントプレゼントを実施している。また、日替わりの特価商品も用意するが、それが何になるかは「今日の夕方に入荷するまで、私たちもわかりません」(塚本店長)とのことだった。
さくらや新宿西口店のチラシ。特価攻勢で対抗 | 2階にはNTTドコモのG-FORTとeggyを満載した、いわくありげなワゴンが。どちらも一時大量に安売りされていた商品だが、値段は掲示されていなかった | 小田急ハルク1階と2階入り口にポイントカード入会受付カウンターが特設されている。22日まで |
□ビックカメラのホームページ
http://www.biccamera.co.jp/
□新宿西口店のホームページ
http://www.biccamera.co.jp/open/
(2002年5月21日)
[Reported by 大河原 克行/Photo by tanak-sh@impress.co.jp]
|