IPA、ソフト開発者発掘事業の成果発表イベントを開催
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IPAの小野雅敏 理事 |
会期:6月28日(金)、29日(土)
会場:TEPIAプラザ
経済産業省の外郭団体である情報処理振興事業協会(IPA)は、「未踏ソフトウェア創造事業」の成果を発表するイベント「ITX 2002 Summer ~スーパークリエータの世界~」を6月28~29日に、東京・北青山のTEPIAプラザで開催すると発表した。記者会見では、同事業に選出された開発者のうち2名が、3Dモデラーなどの研究成果をデモンストレーションした。
●天才開発者を発掘する事業
2000、2001年度プロジェクト・マネージャーの1人、電気通信大学の竹内郁雄 教授 |
同事業は優れたソフトウェア開発者「スーパークリエータ」を発掘・育成するために2000年度からIPAが実施しているもので、今年で3回目となる。同事業では独創的なソフトウェアを開発する個人またはグループに資金援助などの支援とともに、情報技術分野の有識者が務めるプロジェクト・マネージャー(2002年度は11名)がアドバイスを行なう。
2002年度のプロジェクト・マネージャーには“ダイナブック構想”でおなじみのアラン・ケイ氏をはじめ、携帯端末の日本語入力システム「POBox」の開発者として知られる増井俊之氏、Linuxカーネル開発や多言語入力システムなどで知られる新部裕氏、カーネギー・メロン大学ロボティクス研究所の金出武雄所長ほかが名を連ねている。なお、2002年度の公募はすでに終了している。
●開発成果を事業につなげる展示会
同事業の特徴は、開発の成果を事業化しようという指向が強いところで、2000年度は55件のプロジェクトを支援、うち9件が事業化、8件が成果をもとに会社を設立した。今回発表されたイベント「ITX 2002」にも、成果を事業化するための展示会としての役割があるという。
同イベントは2001年11月の「ITX 2001」に続く2回目。2000年度からの開発成果が展示、プレゼンテーションされるほか、プロジェクト・マネージャーによるパネルディスカッションが開催される。
●3D系の開発成果をデモ
会見では2000~2001年度のプロジェクト・マネージャーを務められた電気通信大学 情報工学科の竹内郁雄教授が両年度の2人の開発者を紹介、成果をデモンストレーションした。
1つは東京大学の講師である五十嵐健夫氏の「初心者による3次元アニメーションの構築と利用のためのインターフェース」で、3Dグラフィックスをワープロやプレゼンテーションソフトと同レベルまで簡単に操作できるようにし、幅広く利用してもらうための技術。マウスなどで手書きした線から3D画像を生成する技術「Teddy」は、すでにエクスツールのPC用ソフト「マジカルスケッチ」やタイトーのプレイステーション2用ソフト「ラクガキ王国」として商品化されている。
同氏はさらに、ユーザーがやりたいと思う操作の候補を表示するインターフェイスを備えた3Dモデラー「Chateau」や、生成した3Dモデルに簡単に彩色する技術「Chameleon」、キーフレーム指定などの複雑な操作を廃した3Dアニメーション生成技術「Squirrel」などのデモを行なった。なお、「Teddy」や「Chateau」のJavaアプレットを同氏のホームページで体験できる。
□五十嵐健夫氏のホームページ
http://www.mtl.t.u-tokyo.ac.jp/~takeo/
□関連記事
【4月2日】PS2ゲームレビュー「ガラクタ名作劇場 ラクガキ王国」(GAME)
http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20020402/raku.htm
もう1つは有限会社アントラッドの和田健之介氏による「双方向通信型3Dワールドシミュレーター」。ネットワーク上で複数ユーザーが共同で3Dの仮想世界を構築できるシステムで、高速物理演算技術や3Dアニメーションエンジン、オブジェクトの自律動作を簡単に記述できるスクリプト・エンジン、オブジェクト単位で制御可能なロード・バランシング機構など、様々な技術を集大成したもの。
とくに自律行動を指定するスクリプトは、スクリプト言語にPythonを使用。10~30行程度のスクリプトを書くだけで、物理法則に則った動作をするオブジェクトができあがる。将来はアイコンなどからスクリプトを生成できるインターフェイスを作り、子どもでも3Dワールド構築に参加できるようにしたい、としている。
□IPAのホームページ
http://www.ipa.go.jp/
□2002年度未踏ソフトウェア創造事業のホームページ
http://www.ipa.go.jp/NBP/14nendo/14mito/
(2002年5月20日)
[Reported by tanak-sh@impress.co.jp]
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