東芝、2001年度は2,540億円の赤字
~PCと半導体で大幅損失

島上清明 副社長

4月25日発表



 株式会社東芝は25日、2001年度通年の連結決算を発表した。

 これによると、売上高は5兆3,940億円(前年比9%減)、営業利益はマイナス1,136億円(前期比3,457億円減)、税引き前利益はマイナス3,766億円、純利益はマイナス2,540億円で、大幅な減収減益。

●PCと半導体、液晶が悪化の要因

 セグメント別に見ると、減益となっているのがPC関連/映像機器/携帯電話を扱う「デジタルメディア」と半導体/液晶/CRTを扱う「電子デバイス」。デジタルメディアは売上高1兆4,686億円(前期比1%減)、営業利益マイナス149億円(前期比329億円減)、電子デバイスは売上高1兆748億円(前期比31%減)、営業利益マイナス1,763億円(前期比2,927億円減)となっており、赤字決算の大きな要因はこの2つのセグメントとなっている。

 デジタルメディア部門では、コンボドライブの好調によりPC周辺機器が増収、また、北米向けTVとDVDプレイヤーの好調により映像機器が増収となった。しかし、PCの売上高が前期比1,000億円減の6,100億円、営業利益が前期比220億円減のマイナス50億円となったこと、またKDDI向け端末が好調にも関わらず、北米向け携帯電話が不調だったことなどにより、セグメント全体では大幅な減収減益となった。なお、PCの出荷台数は国内が前期比10万台減の90万台、海外が前期比35万台減の235万台。台数減に加えて価格の下落が低迷の要因となった。

 電子デバイス部門では、半導体と液晶が大幅に減収減益となった。いずれも価格下落と需要低迷が要因としている。半導体は売上高が前期比3,750億円減の7,250億円、営業利益が前期比2,280億円減のマイナス1,220億円と、大幅に悪化。ただし、営業利益については「2001年度第2四半期が底」(島上副社長)としており、売上高も1月時点での見込みよりも250億円ほど改善されているという。液晶の売上高は前期比250億円減の1,250億円、営業利益はマイナス320億円となっている。そのほか、液晶への転換が進むブラウン管、三洋電機に移管したニッケル水素電池事業も減収としている。

●2002年度は底入れ、2003年度に本格回復

 島上副社長は、2002年度は世界経済が回復途上にあり、国内経済は停滞局面が続くものの最悪期を脱したとの認識をもとに、本格回復は2003年になると見込み、2002年を「東芝再生の年」と位置付けた。

 さらに、2001年度の営業外利益マイナス2,631億円のうち、事業構造改革費用1,113億円、自立自営支援金976億円の計2,089億円が一時的な構造改革費用であること、調達コスト削減などにより収益構造が改善されていることから、業績が改善される見通しを述べた。連結の見通しは売上高が8%増の5兆8,500億円、営業利益は1,300億円としている。

 今回の減収減益の要因となったPC関連製品と半導体に関しても、需要が堅調に推移すること、「PC新製品がマーケットに受け入れられて好評」(島上副社長)なこと、液晶事業を松下電器産業と統合したことなどから、業績の回復を見込んでいる。具体的にはデジタルメディア部門で売上高17%増、営業利益190億円、電子デバイス部門で売上高20%増、営業利益150%としている。

□東芝のホームページ
http://www.toshiba.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.toshiba.co.jp/about/ir/er200204/japanese/index_j.htm
□投資家情報
http://www.toshiba.co.jp/about/ir/index_j.htm
□関連記事
【2001年10月26日】東芝、パソコン事業が海外で苦戦
~9月中間期は赤字、通期見通しも赤字転落へ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20011026/toshiba.htm

(2002年4月25日)

[Reported by tanak-sh@impress.co.jp]

I
最新ニュース
【11月30日】
【11月29日】
【11月28日】

【Watch記事検索】


【PC Watchホームページ】


PC Watch編集部 pc-watch-info@impress.co.jp
個別にご回答することはいたしかねます。

Copyright (c) 2002 impress corporation All rights reserved.