日立工機、プリンタ部門を分社し日立製作所に譲渡

日立工機代表取締役取締役社長 武田康嗣氏

4月23日発表



 日立工機株式会社は23日、同社のプリンタ事業部門を分社し、株式会社日立製作所に譲渡することを取締役会で決議したと発表した。

 新会社は今後両者間で詳細を協議の上、10月1日に設立され、その全株式が日立へ譲渡されるとともに、日立製作所のプリンタ事業部門が統合される予定。

 これまで日立工機は主に電動工具事業、高速プリンタ事業を柱に事業を展開してきたが、今後は電動工具事業に経営資源を集中していくという。

 今回の発表にあわせて23日、日立本社で記者会見が開催された。

日立製作所代表取締役取締役副社長 八木良樹氏

 日立製作所代表取締役取締役副社長の八木良樹氏は今回の発表について、「現在日立が再建に向けてグループ全体で広範囲に推し進めている提携や吸収合併の一環である」と説明。

 日立工機代表取締役取締役社長の武田康嗣氏は「当社は'99年、2000年度と2年連続で赤字を出したが、2001年には赤字を解消、2002年は予想を上回る業績を達成した。しかし、今後さらなる発展を目指すためには、日立グループの再建の流れとの連携を考慮した、新しい事業の進め方が必要になる」と新会社設立の経緯を説明した。

 そして、「日立工機の持つ高速プリンティング技術と、日立の持つカラー技術、開発力を組み合わせることで高速カラープリンタの開発を行ない、さらに日立の資金力、営業力を生かして世界規模での販売を行なっていく」(武田氏)と、新会社の方針について説明した。

 また、ユビキタス情報社会におけるプリンティング事業の新たな展開として、必要なときに必要なデータを必要なところへ届けるといったドキュメントデリバリーサービスなどを視野に入れたソリューション提供を行なっていくという。

 現在日立工機は高速大型機分野で世界トップのシェア45%を誇り、国内に1,000人、海外に700人の人員を持ち、年間売り上げ高は約450億円(プリンティング事業のみ)。新会社ではこれに、日立製作所の100人の人員と250億円の年間売り上げが組み合わさる形となる。

 会見では具体的な製品プランなどは明かされなかったが、ユビキタス情報社会へのソリューション提供を中心に据え、ビジネス、コンシューマといった垣根を越えた事業展開を図っていくという狙いが明らかにされた。

□日立工機のホームページ
(4月23日現在、この件に関する情報は掲載されていない)
http://www.hitachi-koki.co.jp/
□日立製作所のホームページ
(4月23日現在、この件に関する情報は掲載されていない)
http://www.hitachi.co.jp/

(2002年4月23日)

[Reported by wakasugi@impress.co.jp]

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