厚さ6mmの世界最薄デジカメ「eyeplate」を買ってみました

3月28日購入

標準価格:9,979円



 富士フイルムアクシア株式会社の、世界最薄コンパクトデジカメ「eyeplate(アイプレート)」が発売となった。早速、28日には秋葉原で、AKIBA PC Hotline!のスタッフがみつけ購入してきた。購入価格は9,979円。ということでその使い勝手などをレポートする。


■6mmはやはり驚異的な薄さ

eyeplate販売風景
撮影協力:ソフマップChicago店

 「eyeplate」は、31万画素CMOSイメージセンサーを搭載したデジカメで、いわゆるトイカメラと呼ばれるクラスの製品。このクラスは、ニチメンの展開している「Cheez!シリーズ」など多くのライバルがひしめく激戦区となっており、そこに世界最薄の触れ込みで投入された製品だけに期待も高まる。

 パッケージを開けてまず驚くのは、やはりその薄さ。本体サイズは85.6×6×54mm(幅×奥行き×高さ)と、ほぼ名刺サイズとなっており、6mmという厚さは、ちょっとした名刺入れよりも薄い。JRのSuika3枚分といった感じか。本体もアルミで覆われており、高級感が高い。

 カメラとしてのスペックはトイカメラの標準的なもので、640×480(VGA)/320×240(QVGA)ピクセルでの撮影が可能で、記録媒体は8MBのフラッシュメモリを搭載する。記録枚数はVGAで26枚、QVGAで101枚。画像フォーマットはJPEG(付属ソフトで取り込み時に変換)。バッテリは内蔵リチウムで、PCとUSB接続することで充電できる。


薄さ6mmはかなりインパクトがある ミニUSBコネクタを装備
名刺ケースと比較 大きめの名刺ケースにも入る


■レンズポップアップ式は面白いけれどオートパワーOFFに不満も

【動画】
ポップアップレンズを採用し、電源ON/OFFに連動する

 早速触ってみると、まず気になるのがポップアップレンズ。本体横のレンズポップアップスイッチを利用してレンズを立ち上げることで電源ONとなる仕組みで、起動時間は1~2秒といったところ。レンズを本体に押し込むことで電源OFFとなる。

 実際に撮影してみると、薄すぎてホールド感がないので、コツをつかむためには結構苦労する。最初のうちはストラップを使っていないと落としそうだ(もっとも35gととても軽いので床に何度か落としても大丈夫だったが……)。

 撮影していて気になったのは、30秒で自動的にパワーOFFとなってしまうこと。電源を入れて、フレーミング中にちょっと迷ったり、考えたりしているうちに30秒経過すると、自動的に電源が落ちてしまう。電源が落ちてからの復帰手段が用意されていないので、1度OFFになると、再度レンズを押し込めて、再びポップアップさせるという手順を踏まなければいけない。ちなみに、自動パワーOFF機能を停止したり、秒間設定することもできないので、面倒でストレスがたまるところだ。レンズポップアップのギミックは面白いだけにこのあたりの仕様はちょっと残念だ。


ボディはアルミ製で高級感がある 背面。操作系は至ってシンプル 同梱品。ソフトケースやUSBケーブルが付属する

 操作系はVGA/QVGA切り替えスイッチと、ビープ音ON/OFF切り替えスイッチを背面に搭載したシンプルなもので、画像消去などの基本操作が行なえる。シャッターは薄さの割には押しやすく感じた。



■画質はちょっと不満

 画質については、もう一歩という感じで、特に色味が若干淡すぎたり、滲みがちに感じた。また、このクラスのカメラにほぼ共通して言えることだが、蛍光灯下できれいなホワイトバランスで撮るのが難しいように思う。それでも、なにより軽くて常に持ち運べるのでちょっとしたスナップなどに便利だし、そのデザイン故か、人物を撮るときも被写体がカメラを意識せず、道端で適当に撮ってもあまり違和感がないようだ。

 撮影距離は60cm~無限遠となっており、マクロ撮影にはちょっと弱い。画質的には以前レポートした35万画素CMOS搭載の超小型カメラ「Che-ez! SPYZ」の方が上だと感じた。

屋外撮影
色滲みで油彩風になってしまうことがある

屋内撮影

付属のユーティリティ「eyeplate Photo Album」でカメラから画像をダウンロード

 撮影画像はUSBケーブルでPCと接続し、付属のユーティリティ「eyeplate Photo Album」を介して、TWAIN経由でPCにダウンロードする。USBマスストレージクラスには非対応。記録画像はJPEGだが、PCと接続後にユーティリティ側でJPEG変換するというもの。そのため、PC側にドライバ/ユーティリティをインストールすることが必須となる。なお、ドライバが入っていないと、初期導入時に、充電もできないので注意されたい。

 なお、バッテリはフル充電で500枚の撮影が可能とのことだが、VGAで26枚までしか撮れないので、充電してあればまずバッテリが切れるということはない。撮影枚数も26枚までというのはちょっと物足りない。JPEG変換できればもう少し撮れると思うのだが、この辺りはコスト/デザインとのトレードオフなのだろう。



■トイカメラの進化が感じられる「eyeplate」

 個人的には、もう少し画質が向上して欲しいし、細かい不満点もあるのだけれど、この薄さと軽さ、デザインは魅力的。編集部でも、買ってきた直後に、わらわらと人が集まってくるなど「モノ」としての魅力は強力だ。

 また、フラッシュメモリを採用しているため、電池が切れても撮影画像が消えないし、そもそも内蔵リチウム電池の持ちも結構長いようだ。以前レポートし、おそらく競合製品の最有力だと思われる「Che-ez! SPYZ」などと比べても、カメラの機能として一段階上がってきていると感じた。

 競合製品がひしめき、競争の激しいクラスだけに今後の進歩にも期待できそう。個人的には、次はJPEG記録で、USBマスストレージクラスに対応して欲しいのですが、いかがでしょうか? > メーカーの皆様。

Che-ez! SPYZとの比較
eyeplateがひとまわり大きく薄い USBミニコネクタを装備する

□富士フイルムアクシアのホームページ
http://www.axia.co.jp/
□製品情報
http://www.axia.co.jp/products/eyeplate/index.html
□関連記事
【3月14日】アクシア、厚さ6mmの世界最薄デジカメ「eyeplate」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0314/axia.htm
【2001年11月2日】VGAデジカメの次世代スタンダード? 「Che-ez! SPYZ」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20011102/spyz.htm

(2002年3月29日)

[Reported by usuda@impress.co.jp]

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