SGI、「フラワーガール」をモチーフにしたロボット「Posy」
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Posy |
3月25日 発表
左が姉で右が妹だという |
日本SGI株式会社は25日、人間とロボットの共存を目指すナビゲーションロボット「Posy」(ポージー)を発表した。
「Posy」はPINOなどのロボット・デザインを担当したフラワー・ロボティクス株式会社代表の松井龍哉氏がデザインしたロボット。松井氏による各所への出展は以前に行なわれているが、今回SGIのCI(Corporate Identity)キャラクターとして活動することが発表された。
3歳の女の子をイメージした大きさ/デザインで、結婚式において花嫁のサポートを行なう「フラワーガール」をモチーフにデザインされたという。4月以降、SGIのWebサイトやさまざまな活動で、CIキャラクターとして全面的に登場するほか、今年の秋には受付機能を搭載し、日本SGIの受付役として活用されるという。
デザイナーの松井氏は、「スペックを羅列するのは、娘の病歴を公開しているようなもので、あまり気持ちよくないのだが」と前置きした上で、関節の自由度は14でボディはFRPなど、Posyのスペックを明らかにした。モーターは汎用のもので、OSにはRealTime Linuxを搭載している。発表会で行なわれたデモンストレーションは、2体のPosyが舞台脇から登場し、挨拶するというもので、今回のデモでは、スタッフがリモートで操作したという。
なお、開発費はSGIが負担し、商標権、意匠権は日本SGIとフラワー・ロボティクスの双方が保有する。
胸元にSGIのロゴ | ボディはFRP製 |
頭部 | 背面 | Posy用の衣装 |
動画 | ||
デモの風景 | ||
【1.67MB】 | 【1.53MB】 | 【2.25MB】 |
日本SGIの和泉法夫社長 |
発表会では、日本SGIの和泉法夫社長が説明に立ち、ロボット事業参入の経緯を説明した。
同社が協賛するロボットコンテスト「RoboCup」など、ここ数年で同社が関係してきたロボット関連のイベントが、世界中の科学者が参画するすばらしい企画となった述べた。また、そうした分野でSGIのコンピュータが大きな成果を挙げてきたとし、ロボットへの参入はそうした経験が発端となっていることを示唆した。
また、「コンピュータグラフィックベンダとして、人間とロボットが共生する社会を作っていきたい。情報化社会をナビゲートする“やわらかい”イメージを生み出したい」とし、Posyは、人とロボットの共生を目指したものであって、先端テクノロジでリーダーシップを取るホンダやソニーと競合するものではないことを強調した。
また、「ハードウェアとしてのロボットではなく、これからのロボット。人とサッカーしても人が傷つかないなど、ビジョンを体現するものを目指している」とし、「今後、ロボット研究が進むにつれて、ロボットというのは危ないじゃないかということになるのは目に見えている。だから優しい、かわいいデザインを採用している」などと説明した。また、Webサイトや各種の企画でもアイコンとしてPosyが登場するとし、Posyを情報の入り口となる「情報社会のナビゲーター」と位置づけていくことをアピールした。
松井龍哉氏 |
続いて、Posyをデザインした、フラワー・ロボティクス株式会社代表の松井龍哉氏が壇上に立って説明した。
「まさに、入園式に娘を連れて行くような気持ちで会場へきた」と今の心境を語った後、「SGIは、デザイナーにとって憧れのマシンであり、また、最も重要なのは、SGIは(映画産業などにおいて)数々の夢を実現してきたということだ」とし、コラボレーションの相手としてのSGIへの敬意を示した。
その後、「幸福を導くようなテクノロジーでないと意味が無い。“Posy”の名前は、ブーケの花のことで、“生命を輝かせる”という意味を持っている。一人一人の生命を輝かせるようなものであってほしいという意味だ」とPosyのネーミングやコンセプトを解説した。
質疑応答では、今後のSGIとしての展開や、具体的にPosyで何ができるのか? といったことに質問が及んだ。
和泉、松井両氏とPosy |
「現在なにができるのか?」という質問では、現時点では「メカ的にいうとまだ、開発中」とのことで、今後、音声認識や、立体視などに対応していく予定。また、ソフトウェア開発や自律させるためのAI機能を今後充実させていくという。
それよりも現段階で重要なことは「世界観を作っていくこと(松井氏)」とし、「初期のアニメーションでも、さまざまなものが立ち上がったが、最終的には世界観をきっちり作ったミッキーマウスだけが残った」とし、世界観を作ることの重要性を説明した。
ロボット事業で収益を上げる方法については、「現時点ではまだ決定していない。秋に受付ロボとして稼動してからになるだろう(和泉社長)」と述べるにとどまった。
また、「“Posy”のデザインが怖いという意見もあるのですが?」という質問では、「そういう意見もあるが、かわいいとか、怖いと感じるのは人それぞれなので、特に気にしていない(松井氏)」と述べた。
□日本SGIのホームページ
http://www.sgi.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.sgi.co.jp/newsroom/press_releases/2002/mar/posy.html
(2002年3月25日)
[Reported by usuda@impress.co.jp]
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