Decuma、手書き日本語認識ソフト「Decuma Japanese」
|
発表会で挨拶する駐日スウェーデン大使 Krister Kumlin氏 |
3月5日発表
スウェーデンに本社をもつDecuma ABは、スウェーデン大使館内において発表会を開き、手書き日本語認識ソフト「Decuma Japanese(デクマ日本語)」を公開するとともに、国内市場へ本格参入することを明らかにした。
Decuma Japaneseは、日本語での手書き入力が可能な文字認識ソフト。対応OSはPocket PC 2002。3月2日~4月15日の間実施されている、日本ヒューレットパッカードのキャンペーン「“入力”ならジョルナダキャンペーン」において、jornada 568購入者に無料で提供されるのを機会に、日本市場へ本格参入するという。当面は単体パッケージでの販売は予定されていないが、今後は各社Pocket PC 2002搭載PDAなどへのバンドルも予定されているという。
漢字やかなをスタイラスペンで直接、入力ボックスに書き込むことで、文字を入力できる。3種類の認識モードが用意され、漢字、ひらがな、カタカナ、英数字などを混在して入力できる「標準モード」、ひらがなで入力して変換する「かなモード」、英数字専用の「英数モード」を備える。
入力ボックス数は各モードごとに異なり、標準モードで4ボックス、かなモードで6ボックス、英数モードで8ボックス。誤った文字が入力された場合などは、ボックス右下をタップすることで、変換候補を表示して再変換できる。
くせ字や続け字なども認識できるほか、認識した文字は、その属するカテゴリ(漢字やひらがな、カタカナなど)ごとに色分けして表示される。この機能により、誤認識しやすいひらがなの「へ」と、カタカナの「ヘ」などが色分けして表示されるため、区別も容易になる。
同社では認識エンジンとインターフェイスがうまく組み合わさることで、初めて高い能力を発揮できるとしていおり、ユーザーインターフェイスの開発にも、認識エンジンやデータベースと同程度の開発リソースをつぎ込んでいるという。
左から標準モード、かなモード、英数モード。各モードで入力ボックス数は異なり、入力ボックス上部にあるタブをタップすることによって各モードを切り換える。標準モードでは漢字とひらがなで背景色が変わっているのがわかる。 |
発表会ではまず、駐日スウェーデン大使のKrister Kumlin氏が「スウェーデンを代表する技術を発表できて嬉しく思う。最近はITの世界ではさまざまな技術革新が起こっているが、Decumaもそのひとつだ」と挨拶、「過去にアルファベットを文字認識するものは多く発表されているが、Decumaでは漢字も正確に認識できる。私の(日本語の)ハンドライティングが認識できるのだから問題ないでしょう」などと、冗談も交えながらスピーチを行なった。
Decuma AB Manager, Marketing and SalesのAnders Berglund氏 |
引き続き、Decuma AB Manager, Marketing and SalesのAnders Berglund氏が、同社の日本市場における戦略についてスピーチを行ない、そのなかで、株式会社ジャストシステムとの提携を発表した。両社の提携により、日本語変換システム「ATOK」にDecuma Japaneseの機能を組み込んだ製品を開発するとしており、2002年第3四半期までにデモンストレーション可能なプロトタイプを完成するという。
発表会後の質疑応答では、認識可能な文字数に関する質問がされ、「JIS第一水準と第二水準の700文字程度は認識できる」と説明した。
また、「日本HP以外の企業からの反応はどうか?」という質問には、「具体的な話はできないが、いくつかの企業からコンタクトは受けている。また、Pocket PC 2002以外にもPalm OSへの対応も考えている」と述べた。
□Decuma ABのホームページ
http://www.decuma.com/jp/
□ニュースリリース
http://www.decuma.com/jp/news/justsystem_020305.htm
□ジャストシステムのホームページ
(3月5日現在、この件に関する情報は掲載されていない)
http://www.justsystem.co.jp/
□関連記事
【2月27日】日本HP、jornada 568専用 pocketキーボードを発売
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0227/hp.htm
(2002年3月5日)
[Reported by kiyomiya@impress.co.jp]
|