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マイクロソフト、「マイクロソフトリサーチ」に関するプレスセミナーを開催
2月28日開催 マイクロソフト株式会社は28日、都内のホテルにおいて、同社の研究施設「マイクロソフト リサーチ(MSR)」に関するプレスセミナーを開催した。 MSRはマイクロソフトが'91年に設立した、同社のコンピュータ科学研究機関。現在では、全世界で40分野以上、620人の研究員が所属し、音声認識、ユーザーインターフェイス、プログラミングツールなどのほか、ネットワークやグラフィックス、自然言語処理などにまで及ぶ研究を幅広く行なっている。 研究拠点は、米国のワシントン州レドモンド、カリフォルニア州サンフランシスコ、英国のケンブリッジ、中国の北京の計4箇所。北京のアジア研究所は、約3年前にアジア圏全域をカバーするための施設として設立された。 研究成果はマイクロソフトの製品開発グループに提供され、ソフトウェアの開発に役立てられているとしており、Windows XPやOffice XPをはじめ、現在出荷されているほぼすべての製品にそのテクノロジーが活かされているという。 発表会ではMSRアジア研究所所長の張 亜勤 博士がプレゼンテーションを行ない、「マイクロソフトは生産性の向上、情報へのアクセス方法の向上、コミュニケーションの円滑化を目指している。MSRはそれらを実現するために、最新技術の研究を行ない、マイクロソフトが将来のテクノロジーへ対応できるように研究成果を提供している」と語った。 そのほか会場では、ワイヤレス環境でも高品質な動画配信が可能な「SMART(Scalable Media Adaptation and Robust Transport)メディア」や、音声認識/音声合成技術の「Mulan」、画像データの特徴から検索や整理が可能な「My Photo」など、研究成果の具体例がデモされた。
質疑応答では、「今後、現在主流のデスクトップ主体のGUIとは違うOSが一般の製品レベルで登場するか?」という質問に対して、「ケーブル+マウスという形式での操作はずいぶん長い間続いていたが、今後、PDAなどの携帯端末や情報家電分野では、音声ベースの入力が重要になってくる。電子メールを受信しても、合成音声によって内容を読み上げてくれ、スクリーンを見る必要もなくなるかもしれない。喋るという、人間には自然な行為がコンピュータにも浸透し、今後5年後くらいでそういったテクノロジがメインストリームになってくる。マウスやキーボードがなくなってしまうわけではないが、ユーザーインターフェイスは大幅に変わるだろう」と説明した。 また、「研究テーマなどはマイクロソフト本社側から指示があるのか?」という質問には、「我々の研究の性質は、創意工夫をこらしたものを作ることだ。そのため、何を研究するかについてはMSR内で100%決定している。本社からの制約などは一切ない」、「最先端の技術研究をし、その質も高くなければならない。最終的には、何らかの形で製品に影響を与える研究結果を出すことが我々の目的といえる」と回答した。 □マイクロソフトのホームページ (2002年2月28日) [Reported by kiyomiya@impress.co.jp] | I |
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