NVIDIA、国内でもGeForce4シリーズを発表

2月6日発表



エヌビディア日本支社支社長の東 正次氏

 NVIDIAは6日、国内でもGeForce4シリーズの発表会を開催した。GeForce4についての詳細はすでに米国における発表会でレポートしているため、ここでは国内で行なわれた発表会の模様を中心にお伝えする。

 発表会ではまず、エヌビディア日本支社支社長の東 正次氏が挨拶。「NVIDIAは、当初は思うように業績があがらず、困難な時期が続いた。しかし、RIVAシリーズの発表を期に業績が軌道に乗り始め、2000年3月にはXboxへの採用も決まった。現在ではクォータごとに売り上げが伸びており、“売り上げが最も速く10億ドルに達した会社(Morgan Stanley)”としても認定された」と、現在に至るまでの同社の経緯を簡単に説明した。

 同氏はNVIDIA製品が市場に受け入れられている理由として、「テクノロジーリーダーシップをとっている」という点をあげ、「グラフィックチップ開発のためにエンジニアリソース、マーケティングリソースともに集中的に投資し、ほかの分野にはあまり手をださないことで成功を収めてきている」と説明した。

 また、6ヶ月ごとにフラグシップとなるGPUを発表し、メーカーの新製品発表に合わせられる点や、統合アーキテクチャを採用しているため、ハイエンドからローエンドまですべてシングルバイナリのドライバで提供している点も強調。特にドライバでは、「世界各国のユーザーが共通のドライバを使うことで、バグフィックスも素早く処理できる」という点をアピールし、「NVIDIA製品が市場で支持された理由の一つと言える」とした。

 Xboxについてもコメントし、「Xboxはパソコンの1つの将来像だ。これまでPCは限られた用途にしか使われていなかったが、今後はセットトップボックスやホームサーバーなどのような形態で、リビングルームなどにも入ってくるのが当たり前になる。映像や音楽を配信するサーバーとして活用されるなど、コンシューマエレクトロニクスの領域での、大きなビジネスチャンスだ」と語った。

 最後に同氏は、「グラフィックチップには、デスクトップやノートPC、ゲームコンソールなどで2億5,000万ユニットの潜在的市場があるとみている。現在NVIDIAはデスクトップPCの約60%のシェアを占めているが、ノートPCなど、モバイル市場ではまだまだだ。モバイル系はこれからが勝負といえる」として締めくくった。



NVIDIAプロダクトラインマネージャ ブリン・ヤング氏

 引き続き、米NVIDIAのプロダクトラインマネージャ、ブリン・ヤング氏が登壇。GeForce4シリーズの製品概要の説明やデモを行なった。

 「GeForce4はまったく新しく設計し直した製品だ。2つのプログラマブルバーテックスシェーダやピクセルシェーダなどを搭載したnfiniteFX IIエンジン、メモリバンド幅のボトルネックを解消するLight Speed Memory Architecture IIや、滑らかなアンチエイリアス処理を実現するAccuview Antialiasingサブシステム、マルチモニタ表示が可能なnViewディスプレイテクノロジーなどにより、素晴らしいパフォーマンスを誇る」と語った。このうち、nfiniteFX IIエンジンはGeForce4 Tiシリーズのみに登載されている。

 まず、Accuview Antialiasingについてデモを交えながら解説し、「ユーザーからアンケートを採った結果、ほとんどのユーザーが演算機能などの高速化を要望したが、次に要望が多かったのは、画面のジャギーを消すためのアンチエイリアス機能についてだった。従来の製品ではアンチエイリアス機能を使うとパフォーマンスが悪くなってしまっていたが、GeForce4ではパフォーマンスに影響を与えることなく表示できる。ゲームユーザーには特に有効な機能だろう」と語った。

会場で公開されたデモの1つ。イカ(?)が優雅に水中を回遊する。背景の水草などもリアルに動く

 バーテックスシェーダについては、竜巻が町並みを破壊していく、というデモを公開。雲や竜巻のような、ハッキリした輪郭のないオブジェクトを描画する際の能力を披露した。「デュアルバーテックスシェーダーはXboxのそれをしのぐ性能を発揮する。PCゲームのマニアに、より強力な製品を提供したかった」と説明した。

 また、水面をクリックすると、リアルタイムで水面に波紋が広がるというデモなども行ない、「GeForce4では、まるで生きているような環境描写が可能になった。これは数年前には不可能なことだった。リアルタイムレンダリングとプレレンダリングの区別が付かなくなるような映像を作り出せるような製品を開発することが我々の目標だ」と語った。

 質疑応答では、「バーテックスシェーダやピクセルシェーダは、MXでもハードウェアで対応するのか?」という質問がされ、「ハードウェアでバーテックスシェーダやピクセルシェーダをサポートするのはGeForce4 Tiシリーズのみで、GeForce4 MXシリーズでは、ピクセルシェーダには非対応、バーテックスシェーダにはソフトウェアレベルで対応する」と説明された。

 また、「昨年買収した3dfxのテクノロジは、今回の製品に採用されているのか?」という質問には、「今回の製品に関しては、すべてNVIDIAネイティブの技術だ。しかし、3dfxのトップエンジニア達が我々のチームに加わっており、当然彼らの過去の資産も活かされているはず」と語った。

 なお、Tiシリーズのローエンドモデル「GeForce 4 Ti4200」については、コアクロック/メモリクロックともに200MHz、128MBのDDRメモリが搭載されるという仕様以外は最終仕様が決定しておらず、詳細は明らかにされなかった。NVIDIAによる搭載カードの予想小売価格は199ドル。

会場で展示されたGeForce4 MX搭載カード。右からPROLINK、MSI、Leadtek。当初はMX搭載カードがメインとなる。Tiシリーズ搭載カードの登場時期については未定

ELSAはパッケージのみの展示 Leadtekが展示していたGeForce4 Ti搭載カードのパネル。物々しいヒートシンクが搭載されている

□NVIDIAのホームページ(英文)
http://www.nvidia.com/
□関連記事
【2月6日】米NVIDIAがGeForce4ファミリーの7製品を発表
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0206/nvidia.htm

(2002年2月6日)

[Reported by kiyomiya@impress.co.jp / Photo by Akira Yahagi]

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