T-ZONE.、7店舗の撤退を開始
~約半数の店舗を閉鎖も不透明な今後の方針

東京・秋葉原
T-ZONE.本店


 CSK・エレクトロニクスが運営するパソコン専門店「T-ZONE.」が相次いで閉店する。

 昨年12月に、投資会社のヴィーナス・ファンドがCSK・エレクトロニクスの株式を、CSKグループから取得すると発表、同時に不採算店舗の閉鎖を開始している。

 CSK・エレクトロニクスが明らかにしているところによると、閉店が決定しているのは、ららぽーと(1月29日閉店)新宿(2月3日閉店)江坂(1月27日閉店)柏(2月11日閉店)所沢(2月17日閉店)横須賀(2月3日閉店)聖蹟桜ヶ丘(2月28日閉店)の7店舗。これにより、約半分の店舗が閉鎖することになる。また、今後も、順次閉鎖店舗が増える見込みで、最終的には、秋葉原などの一部店舗が残るだけになりそうだ。

 なかでも、横須賀店は、昨年4月のオープン以来、1年を経過してない段階での撤退ということになる。各店舗では、閉店の約2週間前から売り尽くしセールを行なう。

 昨年の株式売却報道以降、T-ZONE.の販売現場では、不安の色を隠せない。

 ある売り場担当者は、「今後、どうなるかといったことはまったく知らされていない」と語る。実際には、ヴィーナス・ファンドが、経営再編に向けた主導権をもっている様子で、旧CSK・エレクトロニクスの経営陣は、それにあわせた事業を執行している状態だと、同社関係者は語る。正式には経営権の移行は、2月下旬から3月上旬とされているが、事実上の移行が始まっているようだ。

 一方、秋葉原での競合店では、「基幹店舗における品揃えが徐々に悪化している」と指摘する。

 ある流通会社も、「今後の閉店の計画や具体的な方針が、取引会社に対しても明らかになっていないだけに、製品流通面で、やや弱腰にならざるを得ないのが実状」と、取引量を絞り始めている実態を明かす。

 競合するパソコン専門店の経営層では、「T-ZONE.側から、正式な説明がないためか、競合店である我々に対して質問が殺到している。もちろん、こちらも情報を持っているわけでもなく、情報の少なさに苛立っている取引業者が多い」と苦笑する。

 1月21日に開催されたパソコン専門店などが加盟する日本コンピュータシステム販売店協会の賀詞交換会でも、CSK・エレクトロニクスの関係者は一人も参加していなかった。

 「PC DIY SHOP」に代表されるように、T-ZONE.には根強いファンが多い。主力店舗における土日の来店客数の多さは相変わらずだ。そうした意味で、T-ZONE.の今後の行方を危惧するユーザーも少なくない。今後の方針について、明確なコメントがT-ZONE.側から早期に発表され、ユーザーの不安が払拭されることを期待したい。

□T-ZONE.のホームページ
http://www.t-zone.co.jp/
□関連記事
【2001年12月21日】CSK、CSKエレクトロニクスを投資事業組合に売却
~T-ZONEパソコン小売から撤退へ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20011221/csk.htm

(2002年1月25日)

[Reported by 大河原克行]

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